食品ECの転換率を上げたい!SEO・サイト作成・リピート促進戦略を多数の事例で紹介
- 2020.02.172023.10.31
「自社ECサイトで食品やスイーツの売り上げを伸ばしたい」
そんなショップさまの声を受け、株式会社フューチャーショップはグルメ・スイーツジャンルに特化したセミナー「食品ECに効く!最新SEO&LP・インスタ活用事例 ありがちな”失敗パターン”&成功施策と事例を公開!」を大阪で開催しました。
講師を務めたのは、EC事業者向けのグループコンサルティング「EC実践会」を主催する株式会社ドリームエナジーコンサルティングの水上浩一さん(以下、水上さん)。
食品ECに効果的なSEOやページ改善、リピーター獲得の施策などについて、多数の事例を挙げながら解説してくださいました。
セミナー後半には、お取り寄せの情報ポータルサイト「おとりよせネット」の担当者さまも登壇。
食品ECのトレンドやノウハウが満載だった注目のセミナーをレポートします!
目次
店舗さまの声を受けて「グルメ・スイーツ」のセミナーを開催
弊社では毎月さまざまなセミナーを開催していますが、「futureshop」をご利用いただいているグルメ・スイーツジャンルのショップさまから「自社ECで売り上げを伸ばす方法を学びたい」というご要望を多くいただいたことから、今回のセミナーを企画しました。
講師を務めた水上さんは、EC事業者向けのグループコンサルティング「EC実践会」を主催しており、これまでグルメ・スイーツジャンルを含めて数千社のネットショップに対してコンサルティングを実施してきました。
今回のセミナーで解説した自社ECサイトの販売や集客を強化するための施策は、「EC実践会」に参加したネットショップの成功事例を踏まえたもの。
ご自身も紅茶のネットショップで売り上げを伸ばした経験を持つ水上さんが、徹底した現場目線で解説してくださいました。
記事では公開可能な事例やノウハウの一部をご紹介します。
水上さんは冒頭、ネットショップのマーケティングについて次のように説明しました。
ネットショップのマーケティングとは「集客・販売・リピートの仕組みを作っていくこと」であるとEC実践会では定義しています。
EC実践会で実際に使っている「マーケティングチャート」に沿って、「集客」「販売」「リピート」の3つのフェーズにおける効果的な施策を解説します(水上さん)
食品ECの「販売」を強化する写真とページ作りのノウハウ
セミナーの最初のテーマは、食品ECの「販売」を強化する方法について。
スマホサイトのファーストビューの見せ方や、商品写真の改善ポイントなどを解説しました。
重要!転換率を上げるには「ファーストビュー」が命
- ファーストビューの「アイキャッチ画像」が最重要。
- 人の顔があると良い。人物の目線はカメラに合わせるとより効果的。
- 「最初に買ってもらうべき商品(集客商品)」と、新規顧客をリピーターに引き上げるための「本命商品」をファーストビューで目立たせることも重要。
ショップからユーザーが離脱する最大の理由は「何を買えば良いか分からない」から。
新規のお客さんや購入回数が少ないお客さんのほとんどは、どの商品を買えば良いのか判断できません。転換率を上げるには、最初に買ってもらいたい商品(集客商品)と、リピーターになってもらうための商品(本命商品)をショップ側で明確に設定し、トップページにバナーなどを貼って提案しましょう(水上さん)
重要!「シーン提案」のページを作る
ユーザーが商品を食べたり飲んだりするときの場面(シーン)を想起しやすいように、「シーン提案」のページを作るとコンバージョン率が上がりやすい。
写真次第で売り上げが大きく変わります。
撮影する際に照明や構図を工夫するのはもちろんのこと、商品の魅力を写真で伝えるために、やりすぎない範囲で画像の色調補正を行うことも必要でしょう(水上さん)
商品を変えず“見せ方”を変えて売り上げを伸ばす「キュレーション・マーケティング」
水上さんは「キュレーション・マーケティング」という手法を提唱しています。
「キュレーション・マーケティング」とは、商品やサービス自体は変えずに、商品の見せ方(訴求方法)を変えることで売れるようにする手法のこと。
ECサイトに掲載するコンテンツを充実させたり、セット販売を行ったりすることで、ターゲットやベネフィットの「視点」を変えて商品やサービスに新しい価値を生み出す差別化戦略です。
- (価値の)プラスワン
- (商品の)情報商材化
- サポート・不安要素の解消
- (商品の)カスタマイズ
- (店長などの)プロフィール
- (受賞歴や製法などの)信頼感
- (商品や企業の)専門性
- (収穫時期などの)時間軸
- (商品の)希少性
- (商品イメージの)逆張り
セミナーでそれぞれのフレームワークについて、事例を上げて解説してくださいました。
キュレーションとは、情報を編集して価値の再構築を行うこと。それによって商品やサービスを「差別化」すれば、ランチェスター戦略において強者に対抗する弱者の最大の武器になり得ます(水上さん)
食品ECに効果的なSEOとは?
「ボトムアップ設計」とは、最初にカテゴリーページの検索順位を上げ、最後にトップページの検索順位を上げるSEO戦略のこと。
例えば、「プリン」「チーズケーキ」「どら焼き」といったカテゴリーページのSEOを行い、カテゴリーキーワードでの検索順位を上位化します。
カテゴリーページが上位表示されるようになったら、最後にトップページのSEOを行い、ビッグワードでトップページの上位表示を狙います。
※ただし、例で上げた「プリン」「チーズケーキ」「どら焼き」はSERPにレシピばかりが掲載されているので購買確率は低いと考えられます
カテゴリーページの検索順位を上げるには、現在は「商品の選び方」に関するページを作るのが効果的だそうです。
Googleの検索エンジンでは「商品の選び方」に関するコンテンツが高く評価される傾向にあります。
ですから、カテゴリーごとに「選び方のページ」を作り、カテゴリーキーワードで検索順位の上位を図ってください(水上さん)
SEOの「ターゲットキーワード」の探し方
SEOを行う際は、検索結果の上位化を狙うキーワード(=ターゲットキーワード)を決める必要があります。
水上さんは「ターゲットキーワード」を探す際のポイントとして次の3つを上げました。
- 月間平均検索数が1000回以上
月1000回以上を目安にキーワードを探す。
キーワードの検索回数を調べる際は、Googleの広告運用サービス「キーワードプランナー」などを使う。月間平均検索数が多いほど、上位表示による集客効果が高まる。 - 購買確率の高いキーワードの選定
カテゴリーキーワードのサープ(Search Engine Result Page、検索結果画面のこと)を調査し、上位にECサイトが多くあるキーワードを選ぶ。検索結果の上位には、検索ユーザーがクリックする可能性が高いページが表示される。そのため、検索結果の上位にECサイトが多く表示>されていれば、そのキーワードは買い物を目的としたユーザーが多いと推測できる。
逆に、検索結果の上位をレシピサイトや飲食店検索サイトなどが独占している場合、そのキーワードは購入につながりにくい可能性がある。
- 競合他社分析
検索結果の1ページ目に表示される競合ECサイトの事業規模や信頼感・知名度を調査し、強いECサイト(=ライバル)が少ないキーワードを選ぶ。
楽天市場やAmazonなど大手ECモールが上位表示されている場合は、専門性を訴求して差別化する。
「ターゲットキーワード」は広告やページ作りでも統一する
SEOのターゲットキーワードは、リスティング広告やランディングページにおいても統一することが重要だと水上さんは強調しました。
自社ECサイトの集客数や転換率を上げるには、「ページ改善」「SEO」「リスティング広告」におけるターゲットキーワードを統一することが重要です。
広告運用やSEOなどをアウトソーシングしている場合は、ショップ側でターゲットキーワードをしっかり管理し、外注先に指示を出しましょう(水上さん)
食品ECに効くSNSは「Instagram」
水上さんSNSや外部サイトを活用して自社ECサイトの集客に成功した事例も取り上げました。
最後に水上さんは、自社ECサイトの売り上げを伸ばす際のポイントを次のように強調し、第1部を締めくくりました。グルメ・スイーツの自社ECは、Instagramと相性が良さそうです。
Instagramにはショッピング機能があり、ウインドウショッピング型の買い物ができるようになったことが大きいですね(水上さん)
ボトムアップ設計によるSEOでECサイトの露出を高め、新規顧客を集めてリストを作り、リストを使ってリピートで販売していくのが王道です。
まずは効果的な「ターゲットキーワード」を見つけてSEOに取り組んでください(水上さん)
「おとりよせネット」でアクセス数と口コミを増やす方法とは?
「おとりよせネット」は通販で買えるグルメ・スイーツジャンルの商品を紹介するポータルサイト。商品情報を掲載しているほか、ユーザーが投稿した口コミや、商品を紹介する編集記事などを掲載しています。
「おとりよせネット」はECサイトではなく、「おとりよせネット」のサイトから掲載企業のネットショップへユーザーを送客しています。
- 月間PV:約370万PV
- ユーザーの性別:女性72%、男性28%
- 年齢層:30~50歳代が中心
- ユーザーの購買目的:ギフトと自家消費が約半々
- ユーザーの購入単価:3000~5000円が中心
口コミをプロモーションに活用する方法
「おとりよせネット」には商品に対する口コミの投稿機能が備わっています。
ユーザーが自発的に投稿するのを待つだけでなく、モニター審査員に商品を送り、口コミを投稿してもらうことも可能です。
口コミをECサイトや同梱物などに掲載するなど、コンテンツとして活用することもできます。
口コミを活用して効果的に集客するには、狙った時期に口コミが増えるように、モニター審査のタイミングを設計することが重要です。
例えば、夏場に集客を強化したいなら、5月にモニター審査を行って6月に口コミが掲載され、7月に集客が強化されるようにスケジュールを組むと良いでしょう(田中さん)
「おとりよせネット」に掲載されている商品はテレビや雑誌などに取材されることも多いそうです。
「おとりよせネット」はメディアへの露出に強いことも特徴です。掲載されている商品がテレビなどから取材されることも多いです(田中さん)
第2部の最後に田中さんは、「おとりよせネット」を活用して集客数や売り上げを伸ばしたネットショップの事例も紹介。
「露出を増やしたいときや、口コミを活用してECサイトの充実を図りたいときにご活用いただけると思います」と話し、降段しました。
◇ ◇ ◇
今回のセミナーを聴講し、多くの成功事例を知ったことで、正しい施策を打てば自社ECサイトで売り上げを大きく伸ばすことがまだまだ可能であるということをあらためて実感しました。
食品ECは市場規模が約1.7兆円に達し、成長率が年率8%を超える有望な分野。
ネットショップさまの成功を後押しするため、フューチャーショップは今後もセミナーなどを通じて情報をご提供していきます。
もちろん、グルメ・スイーツ以外のジャンルでもセミナーなどを積極的に開催していく予定ですので、ぜひご参加ください。
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