“脱・モール依存”の戦略と月商別の施策を解説!自社ECの売上アップに成功した4社が登壇
- 2019.10.162022.11.22
「自社ECサイトの売り上げを伸ばし、モール依存から脱却したい」
EC事業者さまのこうした課題を解決するため、自社ECサイトの売上アップと収益改善をテーマとしたセミナー「<利益体質> Eコマースの秘策大公開!ビフォーアフター大全」を東京・大阪・名古屋で開催しました!
講師を務めたのは、EC事業者向けのグループコンサルティング「EC実践会」を主催する、株式会社ドリームエナジーコンサルティングの水上浩一さん。(以下水上さん)ECコンサルティングの豊富な経験と実績をもとに、自社ECの戦略と施策を解説してくださいました。
セミナー後半のパネルディスカッションでは、「EC実践会」に参加し、自社ECサイトの売上アップを果たした企業が登壇。自社ECを強化している理由や、これまでに取り組んできたこと、その成果についてディスカッションしました。
東京・大阪・名古屋の3会場で合計200人近くが参加した本セミナー。
今回は、丸染工株式会社(男着物の加藤商店)さま、
有限会社オーシーファーム(オーシーファーム)さま、
株式会社ヌーブラジャパン(ヌーブラオンラインショップ)さま、
株式会社ダステック(純炭粉末公式専門店)さまが登壇した東京会場のセミナーをレポートします!
目次
「脱・モール依存セミナー」を2年ぶりに開催
「<利益体質> Eコマースの秘策大公開!ビフォーアフター大全」は、2017年に弊社フューチャーショップが主催した「脱・モール依存セミナー」の第2弾です。
第1回当時と比べ、モール内の競争は一層激化。
モール依存からの脱却を目指すEC事業者さまの声を受け、2年ぶりに開催しました。
「EC実践会」の成功事例を踏まえたノウハウを解説
講師を務めた水上浩一さんは、EC事業者向けのコンサルティングや講演、セミナーなどを多数手掛けています。
ECサイト構築システム「futureshop」のお客さまを対象としたグループコンサルティング「水上浩一EC実践会 for futureshop」も全国で開催。EC実践会の参加者は2019年7月時点で累計3000人を超えました。
今回のセミナーでは、「EC実践会」の成功事例を踏まえ、自社ECサイトで売り上げを伸ばす方法を公開。実際の自社ECサイトの改善前(ビフォー)・改善後(アフター)を紹介しながら、施策を具体的に解説してくださいました。
水上さん:
EC実践会では、商品ジャンルや業種を問わず、さまざまな成功事例が生まれています。
それらの事例をもとに、自社ECサイトで売り上げを伸ばすフレームワークを作りました。本日のセミナーでは、「モールのみを運営しているが、このままで良いのか不安」「自社ECサイトを運営しているが、売り上げが伸びない」といった企業さまに、具体的な解決策をお伝えします。
月商フェーズにより異なる必要施策とは?
自社ECサイトを運営する際に陥りがちな失敗と、売り上げを伸ばすために必要な施策について、水上さんは3つの月商フェーズに分けてポイントを解説しました。
月商100万円以下のフェーズ
ネットショップの月商が100万円以下のフェーズでは、
・ トップページにバナーが並んでいるだけ
・ ターゲットを広げすぎ
といった「6つの課題」を解決することが、売り上げを伸ばすポイントに。
月商100万円〜300万円以下のフェーズ
月商100万〜300万円のフェーズでは、
・ リピート集客の強化
・ 客単価アップの施策
・ ビッグキーワードでのSEO対策
といった施策が重要とのこと。
「自社ECサイトを運営するなら、最初の1年は我慢が大事」
水上さんは自社ECサイトを運営する前提として、「最初の1年間は、売り上げの低空飛行が続く」と指摘しました。
自社ECサイトを開設した当初は、リピーターがいないため、売り上げも利益も安定しません。
しかし、新規顧客がリピーターへと転換し、リピーターの売り上げが増えていけば、「どこかのタイミングで売り上げが一気に増える」と強調しました。
水上さん:
リピーターが増え、売り上げが安定的に伸びる段階になるまで、いかに我慢できるか。それが、自社ECの成否を分けます。
特に最初の1年は、売り上げの低空飛行が続いても、我慢することが大事です。
「EC実践会」で売り上げを伸ばした成功事例
セミナーでは、「EC実践会」メンバーの成功事例が具体的に紹介されました。その多くは会場限定での公開だったため、ここでは公開可能な事例の一部をご紹介します。
ターゲットを絞って売上アップした加藤商店
男性用の着物を販売している「男着物の加藤商店」は、SEOに強く、「男着物」のキーワードで検索順位1位、「メンズ 浴衣」のキーワードでも検索順位2位になっています。
SEOに強い理由は、ターゲットを絞り、適切なコンテンツを作っているから。
「男着物」というキーワードを使って検索するユーザーのペルソナを、「すでに着物を着る習慣がある人」と想定。
サイトを訪れたユーザーに対して扇子や角帯、かばん、下駄、カシミアコートといった小物や雑貨を最初に提案し、その後、着物を購入してもらう戦略を取りました。
ターゲットを適切に絞り、検索対策やページ作りを行う戦略が成功。現在も着物の売り上げが伸び続けているそうです。
自社ECサイトで買う理由を作ったオーシーファーム
自社ECサイトの運営に加え、ECモールにも出店しているEC事業者が、自社ECの売り上げを伸ばすには、「ユーザーが自社ECサイトで買う理由」を作ることが重要です。
ペット用おやつの「オーシーファーム」は、自社ECサイトにおけるバンドル販売で、犬おやつの値引き率をECモールよりも安く設定。
自社ECサイトで購入すると、もっとも得になるようにしています。
サプリメントを販売する「純炭粉末公式専門店」では、自社ECサイト限定で定期コースの割引や、プレゼントキャンペーンなどを実施することで、自社ECサイトで買ってもらう理由を作っています。
セミナー第1部の終盤、水上さんは、楽天市場と自社ECサイトの売り上げが逆転した「オーシーファーム」の売り上げ推移を紹介。
今回のセミナーで解説した施策を実行した結果、楽天市場店の売り上げを伸ばしながら、自社ECサイトの売り上げを3年で686%に伸ばし、モール依存からの脱却に成功したそうです。
水上さん:
自社ECサイトの売り上げは、閾値を超えると一気に伸びる傾向にあります。みなさんもこの成長曲線をイメージして、自社ECサイトの改善に取り組んでください”
自社ECの売上アップを果たした4社がパネルディスカッションに登壇
セミナーの後半は、丸染工(男着物の加藤商店)さま、オーシーファーム(オーシーファーム)さま、ヌーブラジャパン(ヌーブラオンラインショップ)さま、ダステック(純炭粉末公式専門店)さまによるパネルディスカッションを開催。
ECサイト構築システム「futureshop」を使って自社ECサイトを構築・運用し、売上アップを果たした4社が取り組んでいる施策とは?
水上浩一さんがモデレータを務め、4社の戦略に迫りました。
- 「男着物の加藤商店」 丸染工株式会社 加藤大典氏 (以下 加藤さん)
- 「オーシーファーム」 有限会社オーシーファーム 宮木佑氏 (以下 宮木さん)
- 「純炭粉末公式専門店」 株式会社ダステック 代表取締役 樋口正人氏 (以下 樋口さん)
- 「ヌーブラオンラインショップ」 株式会社ヌーブラジャパン マネージャーEC事業部統括 速水久和氏 (以下 速水さん)
モデレータ
- 株式会社ドリームエナジーコンサルティング 代表取締役 水上浩一氏 (以下 水上さん)
自社ECを頑張ろうと決めたきっかけは?
水上さん: まずは、みなさんが自社ECに注力しようと思ったきっかけを、それぞれ教えてください。
加藤さん: 5年以上前のことですが、ECモールの売上高が下がり続けていたので、何か手を打たなくてはいけないと思い、自社ECサイトを強化することにしました。
ECモールの店舗を強化しても、いずれまた価格競争やライバル店との競争に巻き込まれてしまう。それを続けるのは辛い。EC事業を長い目で見た場合、自社ECサイトを強化するのが得策だと判断しました。
宮木さん: 弊社の場合、モールの売り上げが伸びにくくなってきたことが、自社ECを強化したきっかけです。
2010年代前半までは、楽天市場で広告を出せば、それなりに反応があって売り上げは伸びました。それが2015年頃になると、広告の反応が鈍くなり、これ以上の大きく伸ばすのは難しいと感じるようになったんです。
楽天市場では、顧客のメールアドレスが手に入りませんから、リピーターを増やす施策も打ちにくい。また、ガイドラインの変更があるたびに、対応しなくてはいけません。そういった点をリスクに感じるようになったことも、自社ECサイトを強化しようと思ったきかっけです。
速水さん:自社ECサイトはブランディングなどの目的で運営しています。
「ヌーブラ」はネームバリューが高いこともあり、模造品や類似品が氾濫しています。ヌーブラジャパンとしては、本家である「ヌーブラ」というブランドを、しっかり打ち出していかなくてはいけません。
そこで、ブランディングを行いやすい自社ECサイトを強化しています。
とはいえ、スケールメリットを生み出すために、モールでの売り上げも重視しています。自社ECサイトの売り上げを伸ばしていく方針ですが、数を捌くためにも、モールでの売り上げも維持していく計画です。
樋口さん: 弊社の場合、利益率を上げるために、自社ECサイトを始めました。
以前は主に雑誌広告を使って通販を行っていましたが、広告費がかさんで全然儲からなかった。現在は自社ECサイトと卸売り(ECモールの小売店等へ)を組み合わせることで、利益率を改善できました。
自社ECサイトとモールの違いは?自社ECの魅力とは?
水上さん: ありがとうございます。続いて、モールと自社ECサイトの運営の違いや、自社ECサイトの面白さ・魅力はどのような点にあると思いますか?
加藤さん: 自社ECの魅力は、リピーターがつきやすいところだと思います。
ECモールではリピーターを増やす施策を打ちにくいため、ライバル店よりもいかに多く露出するか、検索順位を上げるかなどを考える必要があります。
でも、自社ECサイトではライバル店のことを気にするよりも、リピーターを増やすために、お客さまのことをしっかり見て商売できます。
水上さん: 純炭粉末公式専門店さんはいかがですか?
樋口さん: お客さまの声を、ダイレクトに聞けることが、自社ECサイトの大きなメリットです。
自社ECサイトを運営していると、お客さまから、悩みごとの相談を受けることもありますし、感謝の言葉を伝えてくださる方も少なくありません。
お客さまの声を商品開発に生かすこともできますし、お客さまと直接コミュニケーションを取ることで、熱心な愛用者を増やすことにもつながっています。
自社ECで売り上げを伸ばすための物流体制や、ブランディングの考え方は?
水上さん: 自社ECの物流について聞かせてください。加藤商店さんは物流をアウトソーシングしているんですよね?
加藤さん:はい。以前は自社で出荷していましたが、夏場に浴衣の出荷が急増するなど、物量の季節変動が大きいため、業務量を調整しやすいアウトソーシングを現在は活用しています。ただ、オーダーメードの着物は、出荷数が少ないので自社で発送しています。
水上さん: オーシーファームさんは、物流をどうされていますか?
宮木さん: 物流倉庫を購入し、自社で発送を行なっていたのですが、おかげさまで物量が増えてスペースが足りなくなったため、BtoCの出荷はアウトソーシングに切り替えました。自社倉庫は現在、BtoBの倉庫として使っています。
水上さん: アウトソーシング先の倉庫の現場を見にいくことはありますか?
宮木さん: 週1~2回は行きますね。会社から車で20分ほどの距離なので。
現場に足を運び、出来るだけアウトソーシング先のスタッフさんとコミュニケーションを取っています。
作業を任せっぱなしにするのではなく、しっかりとコミュニケーションを取ることが、出荷業務の品質向上につながると思っているからです。
水上さん: 物流の現場を見ることは、すごく大事だと思います。物流をアウトソーシングしていると、良くも悪くも、現場を見なくても仕事が進んでしまう。
しかし、在庫量や在庫回転率は、キャッシュフローにも影響がありますから、定期的に目視で確認しておくことは大切です。宮木さんは、現場を見ることの重要性を認識されているんでしょうね。
水上さん: 樋口さんは、出荷の内製化にこだわっているそうですね?
樋口さん: 弊社では受注した時刻にかかわらず、できる限り当日発送を行なっているほか、手書きの手紙を同梱するなど、イレギュラーな業務が多いため、内製化で対応しています。
健康のためにサプリメントを飲んでいるお客さまの中には、1日でも早く欲しいという方が多いんです。できる限り当日出荷するため、夕方以降の注文でも、宅配会社の最寄りのステーションに荷物を持ち込むこともあります。
こうした対応はアウトソーシングは難しいので、今後も自社で出荷する方針です。
水上さん: 手書きのメッセージを入れることも重要ですか?
樋口さん: すごく重要です。お客さまとアナログなコミュニケーションを続けてきた結果、今では、お客さまからお礼のお酒が届いたり、わざわざ会いに来てくださる方がいたりします。
水上さん: そういった取り組みは、ショップの「ブランド化」につながっているでしょうね。
ネットショップを「ブランド化」することは、すごく大事だと思っています。
なぜなら、ショップや会社がブランド化すると、検索エンジンで指名検索が増えてCPAが下がるから。
そして、指名検索が増えるとコンバージョン率が上がります。さらにLTVも上がる。
ネットショップをブランド化する上で、認知度を上げることが重要です。
認知度を上げるには、マスメディアに出たり、広告を打ったりする方法もありますが、我々ネットショップには、もう1つ強力な武器がある。それはSEOです。
例えば加藤商店さんの自社ECサイトは、「男着物」というキーワードで1位になっています。そのことが、強力なブランディイングになっているわけです。
自社ECで売り上げを伸ばす秘訣とは?
水上さん: 最後に、自社ECサイトの売り上げを伸ばすために大事だと思うことを、今日ご参加いただいている事業者さんに向けてアドバイスを頂けますか?
加藤さん: 常に学び続けることが大切だと思います。私自身、これからもEC実践会などに参加して、新しい情報を常に取り入れていきたいです。
速水さん:自社ECサイトの売り上げを伸ばすために重要なことは、まずはSEOに取り組むこと。並行して、商品ページを改善していくことだと思います。
商品ページは、商品の魅力が伝わるだけでなく、商品を使うことで得られる幸福感が伝わり、お客さんに感動を与えられれば理想だと思います。
樋口さん: 何でもやってみることが大切なのかなと思います。挑戦する前から心配し過ぎないで、とにかくやってみる。やってみて失敗したら、次を考えるぐらいが良いのではないでしょうか。
宮木さん: 私は、4つあります。
1つ目は、自社ECを絶対に成功させるという決意を固めること。
そして、気持ちが固まったら、実践することから逃げない。
実践し続けるのは大変ですが、とにかくやり遂げる。これが2つ目。
3つ目は、コツコツ、地道にやり続けること。ECは競争が激しいですが、言い訳はしない。毎日、コツコツと努力を積み重ねることが大事だと思います。
そして4つ目は、携わってくれているすべての人に対して、リスペクトと感謝の気持ちを忘れないこと。
社員はもちろん、ECサイトをきれいに作ってくれるデザイナーさん、アウトソーシングの物流倉庫のスタッフさん、広告運用を担っているマーケターの方など、お世話になっている人たちへの尊敬と感謝を忘れてはいけないかなと思います。
水上さん: ありがとうございました。みなさんのおっしゃったことは、その通りだと思います。本日ご参加いただいた皆さまも、長時間にわたり、おつきあいいただきありがとうございました。
あとがき
「<利益体質> Eコマースの秘策大公開!ビフォーアフター大全」は当初、東京と大阪の2会場のみを予定していましたが、両会場とも満席となったことから、名古屋会場を急遽追加しました。
予想を上回る参加者の数に、自社ECサイトに注力するEC事業者さまが、依然として多くいらっしゃることを実感しています。
今回講師として登壇した水上さんと、弊社フューチャーショップが共同で行なっている「水上浩一EC実践会 for futureshop」を含め、今後も自社ECの売上アップを支援する勉強会やセミナーを開催していく予定です。
「自社ECサイトで売り上げを伸ばす方法が分からない」「モール依存から抜け出したい」「自社ECサイトを通じて、ブランディングやファン作りに取り組みたい」といったお悩みや課題をお持ちのEC事業者さまは、ぜひフューチャーショップのセミナーをご活用ください。
記事と動画を確認して自社ECの戦略を再考してみましょう。
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