ファッションECの課題をテクノロジーで解決!LINE個別配信の活用・スタッフコーデから始まるファッションDX【後編】
- 2019.12.242023.02.27
ファッションECにおける課題解決の方法を学ぶセミナー「買いたくなる!ファッションEC最前線 テクノロジーで、コミュニケーションを設計しよう」を東京と大阪で開催。
セミナーレポートを前後編でお届けしています。
今回は後編、第3部と第4部を公開いたします。
ファッションECとの相性抜群!メルマガを凌ぐ圧倒的成果が出せるLINEの個別配信! (株式会社ファナティック)
【 第4部 】
スタッフコーディネートからはじまるデジタルコミュニケーションが、ファッションECの新しい時代を拓く (株式会社バニッシュ・スタンダード)
前回の記事はこちらから▽
目次
第3部 ファッションECとの相性抜群!メルマガを凌ぐ圧倒的成果が出せるLINEの個別配信!
セミナー第3部のテーマは、ファッションECにおける「LINEの活用法」。
LINEの自動配信ツール「WazzUp!」を提供している株式会社ファナティックの野田大介社長が、LINEを使ったプロモーションの方法や、費用対効果を高めるメッセージ配信のノウハウを解説しました。 株式会社ファナティック 代表取締役 野田大介(のだ・だいすけ)氏
月刊誌「Ollie magazine」の編集者からキャリアをスタート。その後、フリーライターとしてhoneyee.comやLightningなどでの執筆、複数のアパレル企業で商品企画、生産管理、店舗/卸営業、通販業務を歴任した。現場の最前線で培った通販の運用実積に加え、メディア業界で培ったコンテンツ・マネージメント力、そして長年のアパレル経験と、アパレル通販を運営する上で必要な知識と現場経験の両面を広範囲におよび網羅。現在は通販サイトのコンサルティングとLINEの自動配信ツール「WazzUp!」を提供中。
野田さんは冒頭、「LINE」は国内の月間アクティブユーザーが8100万人(LINE社の公表値)という圧倒的な普及率の高さに言及し、「プロモーションやCRMに効果が高いツール」と指摘。
テキストメッセージやタイムライン投稿、チャット機能、ビデオメッセージ、クーポン、ショップカードなど、コンテンツ配信の自由度が高いから、「開封率やクリック率がメールよりも高くなるケースが多い」と説明しました。
メッセージ配信の通数課金制にどう対応する?
「LINE」の企業アカウントは数種類に分かれていますが、2020年1月14日以降は「公式アカウント」に一本化されます。それに伴いメッセージ配信の料金が従量課金制へ移行。
基本料金が従来よりも安くなる代わりに、メッセージ1通あたりの配信費用が上がります。
こうした制度変更の影響について野田さんは、「LINEをこれまでと同じように使えなくなることに注意が必要」と指摘しました。
これまでは、友だちにメッセージを一斉配信することで、ユーザーの反応を獲得することで高い効果を上げることができました。
しかし、料金体系が変更された後は、一斉配信では費用対効果が合わなくなる可能性があります。
より高い反応率を得るために、個別配信を行うことが重要になるでしょう。
(株式会社ファナティック・野田さん)
通数課金制への6つの対策
野田さんは、LINEの通数課金対策として6つの施策を挙げました。
その中でも、ユーザーの好みや属性、購買履歴などに合わせて「個別配信」を行うことが、効果の高さや作業負担の軽さといったバランスにおいてもっとも優れていると説明しました。
ユーザーの好みや購買履歴などを踏まえたセグメント配信や、新着商品の通知、再入荷通知、カート落ちしたユーザーへの通知など、個別配信を行うことが効果的です。
(株式会社ファナティック・野田さん)
そして野田さんは、「WazzUp!」を使って個別配信を行っている企業の事例を紹介しました。
個別配信を行う際は、次のような軸でコンテンツを出し分けると効果が高いそうです。
- ユーザーの好みに合わせてブランド情報を出し分ける
- メンズ/レディースなど性別によって出し分ける
- 購買履歴などを踏まえてアイテム情報を出し分ける
- 店舗別の情報を提供(実店舗がある場合)
- 「肌質」や「お悩み」で情報提供
- 新商品情報やセール情報など、情報別に出し分ける
「WazzUp!」はfutureshopのLINE連携オプションと補完関係
ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」は、自社 ECの会員情報や購入履歴に応じてLINEメッセージを配信できる「LINE連携オプション」を提供しています。
「WazzUp!」は「LINE連携オプション」にはない機能を備えているため、「futureshop」の「LINE連携オプション」と補完関係にあります。
「futureshop」さんのLINE連携オプションと「WazzUp!」を組み合わせることで、LINEの活用の幅が広がります。
(株式会社ファナティック・野田さん)
▼ futureshop LINE連携オプション
EC事業を成功させるには、業務を効率化することが重要です。
その点について野田さんは、「WazzUp!」を使えば手間を掛けずに効果の高い施策を実行できると強調しました。
「WazzUp!」を導入する際、ECサイトの改修は不要です。
カゴ落ち通知や再入荷通知は簡単なタグの設置が必要ですが、それ以外に手間はかかりません。
また、LINEメッセージの配信条件を設定しておけば、個別配信も自動化できます。
(株式会社ファナティック・野田さん)
第3部の最後に野田さんは、LINE公式アカウントの友だち登録を増やす方法も紹介しました。
- 店頭でスタッフが登録を促す
- 広告を使う(友だち登録したときのみ課金する広告が有効)
- ECサイトのヘッダーとフッターに友だち登録のリンクを置く
- メルマガのヘッダーとフッターに友だち登録のリンクを置く
- ハンバーガーメニューに友だち登録の項目を入れる
- 404ページ、会員登録ページ、購入完了ページに登録ボタンを設置する
- 「WazzUp!」の再入荷リクエストボタンで友だち登録を促進する
第4部 スタッフコーディネートからはじまるデジタルコミュニケーションが、ファッションECの新しい時代を拓く
セミナーの最終講座に登壇したのは、店舗の販売スタッフが起点となってオムニチャネル化を実現するアプリケーション「STAFF START」を提供している株式会社バニッシュ・スタンダードの小野里寧晃社長。
「STAFF START」を活用してECの売り上げを伸ばす方法を紹介したほか、「販売スタッフと実店舗の評価をオムニチャネル化する方法」や「実店舗を残すためにECを強化する方法」といった視点で「STAFF START」の活用法を解説しました。
販売スタッフ1人1人に顧客が付くから売れる
「STAFF START」の特徴の1つは、販売スタッフがコーディネートやスタイリングの写真を投稿し、コンテンツ経由でECサイトに集客できること。
販売スタッフは自分のスマホに「STAFF START」のアプリをダウンロードし、写真を投稿します。投稿した商品のバーコードをスマホで読み取ると、商品のJANコードが写真と紐付くため、販売スタッフは商品検索などの手間がかかりません。
写真とJANコードが簡単に紐付くので、販売スタッフはSNSに写真を投稿するような感覚で自社ECサイトにコーディネートを投稿できます。
また、「STAFF START」は販売スタッフ個人のInstagramアカウントに写真を同時投稿する機能も備えています。
(株式会社バニッシュ・スタンダード・小野里さん)
コーディネートを気に入ったユーザーは、写真をタップしてECサイトの商品ページに移動し、その商品を購入できます。
サービス開始から3年が経過した現在、700以上のブランドが「STAFF START」を導入しており、「STAFF START」の投稿を経由してECで売れた金額は年間288億円。
Instagramのフォロワーが数万人に上る販売スタッフが多数誕生しているほか、コーディネート経由で月間3400万円を売り上げたカリスマ販売スタッフが登場するなど、「社内インフルエンサーを生み出すツール」(株式会社バニッシュ・スタンダード・小野里さん)になっているそうです。
そして、小野里さんは「STAFF START」の本質的な価値は販売スタッフが主役になれることだと強調しました。
「STAFF START」のユーザーは、自分が好きになった販売スタッフが薦めている商品を買います。販売スタッフ1人1人に、インターネット上で顧客が付くということに本質的な価値があるんです。
(株式会社バニッシュ・スタンダード・小野里さん)
販売スタッフを正しく評価し、フィードバックする
「STAFF START」経由で売れた販売金額は、販売スタッフごとに可視化されます。
スタッフごとの販売金額や販売した商品、販売金額ランキングなどを、ブランド本部が管理画面で閲覧することが可能。
こうした実績はスタッフ本人も閲覧できます。また、商品が売れると、販売スタッフのアプリにプッシュ通知が届く仕組みもあります。
販売実績を可視化しているのは
「販売スタッフの実績をきちんと評価することが、ファッション業界を活性化することにつながると考えたから」(株式会社バニッシュ・スタンダード・小野里さん)。
販売スタッフのモチベーションを高めるには、評価とフィードバックの仕組みを整えることが大切だと強調しました。
販売スタッフさんを正しく評価するには、まずは販売実績を可視化することが不可欠です。そして、スタッフさんのモチベーションを高めるためには、評価をインセンティブや給料などに反映することも必要でしょう。
「STAFF START」を利用しているブランドの約7割は、「STAFF START」経由の売上高の一定割合をスタッフさんに報酬として還元しています。報酬の還元率は平均3%です。
(株式会社バニッシュ・スタンダード・小野里さん)
実店舗を大切にしながらECを強くする
アパレル業界の売り上げの8割以上は、実店舗が占めています。こうした現状を踏まえ、小野里さんは「接客やブランド体験の場を持つといった観点からも、実店舗の存在は欠かせない」と強調。
実店舗を維持するためには、「STAFF START」経由で商品が売れた際に、実店舗の貢献度も評価することが必要だと指摘しました。
「STAFF START」を使っている販売スタッフの人件費は、スタッフが所属している店舗が負担していることが多いと思います。
ですから、販売スタッフの投稿経由で商品が売れた場合には、そのスタッフが所属している実店舗もきちんと評価すべきです。
いわば、評価のオムニチャネル化です。そうすることで、ECと実店舗が協力し合えるようになり、オムニチャネルは成功します。
(株式会社バニッシュ・スタンダード・小野里さん)
「STAFF START」によって社内インフルエンサーが誕生した結果、実店舗の集客にもつながっている事例も出てきているそうです。
人気の販売スタッフさんが出勤日をInstagramに投稿すると、フォロワーがそのスタッフに会うために来店するという状況が起きています。
(株式会社バニッシュ・スタンダード・小野里さん)
最後に小野里さんは、ファッション業界を元気にするには、ECと実店舗が連携することが大切だとあらためて訴えかけ、第4部を締めくくりしました。
「STAFF START」によって販売スタッフが活躍すれば、ECの売り上げが伸びるだけでなく、実店舗の来店も増えるという流れも生まれつつあります。
実店舗が元気になれば、アパレル業界はさらに盛り上がっていくはずです。販売スタッフを起点として、ECサイトにも実店舗にもお客さまが訪れる仕組みを「STAFF START」を通じて提供していきます。
(株式会社バニッシュ・スタンダード・小野里さん)
▼ futureshop STAFF START(スタッフスタート)連携
▼ futureshop omni-channel
まとめ
今回のセミナーでは、最新テクノロジーを活用したファッションECの事例を多数知ることができました。
同時に、販売スタッフや実店舗を大切にすることがファッション業界の活性化につながるということを、あらためて実感する機会となりました。
フューチャーショップは今回ご登壇いただいた3社さまと一緒に、ファッション業界はもちろんのこと、EC業界全体を盛り上げていきます。
ECのトレンドを掴み、有意義な情報を皆さまに提供していきます。今後のfutureshopセミナーにもご期待ください!
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◇ 株式会社メイキップ
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◇ 実店舗在庫表示機能
◇ futureshop omni-channel
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