「自社ECはあまくない。でも戦い方を知れば売上を伸ばせる」月商100万円の壁を破るために必要なこと
- 2023.01.112024.01.30
自社ECで最初の壁と言われる「月商100万円」を超え、さらに売上を伸ばしている企業は、どのような施策に取り組んでいるのでしょうか。
2008年から15年にわたりスポーツウェアのEC事業を手がけるとともに、現在50店舗以上のネットショップに対してコンサルティングを行っているスタジオコンチーゴ株式会社の森田卓志社長に、スタートアップや中小企業が自社ECの売上を伸ばすために必要なことをうかがいました。
数多くのEC事業者さまを成功に導いてきた森田さんの“実務”と“事例”に裏打ちされた知見を、EC運営の参考にしてください。
この記事を読むと次のことがわかります
- 自社ECで月商100万円を突破するために必要なこと
- 自社ECサイトの売上を伸ばす施策
- アフターコロナ時代に求められるEC戦略
- EC運営を効率化するツール
- 動画を活用したスキルアップの方法
- EC関連の補助金の活用法
- 自社ECを立ち上げる際に、ECプラットフォームを選ぶ基準
スタジオコンチーゴ株式会社の概要
スタジオコンチーゴ株式会社は2007年に創業し、Webサイトの企画・制作・運営支援を手がけるかたわら、2008年にスポーツウェアのEC事業に参入しました、現在は自社ECサイトを2店舗運営しているほか、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングにも出店しています。
2015年には、自社ECの新規立ち上げや運営を支援するサービスを本格的に開始。現在、約50店舗のネットショップに対してコンサルティングおよび運営支援を行っており、伴走型のコンサルティングで数多くのネットショップを成功に導いてきました。ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」の制作パートナーでもあり、EC担当者がサイト運用をしやすいデザイン機能「commerce creator(コマースクリエイター)」を使ったECサイトの制作実績も豊富です。
目次
- 1 107ページのEC攻略資料集
- 2 月商100万円突破に必要なのは「熱意」と「覚悟」
- 3 1年で月商170万円の成功事例
- 4 すぐに成果が出なくても、やると決めたら最後まで実行すべき
- 5 施策をやり切るにはEC担当者の配属が必要
- 6 自社ECで月商100万円を超えるための施策とは?
- 7 コンサルティングはクライアントが自走できるまでサポート
- 8 解説動画を制作してクライアントのスキルアップを支援
- 9 売上目標に合わせてECプラットフォームを選定
- 10 futureshopはサポート体制が充実しているので安心
- 11 アフターコロナ時代に求められるのは効率的なEC運営
- 12 自社ECの戦い方を知れば売上を伸ばせる
- 13 インタビューを終えて
月商100万円突破に必要なのは「熱意」と「覚悟」
──本日はよろしくお願いします。早速ですが、自社ECで早期に月商100万円を超えられる企業にはどのような特徴があるのか、スタジオコンチーゴさんの経験を踏まえてお聞かせください。
森田さん:月商100万円を超えるために必要なことは多岐にわたりますが、特に重要な要素を挙げるなら、ECへの「熱意」と「覚悟」を持っていることではないでしょうか。
熱意というのは、EC事業を成功させる方法を本気で考え、行動する意欲を持っていること。そして覚悟とは、経営資源を適切に投資し、結果が出るまでやるべきことをやり切る意思を持つことです。
──熱意と覚悟ですか。
森田さん:はい。ここ数年、さまざまな業種・業態の企業の方から、自社ECサイトを立ち上げたいというご相談をいただくようになりました。しかし、事業計画を聞いてみると、自社ECサイトを立ち上げれば商品が勝手に売れていくと勘違いしている方も少なくありません。
ECサイトは自動販売機ではありませんから、商品を登録しただけでは売れません。オンラインで商品の魅力を伝え、お客様に商品を購入していただくために、さまざまな施策を打つ必要があります。そのことを理解し、本気でECに取り組む熱意と覚悟を持っているか否かが、自社ECの成否を分けると思います。
1年で月商170万円の成功事例
──熱意を持っている企業は例えばどのようなことに取り組んでいるのか、具体的にお聞かせいただけますか?
森田さん:わかりやすい事例として、弊社のクライアントをご紹介しましょう。
まつげエクステのサロン「sign post」を展開している株式会社A round match様は、まつ毛美容液などを販売する自社ECサイトを2021年春に立ち上げました。
社長さん自らブログをたくさん書き、Google検索からのアクセスを増やしてきたほか、ECサイトのコンテンツ拡充や導線改善など、やると決めた施策は最後までやり切ってくださっています。
その結果、自社ECサイトをオープンしてから1年で月商が170万円まで拡大しました。
社長さんはとても勉強熱心な方で、HTMLなどのコーディングにも未経験から挑戦し、今では独力でページ編集を行えるまでになりました。ものすごい熱量を持って、ECに本気で取り組んだことが、1年で月商170万円という成果につながったのだと思います。
株式会社A round match様の取り組みをご紹介した成功事例インタビュー
すぐに成果が出なくても、やると決めたら最後まで実行すべき
──結果が出るまで続ける「覚悟」を持つことも重要だとおっしゃいましたが、どういった意味なのでしょうか。
森田さん:自社ECサイトをオープンしてすぐに成果が出なくても、最低でも1年は諦めずに努力し続けることが必要だということです。
知名度がそこまで高くはないブランドの場合、自社ECサイトの売上が安定的に伸びるようになるまで半年から1年程度はかかります。当初はアクセス数が思うように伸びず、赤字が続き、このまま自社ECサイトの運営を続けるべきか悩むこともあるでしょう。
でも、成果が出ないからと早々に諦めてしまったら、月商100万円の壁を超えることはできません。自分を信じて、やると決めたことを最後までやり切る。その覚悟を持つことが必要です。
施策をやり切るにはEC担当者の配属が必要
──施策をやり切るには、適切な人数の担当者を配置し、必要に応じてアウトソーシングを活用することも必要になりそうです。
森田さん:そうですね。特に、EC事業の専任担当者を配属することは、重要だと思います。
自社ECは片手間で成功できるほど簡単ではありません。商品の撮影、原稿の作成、商品登録、受注処理、梱包、出荷、カスタマー対応といった日々の業務に加え、ECサイトのアクセスを増やすためのSEOやコンテンツ制作、商品を探しやすくするための導線改善などにも取り組む必要があります。
これらの仕事を迅速かつ丁寧に実行し続けることが、顧客満足度の向上に直結し、ひいてはネットショップのリピーターを増やすことにつながります。逆に、こうした日々の仕事をおろそかにしていれば、顧客満足度はなかなか上がらず、ネットショップの成長速度が鈍くなるでしょう。
EC事業の専任担当者を配属するのが難しければ、兼務だとしても、例えば週20時間は必ずEC事業に専念できるようにするといった対応が必要だと思います。
自社ECで月商100万円を超えるための施策とは?
──早期に月商100万円を超えるには、どのような施策が効果的なのか、具体的に教えてください。
森田さん:自社ECサイトを立ち上げたばかりの時期や、月商100万円未満のフェーズにおいて優先順位が高いのは、ネットショップの基礎を固める施策でしょうね。
具体的には、Google検索からのアクセス数を増やすために、検索キーワードを意識したページを戦略的に作る。また、ECサイトを訪れたお客様が商品を見つけやすいように、サイト内の導線やカテゴリの分類を設計する。そして、商品の魅力がお客様に伝わるように商品ページを作り込む。新商品を発売したら、タイムリーに商品ページを作成していく。
こういった、ネットショップの基礎を固める施策を愚直に続けることが大切だと思います。当たり前のことのように思うかもしれませんが、その当たり前のことをやり切れていないネットショップは少なくないと思いますよ。
──基本を徹底することが、月商100万円突破への近道であると。
森田さん:弊社ではそのように考えています。
ネットショップの基礎を固めておけば、SEOや広告などの施策を打つたびに新規顧客とリピーターが少しずつ積み重なっていき、売上は着実に伸びていきます。よく言われることですが、穴の空いたバケツに水を入れても水はたまりません。広告などで集客する前に、お店の基礎を固めておくことが成功の近道だと思います。
月商100万円を一時的に超えるだけでいいなら、広告を活用すれば比較的短期間で実現することは可能でしょう。でも、月商100万円を超えてからも継続的に成長していきたいのであれば、広告に投資する前に、やるべきことがあるはずです。
インターネット上には、ECの派手な成功事例がたくさんあります。そういった事例を目にすると、その施策を真似したくなる気持ちも湧いてくるでしょう。でも、物事には順序があります。急がば回れ。私自身がEC事業を15年続けてきた経験も踏まえると、まずはECの基本を徹底してやり切ることが、自社ECサイトの売上を伸ばす王道だと思います。
コンサルティングはクライアントが自走できるまでサポート
──スタジオコンチーゴさんはEC支援事業において、自社ECサイトの構築から運営まで幅広い業務をサポートしていらっしゃいますね。EC事業者さんの業績拡大を支援する上で、大切にしていることを教えてください。
森田さん:EC運営のスキルやノウハウを、クライアントに身につけていただくことを大切にしています。クライアントが自走できるようになるまで伴走する、というスタンスです。弊社は出来るだけ助言することに専念し、作業そのものはクライアント自身で行っていただくことを推奨しているんです。
スキルやノウハウを一度身につければ、ECサイトの改善に取り組みたいときに、自分たちで解決することができます。逐一弊社に見積もりを依頼する手間がないので素早く対処できますし、委託費用の削減にもつながるでしょう。
そして何より、EC運営の知識やスキルを身につければ、ECの売上を伸ばす方法を自分たちで考え、実行できるようになります。それは、これからのEC市場を勝ち抜くために重要な素養ではないでしょうか。
ただし、リソース不足などで作業を弊社に委託したいというクライアントもいますから、そういった場合には弊社が作業を代行します。クライアントの事情を踏まえて、最適な支援の方法を選択します。
解説動画を制作してクライアントのスキルアップを支援
──EC運営の経験が浅い、あるいはまったくないクライアントさんもいると思いますが、自走できるようになるまで、どのようなサポートを行っているのでしょうか。
森田さん:担当者さんの経験が浅い場合には、オンラインミーティングやメール、電話などのサポートに加え、ECサイトの管理画面の使い方やHTML編集の方法などの解説動画を制作して提供することもあります。
例えば、ECサイトのデザインを編集する場合、クライアントのECサイトのHTMLやCSSのコーディングの手順を動画で解説します。ソースコードのどこを編集すれば、ECサイトのデザインがどのように変わるのか、一目瞭然で理解できる動画です。
──クライアントごとに解説動画を撮影しているんですか?
森田さん:はい。弊社がHTMLやCSSを修正することも可能ですが、あえてそうせずに、修正するやり方を動画で解説するんです。
クライアントが自走できる体制を作るには、動画は非常に効果的です。クライアントは好きなタイミングで何度も視聴して勉強ができますし、その動画をスタッフのスキルアップや新人教育などにも活用できるでしょう。また、EC担当者さんが退職しても、動画があれば後任への引き継ぎも楽ですよね。
弊社としては、撮影に多少の手間はかかっても、解説動画の制作をこれからも続けていく方針です。
スタジオコンチーゴ様が制作している解説動画のサンプル
売上目標に合わせてECプラットフォームを選定
──スタジオコンチーゴさんはECサイトの新規立ち上げやリニューアルを請け負う際、ECプラットフォームの選定もサポートするそうですね。どのような基準でECプラットフォームを選ぶのでしょうか。
森田さん:EC事業の売上目標や、ECサイトを作る目的などを踏まえて総合的に判断しています。
──スタジオコンチーゴさんはfutureshopの制作パートナーとして、futureshopを使ったサイト構築の実績も多数お持ちです。EC事業者さまに対してfutureshopを推奨していただく際は、どのような基準で判断しているのでしょうか。
森田さん:目安としては、月商100万円以上を目指す意欲がある企業にはfutureshopを推奨しています。その理由は、futureshopは機能が豊富でcommerce creatorでのデザイン編集の自由度が高く、オプションでWordPressなどのCMS連携も行えるなど、ECの売上を伸ばすために必要な条件が揃っているからです。
弊社が運営している「ボアスコンプラス本店」と「アグリナオンラインストア」もfutureshopで構築・運用しています。私自身が実際に使って、優れたECプラットフォームであることを実感しているからこそ、クライアントにも自信を持って推奨しています。
futureshopはサポート体制が充実しているので安心
──futureshopは自社ECの売上を伸ばすための条件が揃っている、という評価をいただけたことは大変光栄です。
森田さん:それからもう一つ、フューチャーショップさんは利用者に対するサポート体制も充実していますよね。
サポートの窓口はメールだけでなく電話も使えるので、futureshopの使い方などで分からないことがあれば電話でサポート担当者さんに質問することができます。質問の意図を文章では正確に伝えるのが難しいとき、電話が使えるのはありがたいです。
サポートチームの皆さんは対応が丁寧で、折り返しの返答も早い。こちらが細かい質問をしても、嫌な顔ひとつせず、解決するまでしっかりサポートしてくださるので本当に助かっています。
聞くところによると、問い合わせに漏れなく迅速に対応できるように、相談内容をサポートチーム全体で共有し、タスク管理して解決にあたっているそうですね。サポート体制が充実していることは、futureshopの利用者としては安心です。
──サポート体制を褒めていただけることは大変嬉しく、身の引き締まる思いです。
森田さん:どんなに優れたECプラットフォームを使っていても、使いこなせなければECサイトのポテンシャルを発揮することはできません。豊富な機能とサポート体制は、futureshopの両輪だと思います。
また、futureshopを利用している弊社のクライアントがフューチャーショップさんに問い合わせをした際にも、サポートチームの皆さんがきちんと対応してくださいます。そのことは、制作パートナーの立場としても非常に安心感があります。
アフターコロナ時代に求められるのは効率的なEC運営
──2020年春以降、巣ごもり需要の拡大によってEC市場は急拡大しましたが、2022年の各種経済統計を見ると、EC市場の伸び率は落ち着いてきた印象です。アフターコロナを見据え、これからEC事業の売上をさらに伸ばす、あるいは生き残っていくためにはどのようなことが求められると思いますか?
森田さん:その質問への答えの1つは、「EC事業の利益を残すために、これまで以上に効率的な運営体制を構築する必要がある」ということではないでしょうか。
例えば、複数のネットショップを運営しているのであれば、商品データのアップロード作業を効率化するために、マスタデータを一元管理するといったことが挙げられます。弊社では自社ECと楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなどの商品データを一元管理する仕組みを構築し、そのノウハウをクライアントにも提供しています。
また、商品写真の撮影や白抜き(トリミング)を自動化するツールの活用も効果的でしょう。専用機器を導入し、撮影代行サービスを通じてクライアントの業務効率化を支援しています。
──ECの技術は日進月歩ですから、最新のツールやソリューションにアンテナを張っておくことも大切ですね。
森田さん:そうですね。そして、ツールを導入する際は、政府の補助金を活用することも重要です。弊社は撮影機器を導入する際に「ものづくり補助金」を申請し、費用の一部について助成を受けました。
EC関連の補助金は「IT導入補助金」「ものづくり補助金」「事業再構築補助金」などがあります。こうした補助金を活用することも、EC事業の収益性を高めるポイントになるでしょう。弊社は「IT導入補助金」の支援事業者にも選定されていますし、行政書士事務所とも連携して各種補助金の申請をサポートしています。補助金を活用したいEC事業者さんの力にもなれると思います。
自社ECの戦い方を知れば売上を伸ばせる
──最後に、これから自社ECを始める、あるいは自社ECを強化したいと考えている企業さまに向けて、メッセージをお願いします。
森田さん:現在のEC市場は競争が激しく、自社ECサイトをオープンしても、すぐに売上を伸ばせるとは限りません。そのことは、正直に申し上げておく必要があると思います。
しかし、自社ECサイトの売上を伸ばす方法はあります。重要なのは、自社ECの戦い方を知ることです。弊社はEC事業を15年運営して培ったノウハウと、多くのネットショップの運営を支援してきた経験があります。その知見を惜しみなく提供しますので、ぜひ一緒にEC事業を伸ばしていきましょう。
インタビューを終えて
今回のインタビューでは、自社ECを始める際の心構えから、月商100万円を超えるための施策まで、森田さんの経験に根ざした様々なお話をうかがうことができました。ご自身が長年EC事業を手がけているからこそ実感している自社ECの厳しさを率直に語ってくださった一方で、「戦い方が分かれば自社ECの売上を伸ばせる」という前向きなメッセージを投げかけた森田さん。その正直で誠実な人柄も、コンサルタントとして多くのEC事業者さまから支持されている理由なのでしょう。
そして、クライアントごとに解説動画を制作するなど、クライアント第一のコンサルティングを実施しているスタジオコンチーゴさまのような企業が、futureshopの制作パートナーになってくださっていることは、弊社としても大変心強く感じました。株式会社フューチャーショップは、スタジオコンチーゴさまを含めて多くのパートナー企業と連携してEC事業者さまをサポートしています。自社ECをこれから始めたい、または自社ECを一層強化したい企業さまがいらっしゃいましたら、ぜひご相談ください。
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