最新の海外EC事例が目白押し!のIRCE2015に参加しました

毎年6月になると米国のシカゴで開催される、世界最大規模のEコマースイベント「IRCE」。

今年も4日間にかけて130にもわたるセッションと東京ドーム2個分の広さの展示会が催されました。フューチャーショップ社では2年連続3名が訪問しており、今後のECの動向を見定めながら機能開発などに活用しています。
↑これでも夜7時半すぎのシカゴ。北海道と同じ緯度のせいか、6月でも寒かったです。

オムニチャネル、その一歩先へ。

これから複数回の記事に渡ってIRCEのレポートをさせていただければと思います。
最初に参加した時は「どうせまた『最新のテクノロジーご紹介!』一辺倒でしょ…」と思っていたら、環境変化と経営、組織再編についてのお話、お客様とどう関わっていくかなどの課題に対してITを使ってどう解決するか、というお話が多く、非常に興味深い話が多数聴けました。

まず初回は「IRCE・去年の振り返りと今年総括」を自分の視点からご紹介したいと考えています。

最初に去年の内容を振り返ってみると、「顧客中心主義」や「オムニチャネル」がIRCEの話題の中心のひとつでもありました。

要点としては

  • デジタルを活用して顧客接点を強化しましょう
  • モバイル(スマートフォン)をキーにECと実店舗を結び付け、顧客のエンゲージメントを高めましょう

という事例がDarmalogicaを筆頭に紹介されていました。
(参考: 『リアルとオンラインで効果を引き出す米国スキンケアブランドのオムニチャネル~IRCEレポート』 )

今年も「顧客中心主義」は話題の中心だったのですが、一方の「オムニチャネル」についての考え方がさらに深くなっている気がしました。

というのも、前年の対象範囲は「ECと実店舗」の2つのチャネルだったのですが、今年は「顧客を取り巻くチャネルの全て」とし、メールマーケティングやSNS、コンタクトセンターなど、全てを総合して「オムニチャネル」と表現していたように思います。


↑1-800-flowers.com のセッションの一コマ。これまで5つの波が小売業に押し寄せてきたという話は非常に興味深かったです。
また、「変化は選択肢の一つではなく、生き残るためのもの」という発言は非常に感銘を受けました。


↑今年の「時の人」枠のredditのCEOのセッションから。
「立ち上げ時から完璧だったサービスは存在しない。常に改善するのみ」

今年のIRCEに参加し、各社のセッションや展示会を回った後の印象としては、
「アメリカの先進的な企業は企業活動の中心を顧客に置き、どのチャネルでどのような体験をしてもらい、エンゲージメントを高めてもらうかを総合的に検討している」
でした。

そのような企業の一例を挙げてみると

  • 商品購入時だけではなく、購入後も含めチャネル全体で総合的に顧客体験を演出した企業
  • 各チャネルの顧客データを統一化することで顧客をよりよく知り、顧客体験向上を今後の競争力の源と位置付けた企業
  • 様々なチャネルで常に顧客を楽しませる存在であり続け、ブランドの長期的なファンを創り出した企業

具体的に実行していたこととしては

  • ビジネスをチャネル中心で考えるのではなく、顧客のエンゲージメントを高めることを中心に考える。⇒「チャネル別に(ビジネスを)考えることは、企業の一方的な都合にしか過ぎない」とばっさりと切り捨てていた事例がありました。
  • 顧客とどのチャネルで接点持つかを洗い出したカスタマージャーニーマップを作成。
  • 上記から、顧客接点一つ一つのコミュニケーション方法を試行錯誤しながら検討。
  • 顧客体験をより良くする目的で課題となる点を見つけ出し、新しい技術を導入。
  • それに加え、顧客体験を最適化するために組織でさえも再編成する企業も登場。

組織一丸となって、チャネルにこだわらず顧客とどう向き合うべきか、という検討は日本でも一部の企業は開始しており、今後その流れは加速していくことでしょう。
次回は、どのようなアメリカのECサイトが成長したのか?
TOP5をご紹介したいと考えています。

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