SNS広告の運用で押さえておくべき3つのポイント月間費用対効果7,700%のノウハウを公開。
- 2020.12.292024.01.30
ターゲットを絞り込み、ビジュアルで見込み客にアプローチできるSNS広告。
潜在層にまでアプローチする手段として効果的ですが、設定がうまくできておらず、有効に活用できていないケースも多く見かけます。
そこで、2020年11月10日、株式会社フューチャーショップが主催となり、オンラインセミナー「SNS広告活用セミナー|Instagram広告・Facebook広告、SNS広告運用のポイントと事例」を開催しました。
スピーカーとして登壇したのは、株式会社イーナ WEBソリューション事業部 プロモーションディレクターの大川雅之さんです。
株式会社イーナ様は、SNS広告運用代行などのWEBマーケティング事業、WEBサイト制作事業のほか、インテリアショップ「家具350」を運営するEC事業も展開しています。
「家具350」は、10年で月商2億3,000万円を突破、過去最高の月間広告費用対効果(ROAS)は7,700%。
実際に自社でもECショップを運営しているからこそ得られたノウハウや知見が、ふんだんに語られた1時間半でした。
本記事では、「失敗しないために知っておくべき、Instagram広告・Facebook広告の活用方法と成果事例」に焦点を当てて、セミナーの内容をレポートしていきます。
【プロフィール】
株式会社イーナ WEBソリューション事業部 プロモーションディレクター
大川 雅之さん
2004年、WEBデザイナーとして通販会社に入社。10年間でデザインだけではなく、カスタマーやバイヤーなどを経験し、新規事業の立ち上げも経験。
フリーランスを経て、現在はお客様の売り上げアップの為にWEBマーケティングやサイト制作のWEBマーケティングやサイト制作を行う。
15年超えのfutureshopユーザー。通販業界経験が長く通販系のお客様対応が得意。
目次
リスティング広告とSNS広告の違いとは?
検索エンジンの検索結果に表示されるリスティング広告と、InstagramやFacebookといったSNSに表示されるSNS広告。SNS広告の活用方法に入る前に、この2つの広告の特性と違いについて見ていきましょう。
リスティング広告は、購入意思が明確な「顕在層」に強い特性があります。
顕在層のユーザーは「これが欲しい」と目的を明確にして検索するため、そこに広告をかけてダイレクトにアプローチすることで、ニーズとマッチしやすいのです。
ただ、顕在層はターゲットの数が少ないので、リスティング広告の競争率が高くなりやすいのが特徴です。競合他社とクリック単価の上げ合いになり、最終的には資金力の勝負になることも少なくありません。
一方でSNS広告は、比較検討をしている「潜在層」や、情報収集をしている「認知・無関心層」に強い特性があります。商品のことを知らない人や、商品を知ってはいるけど興味がまだ高まっていない人にSNS広告を出すことで、「顕在層」にまで引き上げられるのです。
ディスプレイ広告(バナー広告)やYouTube広告も「認知・無関心層」にアプローチできますが、SNS広告のほうがターゲティングが優秀です。個人情報などで細かくセグメントされているうえ、機械学習で広告配信の精度を日々上げていくので、購入する可能性の高いユーザーに広告を配信できます。
リスティング広告とSNS広告のどっちが向いている?
リスティング広告とSNS広告は、どのように使い分けるべきなのでしょうか。
商材を3つ例に挙げ、向いている広告を解説していきます。
パンケーキの通販の場合
SNS広告を活用するのが向いています。
なぜなら、検索ボリュームがあまりないため。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、自宅にいる時間が増え、パンケーキ通販の需要は上がっているものの、まだニーズが低いのが現状です。
Googleでの検索ボリュームをチェックできる「Google Trends」を使い、「パンケーキ 通販」を調べてみると、ほぼ検索されていません。検索されていても、パンケーキの店舗を探しているか、ホットケーキミックスの粉を探しているかの二択。こうした認知度が低い状態でリスティング広告を利用しても、鳴かず飛ばずになってしまうのです。
ちなみに、どこに広告を出そうか検討するときは、「Google Trends」で検索ニーズがあるかを調べるのがおすすめです。あとは、実際にGoogleで検索し、他社がリスティング広告を出しているかを確認する方法もあります。
ギフトの通販の場合
商材によってはリスティング広告も効果的ですが、基本的にはSNS広告を活用するのが向いています。
なぜなら、リスティング広告では、そもそもその商品がギフトの選択肢にない人にはアプローチできないためです。
前述のとおり、リスティング広告は「この商品をギフトとして贈ろう」と決めて検索している顕在層には効果的です。しかし、「何をあげたらいいだろう」と悩む潜在層には届きません。
ギフトを贈ろうと考えている人は、何を贈ろうか迷っている段階であることが多くあります。Instagramでハッシュタグ検索をして、商品を探したことがある人も多いのではないでしょうか。
SNS広告は、そうしたSNSで情報収集している人に対してアプローチできる手段です。「ギフトとして、こういう商品はいかがですか?」と提案することで、選択肢の1つになりうるのです。
自動車部品(BtoB)の通販の場合
商材によってはSNS広告も効果的ですが、リスティング広告の活用が向いています。
なぜなら、BtoBだと「この商品を買う」とあらかじめ決まっているからです。
「自動車 部品」「メーカー名」「型番」「商品名」など、ピンポイントに検索されることが多いため、リスティング広告で商品をアピールするほうが、成果が出やすくなっています。
ここまでパンケーキ、ギフト、自動車部品と挙げてきた例は、必ずしも正解ではありません。商材や状況などによっても、向いている広告は変わってきます。リスティング広告とSNS広告、どちらも出せるに越したことはないでしょう。
ただ、それぞれの広告の特性を知り、「どちらが刺さりやすいのか」という視点をもっておくことは、効果的な広告運用をするうえで重要です。
SNS広告は、自分たちでできるところからスタートさせる
SNS広告のまざまな配信方法
SNS広告は、さまざまな配信方法があります。
- 投稿に写真や動画を表示させる「写真・動画広告」
- 何枚かのクリエイティブをスライド形式で表示させる「カルーセル広告」
- ストーリーズに表示させる「ストーリーズ広告」
- 複数の商材を表示させる「コレクション広告」
など。
商材によりますが、最初から予算をかけてクオリティの高いクリエイティブを作るのではなく、まずは自分たちでできることからスタートさせましょう。成果が上がってきたとき、プロにクリエイティブ作成を依頼しても遅くはありません。
ストーリーズ広告のために縦長のクリエイティブを作るのは手間がかかるので、まずは、王道の「写真・動画広告」や「カルーセル広告」から始めるのがおすすめです。
SNS広告の業種別広告費
業界別、1カ月のSNS広告費平均値は、下記の通りです。
- アパレル 50〜100万円以上
- 食品・スイーツ・ドリンク 30〜50万円以上
- 美容・コスメ 50〜100万円以上
- インテリア・家具 50〜100万円以上
- バッグ・雑貨 50〜100万円以上
- ギフト 30〜50万円以上
上記の数字は、SNS広告によって、ある程度の売り上げを確保できるようになった企業の平均値です。商材や状況などによって変わりますが、目安として考えておくのがいいでしょう。
SNS広告運用における3つのポイント
SNS広告を運用するうえで、押さえておくべき3つのポイントを解説します。
ゴール設定を必ずする
SNS広告を運用するなら、最初にゴール設定を必ずしておきましょう。なぜなら、指標を置いておかないと、「千円の商品に、一万円の広告費をかけている」という危機的状況すら気づけない可能性があるからです。
InstagramとFacebookの広告管理画面では、Webサイト購入数など、さまざまな数字データが取れます。そのなかでゴールとして設定しておくべきなのが、「購入の平均コスト(CPA)」か「広告費用対効果(ROAS)」です。
どちらかをゴールとして置くことで「かけた広告費の5倍の売り上げがあれば、利益が残る」などと運用するうえでの指標になるのです。
幅広い価格帯の商品を取り扱っているECショップは、「購入の平均コスト(CPA)」を出しても判断しにくいので、「広告費用対効果(ROAS)」をゴールにすることをおすすめします。
また、可能であれば「カートへの追加数(MCV)」も計測しておくといいでしょう。
SNS広告は、AIが配信データから学習することで、ターゲティングの精度が向上していきます。ただ、SNS広告を運用し始めた初期段階だと、十分なデータが溜まっていません。いち早くターゲティングの精度を上げるためには、できるだけ多くのデータを取ることが重要なのです。
そこで有効なデータが、購入意思があったと判断できる「カートへの追加数(MCV)」です。「購入の平均コスト(CPA)」や「広告費用対効果(ROAS)」、「カートへの追加数(MCV)」など、少しでも多くのエサ(データ)をAIに食べさせ(計測させ)ましょう。
配信先に要注意
SNS広告を運用する際は、広告の配信先に注意しましょう。
InstagramやFacebookの広告管理画面で設定を進めていくと、「自動配置(推奨)」か「手動配置」が選べる画面が出てきます。
デフォルトで設定されている「自動配置(推奨)」は、さまざまな場所に配信していくうちに、AIが学習し、どんどんターゲティングの精度が上がっていくモードです。
ただ、広告予算を絞りながら配信したい場合、「自動配置(推奨)」を選ぶのは控えたほうがいいでしょう。AIが学習するまでの期間、商材とは関係ないターゲットにも広告を表示させてしまい、無駄に広告費がかかる可能性が高いからです。CVが入らず、広告費を浪費し続けるかもしれません。
広告予算を絞って配信したいなら、「手動配置」を選ぶのがおすすめです。
「手動配置」を選ぶと、「Facebook」「Instagram」「Audience Network」「Messenger」の4つのプラットフォームを選べる画面に遷移します。この4つのうち、「Audience Network」「Messenger」のチェックを外しておきましょう。
「Audience Network」を選ぶと、Facebookと連携しているアプリやサイトに広告が配信され、「Messenger」を選ぶと、メッセージ中の画面に広告が配信されます。
この2つは、通販の売り上げに直結する可能性がほぼありません。アプリやサイト、Messengerは、目的があってアクセスするものなので、急に広告が出てきてもユーザーは興味を惹かれないのです。
ターゲットリストに要注意
SNS広告を運用する際は、ターゲットリストに注意しましょう。
InstagramやFacebookは、ユーザー情報やライフイベント、興味・関心などのセグメントが細かく、ターゲティング精度が高いのが特徴です。ただ、ターゲットを細かく絞れるからといって、絞りすぎると危険なのです。
なぜなら、ターゲットの範囲が狭すぎると、他社が出している広告とオークションになり、クリック単価が高くなってしまうから。また、本来獲得できていたはずのユーザーに広告が配信されず、売り上げを逃してしまうかもしれません。
では、ターゲットはどのくらいまで絞るべきなのでしょうか。
InstagramやFacebookの広告管理画面で出てくる、オーディエンスのゲージを参考にするのがおすすめです。赤いゲージに針がいくとターゲティングが狭く、ベージュのゲージに針がいくとターゲティングが広すぎます。緑のゲージに収まる範囲でターゲットを設定できるとベストです。
また、カスタムオーディエンスを活用するのもいいでしょう。カスタムオーディエンスとは、広告を配信するターゲットをリストにする機能です。
新規ユーザーにのみ配信したい場合、「興味・関心などのターゲティング」と「CV類似ユーザー」から「リタゲユーザー(過去にサイトへ訪問したことがあるユーザー)」を除外します。リピーターにのみ配信したい場合、「CVユーザー(過去に商品を購入したことがあるユーザー)」のみに配信。未購入のユーザーを追いかけて配信したい場合、「リタゲユーザー」から「CVユーザー」を除外します。
カスタムオーディエンスは、「リピート商材ではないのに、過去に購入したユーザーにずっと広告を配信している」など、広告のムダ打ちを防いでくれます。どのようなユーザーに広告を配信したいのか考え、リストを作成しましょう。
まとめ/SNS広告を有効に活用し、ECサイトの売り上げにつなげよう!
人々の生活に根付いているSNSというツールを使い、潜在層や認知・無関心層にアプローチするSNS広告。ターゲットを顕在層にまで引き上げられる可能性が高く、ターゲティングの精度が優秀なのが特徴です。
本セミナーで解説されたSNS広告運用のポイントを押さえながら、うまく活用することで、ECサイトの売り上げにつながるでしょう。
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