近年では、InstagramやTikTokなどのSNSを活用したインフルエンサーマーケティングを行うECサイトや企業が増えています。
多くのファンを抱えるインフルエンサーを上手く活用することで、ブランド周知や売り上げ向上を期待できます。
しかし、インフルエンサーマーケティングには炎上や企業のブランドイメージ低下などのリスクがあることも事実です。
そこで本記事では、インフルエンサーマーケティングの効果やメリットに加え、注意点などを紹介します。「新しいマーケティング施策を打ち出したい」「売り上げ向上を目指したい」と考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
インフルエンサーマーケティングとは?
「そもそもインフルエンサーとは?」と疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。まずはインフルエンサーの定義とインフルエンサーマーケティングの概要を詳しく紹介します。
インフルエンサーの定義
インフルエンサーとは、影響を意味する「influence」を語源とした言葉で、一般的に美容やゲームなど、特定のジャンルで高い影響力・発信力を持っている人を指します。
インフルエンサーには、SNSなどのフォロワー数によって、4つに分類されます。
- トップインフルエンサー(フォロワー数:100万人〜)
- ミドルインフルエンサー(フォロワー数:10万人〜100万人)
- マイクロインフルエンサー(フォロワー数:1万人〜10万人)
- ナノインフルエンサー(フォロワー数:数千人〜1万人)
フォロワー数が多いほどインフルエンサーの影響力も高い傾向にあります。ただし、マーケティングにおいては、依頼する際の費用も高額になりやすい点は留意しておきましょう。
インフルエンサーマーケティングについて
インフルエンサーマーケティングとは、様々なSNSで高い影響力を持つインフルエンサーに自社サービスや商品を紹介してもらい、認知拡大や売り上げ向上を目指すマーケティング方法です。
自社商品の客層とマッチするファンを持っているインフルエンサーに依頼することで、より高い成果を挙げられます。
インフルエンサーに依頼する方法は、主に以下の3つが挙げられます。
- インフルエンサーに直接連絡をする
- インフルエンサーマーケティング専門のプラットフォームを利用する
- インフルエンサーキャスティング会社に紹介してもらう
インフルエンサーにメールやダイレクトメッセージで直接連絡する場合は、仲介料などは発生しません。ただし、プラットフォームや専門会社に依頼する際は、仲介手数料などが発生する可能性があります。
また依頼の際は、インフルエンサーに対する報酬に加え、紹介を依頼する自社商品の発送料や、訪問にかかる交通費などの費用が生じるケースもあります。
インフルエンサーマーケティングに期待できる効果やメリット
インフルエンサーマーケティングに期待できる効果やメリットは、以下の通りです。
- 信頼や共感を獲得しやすい
- 多くのマーケティング施策を実行できる
- 特定の層にアプローチできる
- 多くのユーザーに商品を知ってもらいやすい
- 検索エンジンからの流入も期待できる
- データ収集がしやすい
1つずつ詳しく見ていきましょう。
信頼や共感を獲得しやすい
インフルエンサーはフォロワーと親密な信頼関係を築いていることが多い傾向にあります。そのため、インフルエンサーの発信内容は高い共感を得やすいのが特徴です。
企業がインフルエンサーと同じ内容を発信した場合、ユーザーは売り込みと感じることが多い一方で、インフルエンサーによる発信は、自然でリアルな意見として受け入れられる傾向があります。特にユーザーが普段から参考にしているジャンルの情報は、購買決定の大きな要因となるでしょう。
多くのマーケティング施策を実行できる
インフルエンサーを活用することで、様々なマーケティング施策が展開可能です。主に以下のような施策が挙げられます。
施策 | 内容 |
ギフティング | 依頼主が商品を提供し、使用感を発信してもらう |
現地訪問 | 店舗やイベント会場に訪問した上で、実体験を共有してもらう |
商品監修 | 商品開発段階からインフルエンサーに関わってもらい、影響力を活用する |
アンバサダー | 継続的にブランドを発信する長期的なパートナーシップを形成する |
ライブコマース | リアルタイムで商品を紹介・販売してもらい、ユーザーの即時購買を促進する |
ライブコマースとの相性についての詳細は、以下ページをご覧ください。
特定の層にアプローチできる
インフルエンサーごとにフォロワーの属性が異なるため、自社商品がターゲットとする層に効果的にアプローチできます。
たとえば、若い女性に強い影響力を持つアパレルに特化したインフルエンサー、30代以上の男性フォロワーを多く持つビジネス系インフルエンサーなど、アプローチしたい属性の人たちにフォローされているインフルエンサーを活用しましょう。
狙いたいセグメントにピンポイントで訴求できるのも、インフルエンサーマーケティングのメリットです。
多くのユーザーに商品を知ってもらいやすい
インフルエンサーマーケティングは、SNSのシェア機能を通じて投稿が広がり、多くのユーザーにアプローチできるのもメリットです。
フォロワーが投稿に共感し、シェアすることで、企業側が新たな施策を打ち出さなくても情報が拡散されます。
特に話題性が高い商品やキャンペーンは、効果を発揮しやすい傾向にあります。
検索エンジンからの流入も期待できる
インフルエンサーの発信を通じて興味を持ったユーザーが、商品やサービスをさらに詳しく調べるために検索エンジンを利用することがあります。
その結果、自社のECサイトへのアクセスが増加し、SEO効果が高まる可能性もあります。検索エンジンからの流入も踏まえ、ユーザーが使いやすいECサイト作成を心がけましょう。
データ収集がしやすい
インフルエンサーマーケティングは、SNSの分析機能を活用して投稿のエンゲージメントやリーチを測定しやすいのもメリットです。
ユーザーの反応をリアルタイムで把握できるため、今後のマーケティング施策の改善に活用できます。
インフルエンサーマーケティングの注意点
多くの効果やメリットがあるインフルエンサーマーケティングですが、以下のような注意点も伴います。
- インフルエンサー選定は慎重に行う必要がある
- 炎上リスクが伴う
- インフルエンサーと上手く連携を取らなくてはならない
基本的にインフルエンサーマーケティングは、ハイリスク・ハイリターンなマーケティング施策である点に留意しておく必要があります。注意点を詳しく見ていきましょう。
インフルエンサー選定は慎重に行う必要がある
インフルエンサーを選ぶ際には、自社の商品やブランドとの相性を十分に考慮しなくてはなりません。
フォロワー数が多いインフルエンサーであっても、商品との親和性やターゲット層が一致していなければ十分な効果を得るのは困難です。
また、インフルエンサー自身のモラルや人格も注目すべきポイントです。SNSでは発言や行動が注目されやすいため、不適切な行動がブランドイメージを損ねるリスクがあります。
加えて、インフルエンサー選定後は、A/Bテストなどを行いながら効果を定量的に測定し、運用することも必要です。
インフルエンサーを単に「宣伝役」として利用するのではなく、ブランドの成長を支える重要なパートナーとして適切に選定することが成功へのポイントです。
インフルエンサーマーケティングについては、以下のページも合わせてご覧ください。
炎上リスクが伴う
インフルエンサーマーケティングには、SNSの特性から炎上リスクが伴います。炎上リスクを最小限に抑えるためには、契約や運用において慎重な対応が必要です。
インフルエンサー個人との契約は訴訟リスクを伴う可能性があるため、必ずインフルエンサーが所属する事務所を通じて正式な契約を結びましょう。
医薬品や健康食品などの薬事に関わる分野や、政治や宗教など特定の団体に関連する内容は炎上しやすい傾向にあります。誤った情報や偏ったメッセージは控えるよう、細心の注意を払わなければなりません。
さらにPRであることを明確にしなかった場合、「ステルスマーケティング」とみなされる可能性があります。ステルスマーケティングとは、商品の広告である旨を隠して宣伝を行う販促行為です。景品表示法上の不当表示としてみなされるため、必ずPRである旨を示すよう連携を行いましょう。
インフルエンサーと上手く連携を取らなくてはならない
インフルエンサーマーケティングを成功させるには、インフルエンサーとの密な連携が欠かせません。
ブランドの方針や商品の特徴をしっかりとインフルエンサーに伝えるだけでなく、投稿スタイルやこだわりを尊重し、両者の魅力を引き出す形で進める必要があります。
インフルエンサーが自社商品の価値を深く理解し、自身の言葉で発信することで、マーケティングの効果が期待できます。
両者が協力し、信頼関係を築くことで、効果的なマーケティング施策を実現できます。
インフルエンサーマーケティングに適している媒体
YouTubeやTikTok、Instagramなど、インフルエンサーによって得意としている媒体は異なります。以下にインフルエンサーマーケティングに適しているジャンルと媒体をまとめました。
メリット | デメリット | アプローチしやすいジャンル | |
YouTube | ・詳細な商品説明や体験談を提供できる
・動画コンテンツのため視覚的インパクトが強い |
・動画制作に時間とコストがかかる
・他の媒体に比べて参入ハードルが高い |
ライフスタイル、テクノロジー、ガジェット、ファッション、ビューティー |
TikTok | ・短尺動画で注目を集めやすい
・若年層のユーザーが多い |
・動画の内容が一時的なトレンドに左右されやすい
・インパクト重視なコンテンツになりやすい |
エンタメ、ダンス、音楽、ファッション、ライフハック、ビューティー |
・ビジュアル重視で商品の魅力を直感的に伝えやすい
・多様なコンテンツ形式(写真投稿、ストーリー、リール) |
アルゴリズムにより表示される範囲に限界がある | ファッション、美容、旅行、ライフスタイル、フード、ヘルス | |
X(旧Twitter) | ・リアルタイムで情報発信できる
・ハッシュタグでトレンドに乗りやすい |
文字や画像の表現に限界があり、商品の詳細を伝えづらい | ニュース、エンタメ、政治、テクノロジー、商品レビュー |
それぞれの媒体のメリットやデメリットを理解したうえで、インフルエンサーを選定することが大切です。
インフルエンサーマーケティングを成功させるコツ
インフルエンサーマーケティングを成功させるコツは、以下の通りです。
- フルフィルメント体制を整える
- インフルエンサーマーケティングを継続する
- 定期的に効果測定と改善を行う
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
フルフィルメント体制を整える
インフルエンサーマーケティングを行う際は、フルフィルメント体制をしっかりと整えることが重要です。「フルフィルメント」とは、ECサイトにおける商品発送や返品・交換作業などの一連の流れを指します。
インフルエンサーマーケティングによって、急激に売上が伸びる可能性があります。その際に在庫が足りなかったり、商品の発送が遅れたりすると顧客の信頼を失いかねません。
信頼を損ねることで、リピーターの獲得やブランドの評判に長期的な影響を及ぼす可能性もあります。商品が売れた後の物流や在庫管理の体制を整備し、迅速かつ正確に発送できる体制を構築しておきましょう。
ECサイトにおけるフルフィルメントについて詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。
インフルエンサーマーケティングを継続する
インフルエンサーマーケティングは、継続して行うことが大切です。
一度インフルエンサーを通じて認知を得たとしても、持続的な成果に繋がるとは限りません。ブランドとの信頼関係を築き、売り上げを拡大していくためには、長期的な視点でインフルエンサーマーケティングを実施する必要があります。
定期的に効果測定と改善を行う
インフルエンサーマーケティングを成功させるには、定期的に効果測定と改善を行いましょう。マーケティング施策によって認知は拡大しているか、購入につながっているかなどを確認します。
もし設定していたKPIを達成できていない場合は、インフルエンサーとコミュニケーションを取り、施策内容を変えたり、インフルエンサーを変更したりなどの改善を行いましょう。
SNSの自社アカウントにも力を入れる
インフルエンサーの投稿を見て、ブランドアカウントに飛ぶユーザーも多くいます。その際にブランドアカウントがなかったり、あまり更新されていなかったりすると、ユーザーの興味が薄れてしまう可能性があります。
そのため、インフルエンサーマーケティングを行う際は、自社アカウントの構築も入念に行いましょう。
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アプリ1つでインフルエンサーとのやり取りが可能なため、インフルエンサーマーケティングに関する知識が少ない方でも始めやすいのが特徴です。
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まとめ
インフルエンサーマーケティングは、SNSで影響力を持つインフルエンサーを活用したマーケティング手法です。美容やビジネス、ゲームなど特定の層にアプローチしやすいうえに、インフルエンサーからの情報は信頼してもらいやすい傾向にあります。
しかし、インフルエンサーマーケティングは炎上リスクが伴うハイリスク・ハイリターンのマーケティング手法です。
むやみにインフルエンサーと契約を結んだり、コミュニケーションが上手く取れていなかったりすると企業イメージが低下する恐れもあるため、注意しましょう。
メリットや効果だけでなく、リスクを理解したうえで効果的なインフルエンサーマーケティングを始めてみてはいかがでしょうか。