《自社ECの集客》SEO・コンテンツマーケ・インスタ・Google広告の活用方法と、これからの顧客接点
- 2020.10.18
2025.03.26
株式会社フューチャーショップは2020年9月17日、初のオンラインカンファレンス「SHIFT future」を開催しました。
コロナ禍で“家ナカ消費”が活発化し、オンラインショップを利用する機会が増えるなど、ECを取り巻く環境の変化は加速しています。消費行動が大きく変化するなかで、新しいお客さまとの接点を増やすには、自社ECの集客手法もアップデートしていくことが必要ではないでしょうか。
そういった思いから、現在進行形で進んでいるECの環境変化を把握するとともに、自社ECにおける集客の最適解のヒントを見つけていただくために「SHIFT future」を企画しました。
SEOやコンテンツマーケティング、Google ショッピング広告、SNSマーケティングのプロフェッショナルがスピーカーを務め、自社ECサイトの“未来の集客のカタチ”を解説してくださった「SHIFT future」をレポートします。
目次
《自社ECの集客》SHIFT future プログラム
【第1部】
Google検索最新トレンド ▼
スピーカー:グーグル合同会社 チャネルセールス事業本部 ストラテジックパートナーマネージャー 相原 征孝(あいはら まさたか) 氏
【第2部】
新時代を切り拓く! Google ショッピング広告を活用した次代の集客実践ノウハウ&事例を紹介! ▼
スピーカー:株式会社フィードフォース 森 一真(もり かずま)氏
【第3部】
コロナ禍でも売上・アクセスアップ! これからのSEO・コンテンツマーケティングのすすめ ▼
スピーカー:株式会社ユウキノイン 代表取締役 酒匂 雄二(さこう ゆうじ)氏
【第4部】
おうち時間を楽しむユーザーを捉えるインスタの成功ポイント インフルエンサー活用のよくある問題と成功事例を公開! ▼
スピーカー:株式会社トリドリ 取締役・プラットフォーム事業部 事業部長 三宮 翔太 (さんのみや しょうた)氏
グーグル、フィードフォース、ユウキノイン、トリドリの4名が登壇
「SHIFT future」でスピーカーを務めてくださったのは、グーグル合同会社の相原征孝さん、株式会社フィードフォースの森一真さん、株式会社ユウキノインの酒匂雄二さん、株式会社トリドリの三宮翔太さんの4名。
自社ECにおける重要な集客手法である「Google ショッピング広告」「SEO」「コンテンツマーケティング」「SNS」の具体的な手法について、成功事例を交えながら解説してくださいました。

「SHIFT future」でスピーカーを務めてくださった4名
当日は約4時間の長丁場でしたが、登録者数は500人以上、常時300人以上にご視聴いただきました。
Google 検索最新トレンド〜第1部
第1部はグーグル合同会社の相原征孝さんがスピーカーを務め、Google検索のトレンドを解説してくださいました。
新時代を切り拓く!Google ショッピング広告を活用した次代の集客実践ノウハウ&事例を紹介!〜第2部
第2部のテーマは、自社ECの集客手段の1つである「Google ショッピング広告」の活用法について。
「Google ショッピング広告」の設定と運用を簡素化するツール「EC Booster」を提供している株式会社フィードフォースの森一真さんがスピーカーを務め、「Google ショッピング広告」の特徴や成果を上げるポイントを解説しました。
「Google ショッピング広告」とは?
「Google ショッピング広告」とは、Google検索の検索結果の上部に表示される広告枠のこと。
キーワードに関連した商品(広告)が自動的に選ばれ、商品画像と商品名、価格が表示されます。
ユーザーが広告をクリックすると、その商品を販売しているECサイトの商品購入ページへダイレクトに飛び、そのまま買うことができます。

「Google ショッピング広告」は検索結果の最上部に「画像」「商品名」「値段」が表示される
「Google ショッピング広告」が自社ECの集客に効果を発揮する理由
「Google ショッピング広告」の主なメリットとして、森さんは次の3点をあげました。
- 商品画像が表示されるため、商品の特徴がユーザーに伝わりやすい
- 検索結果の最上部に表示されるため、ユーザーの目に留まりやすい
- 買い物のニーズが顕在化しているユーザーにアプローチできるため、購入率が高い
続いて森さんは、Googleの検索結果で発生するクリックの経路にも言及。ショッピング関連の検索において、「Google ショッピング広告」経由のクリックは39%を占めていることを紹介しました。

ショッピング関連の検索において、Googleの検索結果で発生するクリックの割合を説明する森さん
スマホでGoogle検索を使う場合、検索結果画面のファーストビューは「Google ショッピング広告」でほぼ埋まってしまうことから、モバイル経由の検索ユーザーを獲得する上で特に有効であると指摘しました。
EC事業者がユーザーと接点を持つための重要な方法の1つが「Google ショッピング広告」です。WEB上の一等地であるGoogleの検索結果画面に、自社の看板(広告)を出すか出さないか。その判断が自社ECの売り上げを大きく左右します。(森さん)
広告配信から得られたデータをサイト改善に活用
「Google ショッピング広告」は、広告の配信結果に関するデータを取得できることもメリットの1つ。
広告の表示回数やクリック率、購入率といったデータを分析することで、ユーザーの購買導線のどこにボトルネックがあるのかを把握し、ECサイトの改善につなげることができます。
森さんは、「Google ショッピング広告」のクリック率やクリック単価、購入率、顧客単価、ROASを商品ごとに算出し、ボトルネックとなっている指標を改善していく方法などについても解説しました。
※画像はクリックすると拡大されます。
- 「EC Booster」で運用している「Google ショッピング広告」経由のクリック率、クリック単価、購入率、顧客単価、ROASについて、商品ジャンルごとの平均値も公表した(※「Google ショッピング広告」を経由し、ECサイトで商品が売れた実績を集計した数値)
「Google ショッピング広告」を使えば、商品ごとにクリック率や購入率を把握できます。さまざまな指標を注視し、それぞれの数値を改善していくためのサイト改善を行ってください(森さん)

「Google ショッピング広告」で得られたデータをサイト改善に生かす際の考え方
「EC Booster」の成功事例
第2部の最後に森さんは、「Google ショッピング広告」の登録と運用を効率化する「EC Booster」のメリットや、導入企業が売り上げを伸ばした事例も紹介しました。
「EC Booster」を使って自社ECの売り上げを伸ばした事例。現在1000社以上が「EC Booster」を導入。
事例のインタビューはこちらから。
2020年10月公開された新機能 Google 掲載 と「EC Booster」フリープランの紹介はこちらから。
コロナ禍でも売上・アクセスアップ!これからのSEO・コンテンツマーケティングのすすめ〜第3部
第3部では、WEBサイトやネットショップのSEOとコンテンツマーケティングを支援している株式会社ユウキノインの酒匂さんがスピーカーとして登壇。
コロナ禍でも売り上げを伸ばしているネットショップの事例を踏まえ、自社ECの集客におけるSEOとコンテンツマーケティングの実践的なノウハウを公開してくださいました。
検索のトレンドを確認し、集客戦略や商品開発に生かす
酒匂さんは冒頭、Google検索にける検索ボリュームのトレンドを定期的に確認することで「消費者が今どのような商品に関心を持っているのか」を把握できると説明しました。
検索のトレンドを分析すると「これから売れるもの」「特需を過ぎたもの」「売れなくなったもの」が見えてきます(酒匂さん)
例えば、今年4月までの検索トレンドを見ると「ホテル」や「旅館」の検索ボリュームは顕著に下がっています。また、「マスク」の需要は4月の半ばにピークアウトしたことがわかりました。一方、「パジャマ」の検索ボリュームは4月から顕著に増加しています。

検索ボリュームのトレンドから「これから売れるもの」「特需を過ぎたもの」「売れなくなったもの」を探す方法を解説する酒匂さん
また、「口紅」や「ファンデーション」の検索ボリュームは前年比60%も減少しましたが、同じメークカテゴリでも「アイシャドー」の検索ボリュームは前年比30%の減少にとどまっていたことも紹介。マスクを着用する女性が増え、口元のメークへの関心が下がった一方で、マスクでは隠れない目元のメークへの関心はそれほど下がらなかったことを示唆していると指摘しました。
検索ボリュームのトレンドを分析することで、これから売れそうなものを見極めることができます。「何を売るか」や「どう売るか」といった、商品開発や仕入れの戦略に生かしてください(酒匂さん)
コロナ禍でもアクセスを大きく伸ばしたコンテンツマーケティングの成功事例
続いて酒匂さんは、コロナ禍でもアクセス数や売り上げを大きく伸ばしたネットショップが取り組んだ、SEOとコンテンツマーケティングの成功事例を公開しました。
セミナーの合間に「futureshop」の実績やキャンペーンを紹介
各講座の合間の休憩タイムでは、弊社の社員によるコマーシャルトークも行いました。
「futureshop」の2020年の4月〜6月の流通総額や、1店舗あたりの売上高など、プラットフォームとしての実績をお伝えしたほか、新しい決済方法、PayPay(オンライン決済)利用とd払い®についても説明しました。

「futureshop」の2020年4月〜6月の実績
▽ 2020年7〜9月のfutureshopサービスまとめ、最新バージョンはこちらから。

普段は利用者さまからの問い合わせに対応しているカスタマーサクセス部・ECアドバイザー(サポートスタッフ)駒井と稲生がPayPayとd払いについてのご紹介。
▽futureshopの機能ページのご確認はこちらから
おうち時間を楽しむユーザーを捉えるインスタの成功ポイント・インフルエンサー活用のよくある問題と成功事例を公開!〜第4部
オンラインセミナーの最後となる第4部のテーマは「Instagramの活用法」と「インフルエンサーマーケティング」。
EC事業者がInstagramのアカウントを運用する際に押さえておくべきポイントや、インフルエンサーマーケティングの注意点などについて、インフルエンサーマーケティング支援を手がける株式会社トリドリの取締役、三宮さんが解説してくださいました。
コロナ禍で起きている小売りの変化とは?
2020年2月以降、新型コロナウイルスの影響で多くの実店舗が営業時間の短縮や、断続的な休業などを余儀なくされています。
実店舗への客足の戻りが鈍い中で、SNSを活用してECサイトや実店舗への集客を強化する企業も増えているようです。
実店舗を中心に事業を行なっていた企業が、SNSを活用してオンラインのマーケティングに参入する例が増えています。(三宮さん)

東京・表参道のアイスクリーム屋さんのSNS活用を紹介する三宮さん。新型コロナ問題を受けて通販に参入した。インフルエンサーマーケティングで通販商品の認知拡大に取り組んでいるほか、実店舗への集客にもInstagramを活用している。
Instagramは「検索」にも使われる
Instagramの活用方法を考える上で押さえておくべきことは、Instagramは検索ツールとしても使われていること。
三宮さんは「消費者白書」などのデータに言及し、若年層を中心に情報を探すためのツールとしてInstagramを使うユーザーが増えていると指摘しました。

Instagramは情報収集のツールとしても使われている
Instagramが検索ツールとして使われていることや、ショッピング機能が実装されていることを踏まえ、三宮さんはEC事業者が押さえておくべき対策を解説しましました。
アカウントの内部対策 4つのポイント
①検索でヒットしやすいアカウント名を登録
ユーザーがInstagramを検索に使うことを想定し、検索でヒットしやすいアカウント名を設定する。
アカウント名が英語表記の場合、カタカナで検索してもヒットしない可能性がある。ユーザーがどのような言葉で検索するのかを予測し、検索で使われやすい文字をアカウント名に使うことが大事。
②公式ハッシュダグをリードする
商品や店舗の公式ハッシュタグ付きのコンテンツを投稿し、ハッシュタグで検索するユーザーがコンテンツを探しやすくなるようにする。
③アカウントのビジネス設定/ショッピング機能の連携
Instagramのアカウントをビジネスプロフィールに移行し、Facebookページと連携させる。
また、ショッピング機能と連携するために、Facebookページにショップセクションを追加し、商品カタログを作成する。
④ECサイトへの導線を把握する
InstagramのアカウントからECサイトへの導線(ストーリーズ、プロフィール欄のURL、ショッピング連携など)の機能を把握し、しっかり活用する。
Instagramアカウントへの流入導線(外部施策) 4つのポイント
①ハッシュタグ付きのコンテンツから店舗アカウントへ誘導
ハッシュタグ付きのコンテンツをたくさん投稿し、その写真に店舗アカウントへのリンクを貼ることで、アカウントへのアクセスを増やす。
②ハッシュタグキャンペーン
自社に関する投稿を増やすために、ハッシュタグ投稿キャンペーンなどを行う。
③インスタグラマーに依頼する
自社の商品と親和性の高いインスタグラマーや、狙っているハッシュタグで上位表示されるインスタグラマーを探し、商品を紹介してもらえないか相談する。
④商品の見せ方や売り方のヒントを得る
インスタグラマーが投稿したコンテンツを見て、画像や説明文の表現方法、ハッシュタグの使い方、ユーザーとのコメントのやり取りなどの参考にする。
また、投稿に付いたユーザーのコメントを読むことで、消費者の率直な声を拾うこともできる。
※画像はクリックすると拡大されます。
- インスタグラマーに依頼して「商品の見せ方」を改善した事例
インスタグラマーは「見せ方のプロ」ですから、商品の魅力的な見せ方や、店舗側が気付かなかった訴求方法のヒントをくれることもメリットです(三宮さん)
Instagramの運用は、これらの内部施策と外部施策を平行して継続的に行うことが重要です。検索されやすさやユーザー導線を意識して内部施策を行い、外部施策から得られた情報をサイト改善に生かしてください。(三宮さん)
▽ インスタグラム内部施策、外部施策についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事へ
まとめ
今回のセミナーでは、広告、SEO に、コンテンツマーケティング、SNSといった幅広いテーマを網羅し、これからの自社ECに求められる集客の形を探りました。
スピーカーを務めてくださった4人のお話から、時代が大きく変化していく中で、自社ECにおいて取り組むべき施策のヒントが得られたのではないでしょうか。
すべての講座を聴講して感じたのは、広告、SEO、コンテンツマーケティング、SNSのそれぞれの手法を組み合わせることで相乗効果が生まれること。
また、商品カテゴリや事業規模などに応じて、最適な施策を選ぶことが大切だということも、あらためて実感しました。
◇◇◇
自社ECの集客方法は時代とともに変化し、新しい手法も増えていきます。
株式会社フューチャーショップは今後もセミナーなどを通じ、EC事業者さまに役立つ情報を提供していきます。