売れる店名の付け方:ネーミングはこの9つのポイントをチェックしよう。おしゃれなショップ名やブランド名にご注意を!

売れる店名のつけ方とは?今回は様々な事例を元にネーミング9つのポイントをご紹介していますEC・ネットショップ運営お役立ち資料ダウンロード

望月
フューチャーショップ カスタマーコンサルテーション部の望月です。ショッピングサイトを立ち上げようとする際に、一番最初に悩むのが店名です。

今回は、売れるECサイトの店舗名のつけ方について解説させていただきます。

フューチャーショップでは契約後の店舗の皆様の売上向上をお手伝いするために、契約店舗様向けの個別コンサルティングサービスを行っております。様々な店舗のお悩みや相談を受けて、解決に向けての施策を考えていく中で、日々新しい気付きがありますので、その中から、皆様にもお役立ていただけそうな内容を記事としてお届けして参ります。

「どうしてその名前にしてしまったの?」その店名読めません

ご相談をいただく店舗様のお悩みの基本は、
もっと売上を向上させるには?という悩みが多くあります。

そのような店舗様によく共通していることが一つあります。
それは店名が読めない(正しい読み方がわからない)ということです。

英語、イタリア語、フランス語など外国語の単語だったり、オリジナルの造語だったり、きっとECサイトを立ち上げるにあたって、いろんな思いを持って始めたのだろうなというのは、すごく伝わってきます。

ただ「どう読むのだろう」と思うようなショップ名を付けている店舗様があり、
これは様々な問題を引き起こします。

例えば、実際にこのような名前のECサイトがありました。

La casa azul
※個人的な友人が立ち上げたECサイトで今は存在しません。

スペイン語で「青の家」という意味のお店で、
インテリア雑貨を扱うお店で、一見おしゃれな名前
に見えます。

何が問題なのでしょうか?
以下に解説します。

店名がそもそも読めません

そもそも「La casa azul」という店名が読みにくい・読めないということは、お店のことを覚えていただく上でも問題がありますが、ECサイト上で何が一番の問題かというと、正しい読み方が1つに特定できない・読み仮名が1つに定まらないということです。

La casa azul= 「ラカサアジュール」? 「ラカーサアズール」?

一体どれが正解なのでしょう?

当時、友人に尋ねた際「そんなのどれでもいいよ」という答えで
「何か問題でも?」という感じでした。

問題なのは、それだけ発音上のパターンがあると、検索の際に使われる、SEOでのターゲットワード(SEO施策をサイトに施す際に想定される、実際に検索窓に入力される検索ワードで上位化したいワード)としての特定が難しくなります。

つまりSEO施策を実施するにしても、複数のワードを考慮する必要があり、難易度が高くなる、もしくはSEO効果が分散してしまいます。店名は将来的なSEO施策に直結しますので、SEO上の考慮も含めて店名を決めることが必要となってきます。

店名の正確なスペルが分かりません

上記と同様です。

仮にお客様が店名を「ラカーサアズール」と覚えていて、検索してみたものの上位に表示されてこず、たどり着けなかった場合どうするでしょうか?

例えば「ラカーサアズール インテリア」とワードを追加して検索してくださる場合もありますが、うろ覚えの英文字で入力してみようと思う方もいるでしょう。

そこで問題なのは、「ラカーサアズール」を正確に英文字のスペルで書くことができる方は、おそらくかなり少ないと考えられることです。よって何人かは入力できずに諦める、もしくは結局サイトにたどり着けないということが起こりえます。

またECサイト運営上InstagramなどのSNS施策も非常に重要ですが、そこで使用されるハッシュタグでも同様の問題が起こりえます。つまり、その投稿で使われる店名のハッシュタグが何パターンか出てきてしまい、ハッシュタグ検索の結果が分散してしまう可能性があります。

また人によっては、商品写真を投稿しようと思ったにもかかわらず、不正確なハッシュタグを投稿したくないので、店名のハッシュタグをつけないで投稿しようと考える方も出てくるかもしれません。そうなると、せっかくのチャンスが消えてしまうことになってしまいます。

なので、もし店名を英文字にするのであれば、パッと見て覚えやすいシンプルな店名にすることが重要です。

店名が記憶に残りません


店名が読みにくい、かつ文字としてのスペルも書きにくいとなると、当然記憶に残りにくくなり、買いたいと思った時に、思い出すことができないといったことが起こりえます。

例えば、個人的な話ですが、先日とある最寄り駅前のフレンチレストランに行ったところ、お店の雰囲気もよく、リーズナブルで、盛り付けも芸術的で美しく、かつ美味しい素晴らしいお店でしたが、少し凝った名前なので、今となっては誰かに紹介したいと思っても正確な店名を思い出せません。

想起率という言葉がありますが、「あれ買おうかな」となったときに「じゃあ、あの店で買おう」とすぐに店名が思い浮かばない場合、当然売上にもマイナスの影響があるということは、容易に想像できます。

「これって同じ会社?」ブランド名、ECサイト名、SNSアカウント名、ドメイン名が違う

ある分野で認知度と人気があり、素敵な商品を製造販売しているメーカーの方から、自社ECサイトに関して相談を受けたことがありました。さてどんなサイトだろうと調べてみて、まず気が付いたのは、まさにこの店舗様は

「ブランド名」
「ECサイト名」
「SNSアカウント名」
が異なるサイト
でした。

具体的にお名前を出すのは控えますが、イメージ的には以下の通りです。

店名:キビダンゴ 会社名=ブランド名:モモタロウ SNSアカウント名:momo2020 ドメイン名:momo-ecshop.com

何が問題なのでしょうか?

一番の問題は

「キビダンゴ」 という名前の ECサイト = 「モモタロウ」 ブランド の公式ECサイト

覚えてもらうまでに時間とコストがかかります。

つまりプロモーションコストが必要となり、別の言い方をすればECサイトとブランドが一致しない状態です。また、ECサイト立ち上げ時に最初に問題となるのはやはり集客ですが、ブランドに対してある程度の認知度があれば、そのブランドに関する一定数の検索ボリュームが見込めます。

検索エンジンから流入があった中から、一定数の方が購入に至ると想定されますので、ブランド名と別の店名を使うことは、シンプルに機会損失であり、ブランドのファンに対する利便性を失うことになります。

ユニクロの場合は下記のようになっていますが、

会社名:ファーストリテイリング SNSアカウント名=ドメイン名=ブランド名: UNIQLO (他のブランドも同様)

ユニクロのように潤沢な広告費を用いてプロモーションが行える企業は少なく、広告にあてられるコストは限られている店舗様の方が一般的と思います。

また良くわからない名前のECサイトよりも、例えニッチな商品でも少しでも聞いたことのある、検索すると出てくるブランド名をつけたECサイトのほうが、安心感があるので、コンバージョン率にも関わってきます。

様々な社内事情があるにせよ、わざわざ茨の道を歩まずに、できるだけ「ブランド名」「ECサイト名」「SNSアカウント名」を同一のものとして、貴社の積み上げてきたブランド認知という資産の活用を考えましょう。

「その文字を店舗名で使うと様々な不具合が…」実体参照の必要な文字は避けましょう

少々専門用語で難しい言葉ですが、文字実体参照(実体参照、エンティティ参照)というのは、

例えば
& ± > /

などで使用されます。

HTMLなどにおいては、直接記述できない文字や記号がそれにあたります。
参考サイト:文字参照

店名にこの文字実体参照が必要な文字、例えば「&」を使っている店舗様が散見されますが、この「&」を店名に使うのはできるだけ避けた方が無難です。

具体的な名前を避けますが、過去に携わった自社ECショップで、イメージ的には以下のような名前のサイトがありました。

Jane&doe

いったい何が問題なのでしょうか?
以下に解説します。

店名をドメイン名にそのまま使えない。

Jane&doe.jpというドメインは、ドメインのルール上「&」の文字が使用できないので取得できません。とすると考えられるドメインのパターンが

1)Jane-and-doe.jp
2)Janeanddoe.jp

このどちらかになるのが一般的です。

この場合、SEO的な観点から考えると、Googleが「 Jane-and-doe=Jane&doe 」 または 「 Janeanddoe=Jane&doe 」と認識できているか不安な部分があります。

また、HTML上では「Jane-and-doe.jp」と記述され、ページ上の文字コンテンツ内では「Jane&doe」と記述されて表記が異なってしまうので、SEO上どう影響があるのかがはっきりしていません。

つまりSEO上マイナスの可能性はあってもプラスの可能性が考えにくいのが問題となります。

また視覚的なブランド名認知という点でも、ドメイン名がユーザの目に触れる機会もあり実際のブランド名と表記が異なるので、マイナスの影響が考えられます。

SNSのハッシュタグに使えない

SNS投稿時に使用するハッシュタグに関して、#jane&doe といった「 & 」等の記号を含むハッシュタグは、ほとんどのSNSでは使用できません。よって #janeanddoe と表記する形になるので、正しい表記のブランド名を使用できず、視覚的なブランド認知にマイナスの影響が考えられます。

各種システム上の不具合発生の可能性

このように文字参照を各種Webシステム上で扱う場合は、専門用語になりますがエスケープ処理(「&」をプログラム上の記述の一部ではなく、あくまでコンテンツ上の文字として使っているよと伝える記述の処理)が必要となり、それに対応していない、無視してしまうシステムが多々あります。

一つの例ですが、Googleの検索結果上の表示で、ある条件下でページタイトル(タイトルタグ)内で使用していた「&」部分が抜けて表示されるということが実際にありました。

このようにWebという世界は様々なシステムが連携して成り立っている世界なので、このような文字をどのように扱うかというのは、関連しているシステムで必ずしも一定ではありませんので、できれば避けた方が無難となります。

売れるショップ名・店名のつけ方:9つのポイント

様々な観点から事例も含めて解説させていただきましたが、店名を考えるにあたっては、もちろん、文字としてのインパクトやショップ開始時の創業者や担当としての想い、その由来はとても大切です。

もし最初から、店名=ブランド名となるように考えていこうと思っている方は、代表的な企業のブランド名や会社名の由来を聞くと、「そうだったんだ!なるほど。」と思うものも多数あるかと思うので、下記の記事を参考にするのも良いでしょう。

参考サイト:ブランド名をつけるときに参考になる5パターン32選

その上で将来的な成長やSEO、SNS施策まで考慮したショップ名のつけ方に関して、既に解説させていただいたものも含めて、以下の通り9つのポイントとしてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

【 読むことはできるか(正しい読み方が1つに特定できるか)? 】
まずはここを確認しましょう。
読めないことにプラスの要素はほとんどありません。
【 既に自社にあるブランド名や会社名を流用できないか? 】
認知のためのプロモーションコストと時間が不要となり、すでに認知されている層の集客が見込めるのでぜひ流用をまず考えたいところです。
【 文字実体参照の必要な文字を使っていないか? 】
SEO上、SNS施策上、システム上の問題が出てくる可能性がありますので、なるべく避けましょう。
【 ドメイン名が取得できるか? 】
少なくとも「.jp」できれば「.com」 「.net」も含めて他社が使用していないか?取得が可能か確認しましょう。

将来的にドメイン名そのものを印刷物や商品のアイコンの一部として使用することも考えられます。ドメイン販売会社(レジストラ)のサイトで取得が可能か確認してみてください。

【 検索結果に強力なライバルがいないか? 】
Google/Instagramで考え付いたショップ名で実際に検索してみましょう。

その際に出てくる検索結果で強力なライバルはいないでしょうか? そのものずばりで強力なアーチスト名やアルバム名、製品名、店舗名が出てきた場合は避けるべきです。

将来的なSEOの難易度やSNS経由での集客にも関わってきますので、確認しましょう。

【 商標が取得できるか? 】
自社のECサイトがどこまでの成長を目指しているか次第ですが、大きなビジネスとして成長させていきたいのであれば、ECサイト名の商標登録を考えましょう。少なくとも自社ECサイトが取り扱う商品ジャンルにおいて、他社の商標を侵害していないかの確認は必要です。

商標は商標名と該当の区分(商品やサービスのジャンル)の組み合わせで権利取得ができますので、まずは特許庁の商標検索サイトから商標の登録状況を確認しましょう。

参考サイト:商標検索の方法は?特許庁の検索サイトのポイントを網羅!

ただこの登録状況の検索の仕方や、検索結果の見方にも専門知識が必要となってきますので、取得まで目指す店舗様の方は、弁理士さんへの相談をお勧めします。

【 声に出した時にちゃんと伝わるか? 】
一度、考えてみた店名を声に出して発音してみましょう。

分かりやすく伝わる言葉でしょうか?
発音しづらく聞き返されたりしないでしょうか?

言葉の響きは感覚的で、人によって捉え方が違うので一概に言えませんが、将来的な認知の浸透及び想起率に確実に関連してくる部分です。

【 ラ行の文字が入っているか? 】
ルイ・ヴィトン、シャネル、プラダ、エルメス、ディオール、セリーヌ、ロエベ、クロエ、ブルガリ、サンローラン、バーバリー、カルティエ、ハリーウィストン、ロレックスこれらのラグジュアリーブランド、ハイブランドのブランド名に共通しているのは何でしょうか?
それはラ行の「ラリルレロ」の文字です。これは必ずしもロジカルではありませんが、元伊勢丹カリスマバイヤーの故藤巻氏が唱えた理論で、ファッションに限らず、一つのブランドを作り、大きく育てていくことを意識しているのであれば「ラ行」を意識的に入れることも考えてみましょう。
【 SEOのターゲットワード(主要商材名)が入っているか? 】
メインの商材が決まっている店舗様に限られますが、商材名がSEO上のターゲットワードとして有効な場合は、思い切って店名に商材名を入れてしまうと、SEO上の施策が実施しやすくなり効果的です。

例えば、枕専門店で「枕 肩こり」という言葉で検索上位化したい場合は、「肩こり対策用枕の〇〇〇」としてしまいます。

一つだけ注意が必要なのは、この場合将来的に商品ジャンルを拡張していった場合、店名を変える必要が出てきます。ただこのような事例は多く、多くは「肩こり対策用枕の」部分を削除し「〇〇〇」のみを残す形となりますので、そこまで想定した店名を付ける必要があります。

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