《越境ECセミナーレポート》送料を心配せずサポートも代行で任せられる越境ECサービスとは?
- 2020.10.072024.01.30
新型コロナウイルスの感染拡大で訪日観光客のインバウンド消費が途絶えた今、海外の消費者に商品を売る方法として「自社ECサイトを使った越境EC」にあらためて注目が集まっています。
そこで弊社は、自社ECの越境ECをテーマとしたオンラインセミナー「コストを抑えた越境ECの始め方とは?越境ECで売れる商品事例と実情を公開!」を2020年8月25日に開催しました。
スピーカーを務めてくださったのは、日本語の自社ECサイトを越境ECに対応させるサービス「WorldShopping BIZ チェックアウト(ワールド ショッピング ビズ チェックアウト)」を提供している株式会社ジグザグの工藤元気さん。
「WorldShopping BIZ チェックアウト」の導入事例を踏まえ、越境ECの最新動向や、低コスト・短期間で越境ECを始める方法を実践的なノウハウで解説してくださいました。
セミナーの後半では、越境ECを行うにあたって意識しておくべきサイトの導線や、海外のお客さまが買い物をしやすいECサイトの作り方などについて、弊社のカスタマーサクセスチーム・稲生が解説しました。
✓ ECサイトの翻訳や海外配送、不正決済の審査といった越境ECのハードルをクリアし、
低コスト・短期間で越境ECを始める方法とは?
✓ 海外ユーザーにとって使いやすいECサイトの導線とは?
越境ECのヒントが満載だったオンラインセミナーをレポートします!
目次
- 1 「WorldShopping BIZ チェックアウト」とは?
- 2 越境ECの現状と「withコロナ」におけるトレンド
- 3 越境ECでいま売れている商品とは?人気商品の事例を紹介
- 4 越境ECに立ちはだかる4つのハードルは「言語」「決済」「配送」「顧客対応」
- 5 越境ECの参入障壁を取り払う「WorldShopping BIZ チェックアウト」
- 6 「WorldShopping BIZ チェックアウト」を導入したECサイトで海外ユーザーが買い物をするフロー
- 7 「WorldShopping BIZ チェックアウト」で越境ECを行う4つのメリット
- 8 海外ユーザーが使いやすいサイトとは?越境ECを意識した導線作り
- 9 まとめ:リスクを抑えて越境ECに挑戦!まずはニーズの有無を確認する
「WorldShopping BIZ チェックアウト」とは?
自社ECサイトにJavaScriptのタグを1行埋め込むだけで、日本語のECサイトを使って越境ECを始めることができるサービス。
海外ユーザー専用注文確認画面、決済、通関、海外配送、外国語での顧客対応などを株式会社ジグザグが代行し、EC事業者は、国内の消費者に商品を販売するのと同じ業務フローで越境ECに取り組むことができます。
※「WorldShopping BIZ チェックアウト」の使い方などは、セミナーレポートの後半で詳しく解説しています。
越境ECの現状と「withコロナ」におけるトレンド
セミナーの冒頭、工藤さんは越境ECの現状や、「WorldShopping BIZ チェックアウト」の流通動向から見えてきた越境ECのトレンドを解説しました。
日本から中国・米国への越境EC販売金額は合計2兆5000億円
日本から海外への越境ECは、年々拡大していると言われています。特に、中国と米国に向けた越境ECの市場規模は大きく、2019年時点で日本から中国への年間販売金額は前年比7.9%増の1兆6,558億円、日本から米国への年間販売金額は前年比9.7%増の9,034億円でした。
※越境EC市場規模 令和2年7月版 出典:経済産業省「令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる 国際経済調査事業 (電子商取引に関する市場調査)」
コロナ禍でインバウンド消費はほぼ消滅、一方で越境ECは伸びている
2020年2月以降、新型コロナウイルスの影響で訪日観光客の人数は激減しています。
インバウンド消費がほぼ消滅した現在、越境ECの市場はどのように推移しているのでしょうか。
工藤さんは「WorldShopping BIZ チェックアウト」の販売データを踏まえ、「今年4月以降も越境ECによるモノの流れは堅調に推移している」と強調しました。
「WorldShopping BIZ チェックアウト」経由の販売金額を2019年7-9月と2020年1-3月で比較すると、2020年1-3月は143%(43%増)に拡大しました。
2020年4以降もこの流れは続いており、依然として(販売金額は)伸びています
(工藤さん)
越境ECでいま売れている商品とは?人気商品の事例を紹介
「WorldShopping BIZ チェックアウト」は現在、700以上のショップに導入されており、アパレルを中心に家電、ホビー、楽器、雑貨、中古ブランド品など、さまざまな商品が海外向けに売られているそうです。
出荷先の国・地域は米国や中国など90を超えています。
続いて工藤さんは、「WorldShopping BIZ チェックアウト」を使って海外に販売している企業の事例や、海外向けに売れている商品カテゴリについて解説してくださいました。
ロシアなど32の国・地域で型番商品の「釣道具」が売れている理由
まず工藤さんが紹介したのは、「WorldShopping BIZ チェックアウト」を使って海外への販路拡大に成功した釣道具専門店の事例。
その釣具店は都内に実店舗を持ち、ネット通販も行っていますが、国内向けのECサイトではクレジット決済を使えないこともあり、「WorldShopping BIZ チェックアウト」を導入する前は海外からの注文はまったくなかったそうです。
しかし現在は、「WorldShopping BIZ チェックアウト」を導入したことでロシアを中心に世界32カ国・地域から注文が来ているとのこと。
日本の釣り具メーカーの中には、海外ユーザーから人気のブランドもあるため、海外ユーザーが検索エンジンを使ってブランド名や商品名、製品番号で検索し、その釣具店のECサイトにアクセスしている、ということが考えられるそうです。
また、その釣具店のECサイトを利用した海外ユーザーがSNSなどに口コミを投稿し、ECサイトの知名度は徐々に向上していることも売上げアップにつながっている要因として考えられます。
この釣具店さまは弊社のサービスを導入したことで、海外にいる釣りファンの「欲しい」という気持ちに応えることができたと考えています。
(工藤さん)
このほか、海外で売れている商品としてアパレルや有名人のグッズ、キャラクター商品などがあるそうです。
※画像をクリックすると拡大されます。
越境ECの売上規模は、企業の事業規模の大小とはあまり関係がありません。
海外ユーザーが求めている商品を扱い、海外ユーザーとの接点を作れているかどうかが越境ECの売り上げに影響します。特に、「ここでしか手に入らない商品」は、値段が多少高くても海外で売れる傾向にあります。(工藤さん)
越境ECに立ちはだかる4つのハードルは「言語」「決済」「配送」「顧客対応」
越境ECで商品を販売するには、いくつかのハードルを越えなくてはいけません。
工藤さんは、越境ECを成功させるために特に重要な要素として、
- 会員登録フォームの海外対応
- 海外販売に対応した決済
- 国際配送
- 外国語での顧客対応
以上の4つのハードルをクリアする必要があると指摘しました。
1:越境ECのハードル1「会員登録フォームの海外対応」
Google翻訳など無料の翻訳ツールが普及したため、海外ユーザーが日本語のサイトを自力で翻訳し、内容をある程度理解することは可能になりました。
しかし、会員登録フォームが「日本語入力」しか対応していなかっていたり、住所の入力欄がプルダウンで都道府県を選択する仕様になっていたりすると、海外ユーザーは注文できません。
会員登録フォームの海外対応は必須です。(工藤さん)
2:越境ECのハードル2「海外からの注文に対応した決済手段」
ECサイトにクレジットカード決済を導入していても、海外のユーザーが買えるとは限りません。
なぜなら、決済代行会社の中には、クレジットカードの不正利用を防ぐために、海外で発行されたクレジットカードからの注文を弾く場合があるためです。海外からの注文に対応するには、海外ユーザーが確実に使える決済手段を導入する必要があります。(工藤さん)
3:越境ECのハードル3「海外配送」
海外に商品を発送する場合、通関に必要な書類「インボイス」を外国語で作る必要があります。どのような商品を、どのような手段で、どの国・地域に送るのかによって、インボイスの書き方は変わります。
また、国際配送は、商品のカテゴリやサイズ、送り先によって手段や料金が異なりますし、商品によっては配送できない国・地域もあるため注意が必要です。(工藤さん)
4:越境ECのハードル4「外国語での顧客対応」
海外の消費者から問い合わせやクレーム、返品などの連絡が来た際、外国語で対応することが求められます。外国語での顧客対応は、多くの企業にとって越境ECにおける大きな課題ではないでしょうか。(工藤さん)
越境ECの参入障壁を取り払う「WorldShopping BIZ チェックアウト」
こうした越境ECの課題を自社で解決しようとすると、システムの変更やオペレーションの整備、外国語を話せるスタッフの雇用など、多額の初期投資と運用コストが発生します。工藤さんは、こういった越境ECの課題を解決するのが「WorldShopping BIZ チェックアウト」だと強調しました。
インターネットが普及し、情報は国境の壁を超えられるようになりました。
しかし、依然として「物流」「決済」「言語」などの壁は残っています。私たちはテクノロジーによって、その壁をフラットにし、もっと自由に、簡単に国境を越え、「欲しい人が欲しいモノを買える」「売りたい人が売りたいモノを売れる」世界の実現を目指しています。(工藤さん)
「WorldShopping BIZ チェックアウト」の仕組み
「WorldShopping BIZ チェックアウト」の導入に必要なことは、ECサイトにJavaScriptのタグを設定するだけ。タグを設定したECサイトに海外からアクセスすると、カートボタンや注文フォーム、注文確認画面などが英語、中国語(繁体字、簡体字)、日本語で表示されます。
また、海外ユーザーからの問い合わせへの対応や、通関、海外配送などは株式会社ジグザグが代行します。
「WorldShopping BIZ チェックアウト」を導入したECサイトで海外ユーザーが買い物をするフロー
海外ユーザーがECサイトにアクセスすると、「125カ国に配送できます」というメッセージがポップアップで表示される(メッセージの言語は、ユーザーのIPアドレスや、使用しているブラウザの言語をもとに、英語・繁体字・簡体字・日本語のいずれかが自動的に選択される)
ECサイトの商品ページに、WorldShoppingのバナーと越境EC用のカートボタン「Add to Cart(カートに入れる)」が表示される
カートに商品を入れ、注文確認画面に進むと「商品代金の合計」「国内送料(EC事業者が、ジグザグ社の国内倉庫に商品を送る際の送料)」「購入代行手数料(ジグザグ社が海外ユーザーから徴収する手数料)」が表示される
欠品時の対応を選択し、国際送料の目安を確認
利用規約に同意した後、決済方法を選択し、配送先住所を入力
注文完了画面で商品が届くまでのフローを確認
ジグザグのスタッフが商品を代理購入し、商品を海外ユーザーに送る
海外ユーザーが注文した商品は、ジグザグのスタッフが当該ECサイトで代理購入します。
商品を販売したEC事業者は、商品を国内の住所(ジグザグの倉庫)に向けて発送。
ジグザグの倉庫に商品が届いたら、倉庫スタッフが商品の中身を確認し、間違いがなければ海外配送に適した形状に再度梱包します。再梱包が完了した時点で荷物のサイズや重さを確定させ、国際送料を顧客(海外ユーザー)に通知して出荷します。
通関に必要なインボイスの作成や、外国語での顧客対応、配送会社の手配などはジグザグが代行します。EC事業者さまは、国内からの注文と同じ業務フローで越境ECに取り組むことができます。(工藤さん)
「WorldShopping BIZ チェックアウト」で越境ECを行う4つのメリット
工藤さんは「WorldShopping BIZ チェックアウト」の主なメリットとして次の4点を上げました。
- 「早い」:タグを取得したら、最短でその日のうちに越境ECを始められる
- 「簡単」:海外ユーザーからの注文対応や海外配送、顧客対応をすべてジグザグが請け負う
- 「安い」:初期費用3万円、月額5,000円(いずれも税抜)。売上手数料がないため売上が伸びても費用負担が増えない
- 「安心」:不正注文による返品リスクはジグザグが負っている
「WorldShopping BIZ チェックアウト」を導入すると、低コストで簡単に越境ECを始められます。
また、「WorldShopping BIZ チェックアウト」を導入する理由として、不正注文のリスクを回避できることを上げる企業さまも多いです。(工藤さん)
工藤さんは、越境ECを始めようか迷っている事業者に向けて、次のようにメッセージを送りました。
越境ECのサイト構築や顧客対応などを自社で行うと、初期投資がかさみ、準備に時間がかかります。越境ECを本格的に行う前に、「WorldShopping BIZ チェックアウト」を使ってテストマーケティングを行うことで、リスクを抑えて越境ECに参入できます。
日本語のECサイトの中には、サイト運営者が知らないうちに海外からのアクセスがあることも珍しくありません。潜在顧客を取りこぼさないためには、海外ユーザーが商品を買える仕組みを整えておくことが大切です。(工藤さん)
海外ユーザーが使いやすいサイトとは?越境ECを意識した導線作り
セミナーの後半では、弊社のカスタマーコンサルテーションチーム・稲生が、越境ECを行うにあたって意識しておくべきサイトの導線や、海外のお客さまが買い物をしやすいECサイトの構造などについて、SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」をご利用いただいているアパレルブランド「Fi.n.t」さまの事例に沿って解説しました。
FacebookやInstagramなどSNSを活用して集客
海外の消費者をECサイトに集客する方法は、検索エンジンやリスティング広告などがありますが、「Fi.n.t」さまはFacebookやInstagram、微博といったSNSも活用しています。
特に香港や台湾、インドネシアなどアジア圏ではFacebookを積極的に活用。Facebookページの登録者数は台湾が約8000人、香港は約3000人、インドネシアは約900人で、コンテンツの投稿を通じて海外ユーザーとのつながりを創出しています。
ECサイトで販売している商品をFacebookページに投稿。
横フリックで写真を何枚も閲覧できるようにすることで、商品への理解を促進しています。
商品画像の下に「ウェブサイトでチェックアウト」と記載されたボタンを設置し、そこをタップすると自社ECサイトの商品ページに飛ぶように導線を設計しています。
商品ページに画像をたくさん掲載する
商品に興味を持った海外ユーザーは、まずは画像を見て商品の全体像を理解しようとします。
画像の掲載枚数をできるだけ増やし、スワイプして閲覧できるようにすることが重要です。
翻訳ツールも活用
「Fi.n.t」さまのECサイトは「WOVN.io」という自動翻訳機能の外部サービスを導入し、ページの右下に言語の切り替えボタンを実装しています。
海外の消費者はGoogle翻訳などを使うこともあるため、ECサイトに翻訳機能は必須ではありません。
しかし、翻訳機能を導入することで海外ユーザーがより使いやすいサイトになるでしょう。
商品ページの最後にレコメンド商品を掲載して回遊促進
商品ページの一番下に関連商品やオススメ商品を掲載し、店舗内での回遊を促進しています。せっかく店舗を訪れてくれた海外ユーザーを離脱させないために、商品ページの最後に回遊導線を設置することはとても重要です。
日本語が分からなくてもメッセージが伝わるようにする
トップページの画像やバナーに記載するキャッチコピーは、日本語だけでなく英語でも記載することで、日本語を読めないユーザーにもメッセージが伝わりやすくなります。
また、言語以外のコミュニケーション手段として、動画で商品イメージを伝えることも越境ECでは重要です。
海外からの悪質な攻撃への対策として「WAF」を導入
ショップの認知度が海外で高まると、悪意を持った第三者による不正アクセスなどの攻撃を受ける可能性がでてきます。越境ECに取り組むなら、ECサイトを守ることも考えなくてはいけません。
不正アクセスを防ぐ手段の1つとして「Web Application Firewall(WAF)」があり、「futureshop」で構築したECサイトはすべて「WAF」が導入されています。
越境ECを行う際はセキュリティ対策にも注意が必要です。
使用しているカートやECシステムのセキュリティをしっかり確認してください。
まとめ:リスクを抑えて越境ECに挑戦!まずはニーズの有無を確認する
今回のオンラインセミナーでは、越境ECのトレンドや最新の事例が多数紹介されました。
すでに越境ECに取り組んでいるショップさまにとって、ビジネスのヒントがあったのではないでしょうか。
「futureshop」で構築したECサイトに「WorldShopping BIZ チェックアウト」を導入すると、初期投資を抑え、短期間で越境ECを始めることができます。提携強化いたしておりますので、ぜひご活用ください。
訪日観光客のインバウンド消費が期待できなくなった今、まだ越境ECに取り組んでいないショップさまは、自社の商品が海外で売れるのかどうか、既存のECサイトを使ってテストマーケティングを行ってみるもの良いと思います。
今回のセミナーでご紹介した「Fi.n.t」さまの「WorldShopping BIZ チェックアウト」導入後、1年半で数百件の海外受注を獲得されている事例のインタビュー記事もございますのでぜひご参考になさってください。
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