売れる動画広告の構成・コピー・演出とは? 購入率約1.5倍の事例も。動画クリエイティブを解説!
- 2019.12.052024.01.30
EC業界では、サイトへの集客や購入促進に「動画」を活用するのが当たり前になりつつあります。
しかし、効果が高い動画クリエイティブを作る方法を、皆さんはご存知でしょうか?
「動画広告のクリエイティブの勝ちパターンを知りたい」
「そもそも、動画クリエイティブの作り方が分からない…」
そういった課題を抱えるEC事業さまに向けて、株式会社フューチャーショップは動画の作り方をテーマとしたセミナー「明日からできる動画クリエイティブ最前線」を10月3日に弊社東京オフィスで開催しました。
講師を務めてくださったのは、株式会社Kaizen Platformの栄井徹さんと藤原玄さん。
約1万人の動画クリエイターネットワークを持ち、スマホやSNSにフィットした動画の制作代行サービス「KAIZEN Ad」のノウハウや成功事例を踏まえ、ECサイトの集客やコンバージョン率向上に効果を発揮する動画の作り方を解説してくださいました。
セミナーの後半では、参加者の皆さまが動画の絵コンテを作るワークショップを実施。
セミナーで学んだ「効果が高い動画を作る方法」を踏まえ、グループディスカッションも行いながら動画の企画作りを体験しました。
動画制作の基礎知識から始まり、YouTubeやFacebook、Instagramなどで視聴されやすい演出のノウハウなど、実践的で貴重な情報が満載だったセミナーをレポートします!
株式会社Kaizen Platform Executive Officer 栄井 徹 氏
ソフトバンクを経て2006年にネットエイジ(現ユナイテッド)入社。デジタル広告事業の管掌として、複数の事業を立上げや、グループ会社の社長を兼務。2012年NYに渡米し、子会社を設立してグローバル事業を展開した。帰国後、Kaizen Platformの創業メンバーとして設立に関与。現在は新規サービス「Kaizen Ad」のグローバル展開を推進中
株式会社Kaizen Platform APAC Growth Manager 藤原 玄 氏
2012年に慶應義塾大学卒業後、ソフトバンク株式会社に入社。同社で法人向けクラウド製品、主にはGoogle for Workの商品企画を担当した。海外事業開発にも従事し、SprintのGoogle事業ローンチアドバイザーとして米国へ派遣。個人として”Google for Work Leadership Award 2015”を受賞。 2016年、「日本から世界に広がるプラットフォームを輸出したい」という想いでKaizen Platform Inc. に入社。セールスとマーケティングを担当。 2017年、DRAMATIC WORKS Inc. 設立。海外ソリューションのコンサルティングを主軸としてSLASH 株式会社にも参画。
目次
動画がEC業界でも注目を集めている理由とは?
セミナーの冒頭、弊社の山本が挨拶に登壇し、「明日からできる動画クリエイティブ最前線」を開催した目的を説明しました。
ECサイトの集客において動画の重要性が高まっています。
特に、SNSからの集客において、動画は購入のきっかけを創出したり、コンバージョン率を高めたりする上で非常に重要なコンテンツになりました。
「futureshop」をご利用いただいているショップさまが、動画を活用して集客を強化するヒントを得ていただくために、今回のセミナーを開催しました(フューチャーショップ・山本)
続いてKaizen Platformの栄井さんが登壇。
まずは、ECに動画を活用すべき理由について、近年の市場環境の変化を踏まえて次ように解説しました。
今、ECに動画を活用すべき理由とは?
- インターネット上のトラフィックに占める動画の割合が急増している。
シスコシステムズの調査では、2020年までにグローバルにおけるトラフィックの7〜8割を動画が占める見通し。 - FacebookやInstagramといった大手プラットフォームが動画コンテンツに力を注いでいる(ビデオファースト)。
動画重視のアルゴリズムによって、タイムラインに流れる動画が増えている。
動画配信に取り組む企業が急速に増えている一方で、クリエイティブの制作には専門知識やノウハウが必要になることから、制作に課題を抱えている企業も少なくないと栄井さんは指摘。
まずは動画制作の方法を知ることが、動画時代を勝ち抜くために重要だと強調しました。
動画広告を配信する際、ターゲティングや運用はAI(人工知能)などによってかなり自動化が進んでいます。
しかし、動画のクリエイティブの制作を自動化するのは、まだ難しい。
動画広告で成果を上げるには、ユーザー属性やデバイスなどに合わせて、最適な動画を作る方法を知らなくてはいけません。
(Kaizen Platform・栄井さん)
Kaizen Platformさんは、オンラインで発注から納品まで完結するクラウド型の動画制作サービス「Kaizen Ad」をグローバルで展開しています。
依頼主は管理画面上で動画の掲載媒体やターゲット、テイストなどを入力して素材を提供すると、5営業日以内に動画が完成します。
制作を担うのは、約1万人の登録クリエイター。
価格は5万円から、納期は5営業日以内という小回りの効くサービスが特徴です。
弊社はGoogleやFacebook、Amazonの動画クリエイティブパートナーとして認定されています。
こうしたプラットフォームで使う動画を大量に制作し、クリック率や成約率などの効果検証を行ってきました。
これまでに培ってきた経験を踏まえて、スマホやSNSで視聴されやすい動画の特徴を解説します。
(Kaizen Platform・栄井さん)
スマホ動画は最初の1秒が勝負!最初に結論を見せてユーザーの心を掴む
SNSのタイムラインに流れる動画や、YouTubeの動画広告は、「再生直後にユーザーの興味を引かないと最後まで見てもらえない」(Kaizen Platform・栄井さん)ということは、多くのEC事業者さまが実感していると思います。
特にスマホでは、動画広告が無視されやすいため、再生直後にユーザーの心を掴むことが必須になります。
栄井さんはFacebook社が発表しているデータを引用し、「ユーザーがスマートフォンでFacebookのフィードのファーストビューを閲覧するのは、わずか1.7秒」と指摘。
また、Kaizen Platform社が独自に検証したところによると、Instagramのストーリーズのファーストビューの閲覧時間は平均0.9秒だったそうです。
約1秒という非常に短い時間でユーザーの興味を引かないと、動画はスクロールされてしまう。これがスマホ動画の実態です。
ですから、動画の最初に結論や本題を入れて、ユーザーの心を掴まなくてはいけません。
(Kaizen Platform・栄井さん)
動画クリエイティブを効率的に作る方法とは? Kaizen Platformの事例に学ぶ
動画広告を配信したり、ECサイトにおける購入促進に動画を活用したりする場合、「ユーザーは同じクリエイティブを3回以上視聴すると飽きてしまう」(Kaizen Platform・栄井さん)ため、定期的に新しい動画クリエイティブを作らなくてはいけません。
動画をたくさん制作するには、制作コストを抑え、素早く制作できる仕組みが必要です。
その方法として「Kaizen Ad」では静止画や紙媒体のクリエイティブなどを流用することも多いそうです。
動画の制作コストと製作期間を短縮するポイント
- 社員やイラストなど静止画素材を動画に流用
- DMやチラシの素材を動画に流用
- ランディングページや商品ページのコンテンツを動画に流用
- 既存の長尺のプロモーション動画を再編集
応用編 SNSの特性やターゲット層に合わせて動画を作る
動画広告のクリック率を高めるには、配信先の媒体の特性を意識して動画を作ることもポイントになります。
例えば、InstagramやFacebookなどSNSのタイムラインに流れる動画は、無音で再生される場合が多いため、テキストで説明するといった工夫が必要です。
一方、YouTubeの動画広告は音声ありで視聴しているユーザーも多いため、必要以上のテキストは邪魔になります。
また、「動画のターゲットの属性や年齢層に合わせて、音楽や演出のテイストを変えることも効果的」(Kaizen Platform・栄井さん)だと説明。
20代向けには元気な音楽とナレーション、30代向けには落ち着いた音楽とナレーションといった具合に、内容を変えたことで成果を上げた事例も多いそうです。
ユーザーの購入率を高める秘訣は「動画と商品ページの世界観を統一」
動画広告の世界観と、動画からの飛び先のページの世界観を統一することも、動画広告の効果を高める上で重要のファクターになります。
Instagramの世界観に合わせて制作した動画の飛び先のランディングページが、Instagramとはまったく異なる世界観だと、ユーザーのテンションが下がってしまい、コンバージョンしにくくなる可能性があります。
(Kaizen Platform・栄井さん)
実際、動画とランディングページのユーザー体験に一貫性を持たせることで、購入率が約1.5倍に上がった事例もあるそうです。
動画クリエイティブの成功方程式「構成」「コピー」「表現」のポイントとは?
セミナーの後半では、Kaizen Platformの藤原さんが登壇し、動画の絵コンテを作る具体的な方法を解説しました。
藤原さんは、動画の要素は主に「構成」「コピー」「表現」の3つで出来ていると説明。
それぞれについて具体的に解説しました。
動画制作のポイント
- 構成
- コピー
- 演出
動画は上記3つの要素でできている!
「構成」のポイント
動画の「構成」は、「冒頭」「中間」「エンド」の3つのパーツに分かれる。
冒頭には「アテンション」や「訴求軸」、中間には「サブ訴求要素」、エンドには「アクション誘導」のコンテンツを入れると効果が高い。
特に、冒頭の「アテンション」や「訴求軸」はユーザーの心を掴むために重要な要素となる。
冒頭に入れる要素の代表的なものとして、「問題提起」「プロダクトデモ」「ストレートオファー」というフォーマットがある。
- 問題提起
<結婚相談所の事例>
恋愛に奥手な私(問題提起) → 希望の異性を紹介できる → データマッチングで成婚率が高い → 検索へ誘導 - プロダクトデモ
<アパレル通販の事例>
試着ができる通販サイト(商品・サービスの明確なメッセージ) → 自宅で試着できる → サイズ交換0円 → 検索へ誘導 - ストレートオファー
<家電量販店の事例>
初売りの告知 → 福袋が安い → セールも開催している → 来店誘導
モバイル動画広告は「構成」の良し悪しで、購入率が5~8倍変わると言われています。
動画の構成を考える上で特に重要なのは「冒頭」のコンテンツです。
(Kaizen Platform・藤原さん)
「コピー」のポイント
動画で効果的なコピーとして「新情報訴求」「価格訴求」「情報エピソード訴求」「キーワード訴求」などがある。
- 新情報訴求・・・「○○店オープン」「○○記念」など、新しい情報で興味を引く。
- 価格訴求・・・安さを訴求。人は価格情報を目で追う習性がある。
- 情報エピソード訴求・・・記事風/エピソード風の内容にすることで、視聴者が動画の内容を自分ごととして実感しやすくなる。
- キーワード訴求・・・キャッチーなキーワードをストレートに表現する(例:保険会社が「もしもの不安、そのままにしていませんか?」と危機感に訴えかけるなど)。
「表現」のポイント
視聴者の興味を引き、飽きさせないための表現には次のような技法がある。
- スワイプアップ・・・Instagramのストーリーズで「スワイプアップ」(上方向へのスワイプ)を促すような演出を入れる。視聴者が思わず画面を触りたくなるように、矢印を出したり、動画を弾ませたり、指を動かす仕草を動画に入れたりする。
- クイズ・・・動画の冒頭でクイズを出題することで、答えを知りたい視聴者は動画に止まりやすくなる。
- 画面分割・・・スマホの縦長動画の画面を上段・中断・下段の3分割にするなど、動画の視聴体験に変化をつけることでユーザーを飽きさせない。
- ルーレット・・・静止画を高速でコマ送りする。内容を目で追いきれないほどの速さで静止画を連続して切り替えると、視聴者は思わず目を留める。
- アンケート・・・動画の冒頭に興味を引くアンケートを出題し、回答してもらう。
動画の絵コンテを作るワークショップとグループディスカッション
セミナーの最後は、参加者の皆さんが動画の絵コンテを考えるワークショップ。
自社商品のペルソナや訴求軸などを整理した上で、「構成」「コピー」「表現」の3つの要素を踏まえて絵コンテを作りしました。
「futureshop」×「Kaizen Platform」が目指す動画ECの未来
ワークショップとグループディスカッションを終え、セミナーは終了しました。
Kaizen Platformの栄井さんは今後の展望として、商品紹介動画にアクションボタンを付けて、ボタンをタップするとECサイトのカートに商品が入るショッピング機能の開発も計画していることなども明かしました。
弊社としても、ECサイト構築システム「futureshop」と「Kaizen Ad」のシステム連携によって、動画から購入へとシームレスにつながるショッピング体験の実現を目指していきます。どうぞご期待ください。
◇ ◇ ◇
株式会社フューチャーショップはネットショップさまの成功を後押しするため、さまざまなセミナーを開催しています。
今後のセミナーの予定は弊社のセミナーページやE-Commerce Magazineのメールマガジン、futureshop公式SNSにて配信中です。
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※記事の内容はセミナー開催時の2019年10月時点での情報となります。最新の情報は各サービスサイトをご確認ください。
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