今こそ試したい、Instagramで顧客と交流する方法!ライブ配信、リールなど最新活用法
- 2021.06.102024.01.30
※本記事はFacebook JapanのD2C & ディスラプター事業部 佐藤さまより寄稿いただきました。
こんにちは。Facebook JapanのD2C & ディスラプター事業部でIndustry Managerをしています、 佐藤 太泰です。
長く続く新型コロナウイルス感染症の影響で、多くのビジネスが営業自粛など感染防止措置への対応や店頭来客数の減少など、さまざまな面で打撃を受け、課題を抱えています。特に大きなチャレンジのひとつが、顧客とのコミュニケーションです。
店頭での接客やイベントなど、以前はオフラインの場が担うことが多かった顧客との交流をいかにオンラインにシフトし、ブランドや商品の魅力を伝えてビジネスを成長させるのか?そんな悩みを抱えていらっしゃる方々も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、日常的に顧客とコミュニケーションを取るためのツールとしてのInstagram活用法にフォーカスしたいと思います。特に、顧客とリアルタイムで繋がることができるライブ配信と、注目の動画機能・リールの2つを中心に、事例を交えながらご紹介します。
目次
コロナ禍で利用が拡大中!Instagramライブとは?
Instagramライブは、Instagramのアプリ上でライブ動画を配信できる機能です。誰でも無料かつ簡単にライブ配信することができ、難しいセットアップや事前設定はほとんど不要です。その手軽さから、著名人やビジネスはもちろん、一般の利用者も気軽にライブを配信しています。
コロナ禍で全世界的に外出自粛が広がった影響もあり、昨年春にはInstagramライブの活用が急速に進み、利用者が全世界で50%(※1)も増加しました。この傾向は日本も同様で、多くの利用者にとってInstagramでライブ配信を視聴することがすっかり日常的になったと言えます。
ライブ配信ができるプラットフォームは他にも多くの選択肢がありますが、Instagramライブの特長は、とにかく簡単なこと。高性能なカメラやマイクを用意し、しっかりと絵を作り込む必要があるのでは?という声も聞きますが、そもそもInstagramではモバイル端末からしかライブ配信ができません。
そのため、有名企業や著名人であったとしても、良い意味でカジュアルなセットアップで配信することが多く、むしろ利用者もそのようなライブを好む傾向があります。実は、Instagramで配信されているライブ動画の60%以上がスマートフォンのセルフィー(自撮り)モードで撮影されている(※2)というデータもあります。
また、自社アカウントのフォロワーが少ないので、ライブ配信を躊躇するという方々もいらっしゃると思いますが、ライブを配信しているアカウントの80%はフォロワー数1000人以下(※3)ということもわかっています。配信を始めるとフォロワーに通知が届きますので、まずは既存のフォロワーと繋がりを深めることを目的に、気軽にトライしていただきたいと思います。
ライブ配信は最長で4時間配信することができますが、まずは数十分から1時間程度で試してみて、フォロワーや視聴してくれる人たちの反応を見ながら、自社にとっての最適な尺を探すのがいいでしょう。
さらに、直近のアップデートで、最大3つのアカウントをゲストとして招待することもできるようになりました。例えば素材にこだわりのある飲食店なら、自社アカウントにはシェフが出演し、食材の仕入先である生産者を複数ゲストに呼んでライブ配信をするなどの活用も可能です。
配信後はIGTV(縦型の長尺動画を投稿する機能)に投稿しておけば、ライブを見逃してしまった利用者にも見てもらうことができるので、是非活用してみてください。
「ライブコマース型」の配信はショップ機能との併用がポイント
では、どのような内容のライブ配信がビジネスに適しているのでしょうか。もちろん、ビジネスの目的や業態、商材によっても異なりますが、大きく2つのカテゴリーに分けてご紹介します。
まずは「ライブコマース型」。商品やサービスをライブ配信で紹介する形式で、販売に繋げることを目的とするアプローチです。ライブ配信することで、商品の魅力や使い方を動画というリッチなフォーマットで見せることができる上、視聴者(顧客)からのコメントで寄せられる質問にリアルタイムで回答すれば、実店舗で接客を受けているような体験を提供することもできます。
現在、Instagramではライブコマースに特化した機能は提供していませんが(※4)、有形商品であれば「ショップ機能」を併用することで、商品をライブ配信で紹介 → 商品をフィード投稿でまとめたりストーリーズ投稿で紹介し、ショッピングタグをつける → タグから自社ECサイトに遷移してもらい、購入を促すという導線を作ることが可能です。
また、IGTVにもショッピングタグをつけられるため、配信後のライブ動画をIGTVでアーカイブし、紹介した商品の詳細を数タップで閲覧できるようにするのも有効です。
アパレルブランドの「who’s who Chico」のライブ配信はこの「ライブコマース型」の好例です。同社では、ECサイトで新作の予約販売が始まる前日にInstagramで商品を詳しく紹介するライブ配信を継続して実施しており、ある日のライブ配信で紹介したワンピースは販売初日に95点(¥721,050)の予約がつくという成果を上げています。
ライブ配信を行わずに予約販売を行っていたとき、初日に最も予約がついた商品でも46点(¥349,140)だったそうで、ライブ配信によって予約販売アイテムの受注率が206%増したことになります。
ライブ配信の他に、追ってご紹介するリールも活用しており、ストールの巻き方を説明した動画や複数のアウターを早送りで編集して紹介した着回し動画などは、実際にそのアイテムの売上にも繋がったとのことです。
「イベント型」のライブ配信で自社のファンを増やす
ファンを増やし、コミュニティを醸成することを目的としたライブ配信にInstagramを活用しているビジネスも多く見られます。オフラインで実施しているイベントをInstagram上で同時配信する活用は以前から一般的でしたが、最近はオフラインイベントの代替手段としてライブ配信を活用するケースが増えています。
企業の経営層やブランドディレクターがブランドへの思いを伝える場をライブ配信で企画したり、美術館や動物園などの施設が休業期間中に館内ツアーを配信するなど、活用法も多種多様です。
角打ち酒屋の「no.501」は、EC事業は展開されていませんが、ワインに合う料理の作り方の紹介、「日本ワインの賢人に訊く」シリーズと題して国内ワイナリーと複数アカウントでコラボ配信、今後予定している店舗イベントに向けたミーティングの様子の公開など、さまざまなイベント型のライブ配信を継続して実施しています。
さらに、配信中に寄せられるコメントを積極的に読み、リアルタイムで答えるなど、ライブ配信の特性を生かして双方向のコミュニケーションを心がけた結果、配信を見た新規顧客がスタッフに親近感を覚えてくれるようになったそうです。ワインバーという業態もあり、初来店の顧客が一人では店に入りづらいという課題があったが、ライブ配信を通じて来店前から自社のファンになってもらい、スタッフを知り合いのように感じてもらうことで、来店の心理的ハードルが下がるという効果があったとのことです。
ライブ配信をする前に覚えておきたい、6つのポイント
手軽に実施できるのがInstagramライブの特長だとお伝えしましたが、効果を最大化するためには事前準備や配信中、そしてライブを終了したあとのちょっとした工夫が重要です。
配信前には必ずテストしよう
個人アカウントなどからInstagramライブをテスト配信し、さまざまな機能や操作に慣れておきましょう。また、通信環境や使用するモバイル端末のバッテリーが途中で切れないようにチェックしておくことも重要です。
ライブ配信は短くても15~20分以上は配信する
ライブ配信が始まるとフォロワーに通知が届きますが、すぐに気づかない利用者も多いため、視聴者数が増えるのには多少時間が掛かります。短くても15~20分以上は配信するのがおすすめです。
インサイトを活用して配信タイミングを決定
どんな層の利用者をターゲットにしているかによって、最適な配信のタイミングは異なります。いつ配信すべきか迷ったら、アプリ内の「インサイト」で既存フォロワーがアクティブな曜日や時間帯を参考にしてみてください。「毎週金曜日の夜7時」のように特定の日時で定期的にライブを行い、フォロワーに配信日を覚えてもらうことで、回を重ねるごとに視聴者数が増えるケースもあります。
事前告知も忘れずに
せっかくライブ配信をするなら、フィード投稿やInstagramストーリーズで事前告知をしましょう。フィード投稿ではイベント情報をタグ付けできる機能を活用することで、興味を持った利用者がライブ配信のリマインダーを設定できます。ストーリーズでは、カウントダウンスタンプを使用してライブ配信日時を告知したり、質問スタンプを活用してフォロワーからライブ配信中に回答してほしい質問を集めておくことも可能です。
配信中は視聴者からのコメントを紹介する
ライブ配信の最大の魅力は、視聴者とリアルタイムで双方向のコミュニケーションをとれることです。配信中に寄せられるコメントは積極的に紹介し、質問にも丁寧に答えましょう。また、自分でコメントに配信のテーマを記入し、長押しして固定しておけば、途中から視聴を始めた利用者もどんな内容のライブなのかすぐに把握することができます。
配信後はアーカイブとしてIGTVへシェア
先ほども少し触れましたが、ライブ配信を見逃してしまった人や、見返したいという人のために、ライブ配信後はIGTVに投稿することをおすすめします。最近のアップデートで、リーチしたアカウント数やピーク時の同時視聴者数などライブ配信のインサイトも閲覧できるようになったため、配信後にデータを確認し、次回以降に生かすことも重要です。
最新機能「リール」はどうやって活用する?
Instagramは昨年8月に、最長30秒の短尺動画を作成したり発見できる機能「リール」を発表しました。ちょっとした隙間時間にサクッと視聴できる、エンタメ性が高い動画がトレンドになっていることを受け、新たに追加した機能です。
音源やARカメラエフェクトなど、豊富なクリエイティブツールを使って、簡単に動画を撮影・編集することができるのが特長で、流行りの曲に合わせたダンス、おうちで試せるカフェレシピ、Vlog風に日常の様子をまとめたものまで、さまざまなリール動画が投稿されています。
特筆すべき点は、リール動画はフォロワー以外の利用者へのリーチを獲得しやすいことです。アプリ内にリール専用タブがあり、利用者の興味関心に合わせ、フォローしているアカウント以外の投稿も表示される仕組みになっています。また、ショッピングタグを付けることもできるため、リールを活用するビジネスも増えてきています。
ライフスタイルストアの「PLAZA」は、リールの活用にも積極的に取り組んでいる好例です。例えば、新作のガジェットや文房具のプロモーションにあわせ、マルチケースにPCを入れているところや、ジッパーバッグに文房具を入れているところをリール動画で紹介。
どのくらいの収納力があるのかなど、顧客目線で「知りたいであろう情報」を短尺動画でわかりやすく見せることで利用イメージを醸成しつつ、ショッピングタグを活用することで、動画からECサイトへの導線も作っています。その結果、店頭とECあわせてリールで紹介した商品の売上が319%増えたそうです。
リール以外の活用では、コスメバイヤーがおすすめのアイテムを紹介する動画もIGTVに定期的にアップしており、参考になるポイントが多くあります。多くの人にライブ配信やIGTVを見てもらうためには著名人やインフルエンサーが必須だと考える方もいらっしゃると思いますが、このIGTVシリーズは、出演しているのは社員(バイヤー)だけにも関わらず、商品名や価格、特徴を画像で分かりやすく紹介し視聴者のニーズに応えることに成功し、インフルエンサーや有名ヘアメイクアップアーティストが出演している他の動画と同程度の閲覧数(数万ビュー)を達成されています。
まとめ
いかがだったでしょうか。Instagramを活用することで、さまざまな業種・業態のビジネスが顧客とオンライン上で交流し、売上拡大やファンの醸成という結果を達成していることがお分かりいただけたと思います。今回ご紹介したライブ配信とリールの活用法についてポイントをまとめると、以下に集約されます。
- Instagramライブは作り込みすぎず、親近感が持てるようカジュアルなものが効果的。基本のポイントだけ押さえて、まずは気軽に挑戦
- ショップ機能と併用することで「ライブコマース型」のライブが可能に。「イベント型」のライブ配信は自社のファンを増やすのに効果的
- フォロワー外へのリーチに効く最新機能・リールは、ショッピングタグを使って購買までの導線を作る
Instagramを活用してECビジネスの目標を達成するためには、顧客と継続的にコミュニケーションを取ることが非常に重要です。ライブ配信やリールは、まだ使ったことがない方々も多くいらっしゃると思いますが、難しく考えすぎず、試行錯誤を重ねながら自社に合った活用法を見出していただければと思います。
※1 2020年3月18日から24日の、その前週の3月11日から17日の7日間を比較
※2 creators より引用
※3 creators より引用
※4 ライブ配信に商品をタグ付けし、配信中に商品詳細を確認したり、そのまま購入できる「ライブショッピング機能」を米国にてテスト中。国内の導入時期は未定。(2021年5月時点)
大学卒業後、楽天株式会社でインターネット広告の営業、印刷会社で経営全般に携わる。 その後、米国アリゾナ州サンダーバード国際経営大学院に留学しMBA取得。帰国後はP&Gにてヘアケアブランドのマーケティング及びカテゴリー横断のDigital/E-Commerceを担当。 2016年6月Facebookに入社し美容・化粧品業界の営業担当を経て、2020年4月よりD2C & ディスラプター領域の営業全般を統括。
告知:6月17日(木)に中小ビジネス向けオンラインセミナー
「Instagram アカデミー TOKYO」を開催!
※ 本セミナーは開催終了いたしました
6月17日(木)14:00より、中小ビジネス向けのオンラインセミナー「Instagram アカデミー TOKYO」を東京都の後援のもと開催。本セミナーは昨年12月に締結した東京都との包括連携協定「ワイドコラボ協定」のうち、中小企業支援に関する取り組みの一環として実施するもので、事前登録無しで、どなたでも無料でご参加いただけます。
セミナーでは、コロナ禍を乗り切るための一助としてInstagramを活用いただけるよう、無料の機能を活用して顧客と「つながる」方法に加えて、広告を活用して顧客を「広げる」方法や「魅せる」クリエイティブ、顧客を「獲得する」機能について解説します。また、東京都より中小ビジネス向け施策の紹介セッションも予定しています。
【開催概要】
セミナー名:「Instagram アカデミー TOKYO」
日時:2020年6月17日(木)14:00〜(約2時間を予定)
• オープニング(Facebook Japan代表取締役 味澤将宏)
• 東京都による中小企業振興等に関する取り組み
• 中小ビジネスのためのInstagram
• 東京都内中小ビジネスによるInstagram活用の成功事例
• 顧客と「つながる」Instagramアカウント運用方法
• 顧客を「広げる」Instagram広告入門
• 顧客に「魅せる」Instagramクリエイティブ講座
• 顧客を「獲得する」Instagramアクションボタン・ショップ機能
• よくある質問・使えるリソースのご案内
参加方法:
• Facebook Japanの公式Facebookページからライブ配信を視聴(配信終了後、同ページからいつでも閲覧可能)
• 事前登録は不要(ただし、こちらのイベント用ページで事前にご登録いただくと、メールにて当日までのリマインダーや視聴方法のご案内をさせていただきます)
費用:無料
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