ECサイト制作の手順とは?失敗しないサイト構築のポイントと、 事前に準備しておくべきリストをご紹介
- 2017.04.112024.11.18
ECサイトを制作するためには、さまざまな準備が必要です。
例えば、
- 競合サイトの分析
- 自社サイトのコンセプトの明確化
- デザイン選定
- データ収集
- 商品紹介の画像や説明文の用意
などなど…
必要な準備項目は多岐にわたり、それぞれの工程を正しい手順に基づいて遂行することが大切です。
▼ECサイト構築のポイントや流れについてはこちらの記事を参考にしてください。
また、以下の動画では、5年で売上10倍にしたオムニチャネルのポイントや成功事例を解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
事前準備をどれだけしっかりと整えられるかが、その後のサイト運用やマーケティングにも大きな影響を与えると考えて良いでしょう。
今回は、ECサイトを制作するための正しい手順や失敗を防ぐポイントについてご紹介します。
ECをスタートしてから陥りがちな失敗事例の無料ホワイトペーパーもご用意しております。
ぜひ最後まで読み進めてください。
目次
ECサイト完成までの期間と費用
ここからは、ECサイトがどの程度の期間、いくらぐらいの費用で制作できるのかの目安を紹介します。
サイト制作期間の目安
ECサイトの制作期間はサイトの規模によって大きく異なります。
極端な話、単品通販のサイトをASPカートのテンプレート通りに制作するだけなら1日で構築することも可能です。
一方、複数の商材を取り扱うECサイトをデザインや機能について擦り合わせながら制作するなら、3ヶ月〜半年程度は期間がかかりますし、より大規模なECサイトを制作する場合は、年単位の時間がかかることもあります。
そのため、ECサイトを制作する際には、予めサイトの目的・目標、取り扱う商材などを決めたうえで、ECサイト制作のノウハウを持っている人とスケジュールを決めていくことをおすすめします。
制作にかかる費用の目安
ECサイトの制作費用は、構築方法によって大きく異なります。下表が方法ごとの費用目安です。
構築方法 | 費用目安 |
SaaS/ASP | 0〜100万円
(制作会社に依頼すると200〜300万円ほど) |
オープンソース | 100万〜500万円 |
パッケージ | 500万円前後 |
ECモール(出店) | 10万円以下 |
フルスクラッチ | 数千万円 |
ECサイトに関する費用について、以下の記事で細かく解説しているため、あわせてご覧ください。
制作期間を短縮するためにできること
ECサイトの制作を早く進めるためには、事前の準備が重要です。
サイトのコンセプト作りには時間がかかるので、発注する前にある程度考えておきましょう。
「どんなECサイトにしたいのか」という具体的なイメージがあれば打ち合わせもスムーズに進み、制作期間や費用の見積もりも正確に出せます。
サンプルとしてイメージに近いWebサイトを提示すると、イメージにズレが生じる可能性が少なく、制作後の修正点も減らせるでしょう。
また、開発する部分を減らすことも制作期間の短縮に効果的です。
費用面では、一からECサイトを開発するのではなく、オープンソースやパッケージ、SaaS/ASPなどのベンダーが提供しているECシステムを利用すると制作期間が短くなり、費用も抑えることができます。
以下の記事では、構築方法ごとのメリット・デメリットを解説しています。自社にとって最適なECサイトの参考にしてみてください。
ECサイト制作前に定めておくべきこと
ECサイト制作前には、大きく4つの項目を定めておく必要があります。
ビジネスモデル全体・四大ビジネスモデルのうちどれを選ぶか
ECサイトを制作する前に、ビジネスモデル全体の方向性を定めておくことが重要です。特に、BtoC、BtoB、CtoC、DtoCの四大ビジネスモデルのうち、どれを選ぶかは事業の方針に大きく関わります。
各モデルの特徴を下表にまとめたので、選択の参考にしてみてください。
ビジネスモデル | 概要 | 特徴 |
BtoC | 企業から消費者へ直接販売 |
|
BtoB | 企業間取引 |
|
CtoC | 個人間取引 |
|
DtoC | メーカーが直接消費者に販売 |
|
自社の強みや目指す方向性、ターゲット顧客層などを踏まえ、最適なビジネスモデルの選択が大切です。
たとえば、消費者向けの商品を幅広く取り扱いたい場合はBtoC、特定業界向けの専門的な商材を扱う場合はBtoBが適しているでしょう。CtoCやDtoCは独自性の高い商品やサービスで差別化を図りたい場合に有効です。
各モデルの特性を理解し、自社の強みを活かせる戦略を立てることがECサイト制作の第一歩となるでしょう。
フロント業務とバックエンド業務のオペレーション
ECサイトの運営には、商品販売に直結するフロント業務と、販売活動を支えるバックエンド業務があります。フロント業務の内容は下表のとおりです。
分類 | 内容 |
マーケティング |
|
マーチャンダイジング |
|
一方、バックエンド業務は、商品情報登録、受発注管理、総合管理の3つに分けられます。それぞれの業務内容は下表のとおりです。
分類 | 内容 |
商品情報登録 |
|
受発注管理 |
|
総合管理 |
|
フロント業務とバックエンド業務を効率的に進めるには、いくつかの課題があります。たとえば、専門知識不足によるオペレーションの非効率化や、業務フローの整備不足によるミスの発生などです。課題解決には、専門知識を持った外部パートナーとの連携や、業務フローの改善、マニュアル作成などが有効です。
特に、売上拡大に伴い業務量が増加する場合は、自社リソースだけでは対応が難しくなるため、アウトソーシングの活用を視野に入れることが推奨されます。商品撮影や受注対応、在庫管理などは、専門業者に任せることで効率化が図れるでしょう。
ただし、アウトソーシング先の選定はコストだけでなく、品質面での信頼性も重視し、長期的に依頼できるパートナー選びが重要です。
商材の独自性
ECサイトを立ち上げる際、商材の独自性を明確にすることが非常に重要です。他社との差別化を図り、競争優位性を確立するためには、取り扱う商品やサービスに独自の価値をもたせることが欠かせません。
そのためには、以下のような定義づけが不可欠です。
- ターゲット顧客:どのような客層に向けて
- 提供するサービス:どのような価値を提供し
- 店舗のコンセプト:どのようなイメージの店舗にするのか
これらを明確にすることで、サイトデザイン、販売方法、商品選定、サービス内容に至るまで、すべてに一貫性を持たせることができます。ただし、商材の独自性を追求するあまり、ニッチすぎる商品構成になってしまうと、売上規模が限定的になるリスクがあります。適度な独自性を保ちつつ、ある程度の市場規模が見込める商材を取り扱うことが重要です。
ECサイトの企画段階で、十分な時間をかけてコンセプトを練り上げることが、成功への第一歩となります。市場調査を入念に行い、競合分析を徹底することで、自社ならではの独自性を見出していきましょう。
収支計画
EC通販ビジネスの収支計画では、商品調達費、物流コスト、人件費、販促費など、さまざまな項目の詳細な洗い出しが必要です。
詳細内容を含めると、以下のように整理ができます。
- 商品調達費:仕入れ費用
- 物流コスト:梱包・発送費
- 人件費:売上規模に応じて増加
- 販促費:集客に必要な広告宣伝費
これらのコストを変動費と固定費に分類したうえで、損益分岐点の把握が重要です。変動費は売上に連動して増減しますが、固定費は売上に関わらず一定です。つまり、固定費の割合が高いほど、利益が出るまでに時間がかかります。
収支計画表を作成し、EC事業全体の採算性を見極めましょう。市場調査や競合分析に基づいて、現実的な売上目標を設定することが欠かせません。また、想定外のコスト増加やトラブルに備え、リスクを考慮した計画の立案が事業成功の鍵になります。
今回自社ECをスタートさせてからみんなが通りがちな「失敗事例」を記載したホワイトペーパーもご用意しております。
ぜひ、掲載の失敗事例から学んでいただき、しっかりと準備をしていただけたらと思います。
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ECサイト制作の手順
ここでは、ECサイト制作の手順を解説します。発注前に大まかな流れを押さえておきましょう。
コンセプトの定義
ECサイト制作前に、ECサイトのコンセプトを決めます。サイト制作で最も重要な部分です。
「何のためにサイトを制作するのか」「どのようなサイトを作りたいか」などを明確化した上で、コンセプトからECサイトのデザインや機能を決めていきます。
コンセプトがなかなか決まらないとその後の工程が遅れたり、求めるものとは違うECサイトになったりする可能性があります。
目的の整理
ECサイトのコンセプトを決めたら「何のためにECサイトを構築するのか」を考えて整理しましょう。
ECサイトを運営する目的は、基本的には「集客」や「販売拡大」がメインです。ただし、場合によっては「ブランド力の強化」や「顧客との関係強化」といった目的で運営するケースもあります。
目的によって、ECサイトの「設計」や「必要な機能」「適したデザイン」が異なります。事前に目的を整理し、プラットフォームの選定やデザインに役立てましょう
3Cの整理
ECサイトを運営する目的を明確にしたら「ユーザーニーズ」や「競合の強み」を整理したうえで、自社の強みを整理しましょう。「顧客」「競合」「自社」の3Cを整理すれば、ECサイト制作で重要な部分である「コンセプト」の原案となります。
「顧客」を分析するには「どのような顧客が利用するのか」を細分化します。具体的には、顧客の「属性」や「購買行動」「意見」「情報収集の手段」などの情報を整理しましょう。
「競合」を分析する際は顧客の視点に立ちます。具体的には「強み・弱み」や「ブランドイメージ」「商品の特徴」などの項目を整理しましょう。
顧客・競合を掘り下げたら「自社」に関する情報を整理します。自社の「強み・弱み」「ブランドイメージ」「商品の特徴」などを洗い出し、情報を整理しましょう。
STPの整理
3Cを整理したら、次にSTPを整理します。STPは「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」の頭文字をとった言葉です。
セグメンテーションでは「年齢」や「性別」「居住地」「ライフスタイル」などで属性を細分化し「誰のためのECサイトか」を明確にします。
ターゲティングでは、セグメンテーションで選定した市場のなかから「狙うべき市場」を選定します。具体的には、市場の「規模」や「成長性」「競合状況」などの要素を意識して選びましょう。
ポジショニングでは「セグメンテーション」と「ターゲティング」で検討した要素をもとに「自社ECがどのポジションを狙えるのか」を見つけます。
このようにSTPを整理し、ECサイト市場のなかで「どのような価値を提供して勝負するか」を決めておきましょう。この点を事前に明確にしておくことで、ECサイト運用時の判断軸が生まれるため、意思決定が容易になります。
要求定義
コンセプトを基に、ECサイトに必要な機能をまとめます。
機能によっては、次の工程で決めるプラットフォームの選定に影響するため、最低限必要な機能とできるだけ盛り込みたい機能などを費用面も考慮しながら検討します。
要件定義
要件定義では、ECサイトを構築するにあたって「必要な要件」や「実装したい機能」を明確にし、関係者全員が認識を共有します。
ECサイト構築における要件定義は、以下の流れで実施します。
- 基本情報・コンセプトの整理
- 構築の目的・背景の明確化
- ECサイト構築時の役割分担・業務フローの整理
- システム要件の洗い出し
- ECサイトの設計図作成
- ECサイトのデザイン決め
- 運用開始までのスケジュール決め
まず、ECサイトの構築にあたり「自社の会社概要」をはじめとした基本情報を整理します。また、ECサイトのコンセプトをまとめて、ディレクターやデザイナーといった社内担当者に共有しましょう。共有する目的は「当初の考えからブレずにアウトプットすること」「今後の作業をスムーズかつスピーディに進めること」です。
次に、ECサイトを構築する背景・目的を明確化します。ECサイトの運営を始める目的は「集客」や「販売拡大」である一方で「新規顧客を開拓したい」「知名度を高めたい」といった背景がある場合もあるでしょう。
次に、ECサイト構築時の業務を担う「担当者」と「業務フロー」を整理します。足りない場合は、外部委託も検討しましょう。また、ECサイトには多くの機能が必要です。サイトに実装すべき機能を全て洗い出し「システム構成図」を作成すると、全体像が把握しやすくなります。
次に、ECサイトの設計図を作成します。まずは、各ページの階層を図で表した「サイトマップ」を作成したのちに、各ページの設計図である「ワイヤーフレーム」を作成しましょう。ワイヤーフレームをもとに「PhotoShop」「Illustlator」といったツールを活用して、デザインを仕上げます。
最後に、ECサイトの運用を開始するまでのスケジュールを決定しましょう。デザインの決定後には「コーディング」や「社内基幹システムとの連携」「必要な機能の実装」「商品登録」「テスト運用」「オープンプロモーション」の6工程が発生します。
要件定義は、関係者間の認識共有だけでなく「目的・実装機能の整理」や「構築費用の把握」にも役立ちます。
設計・開発
要求定義(そのシステムに何を求めているのかを明確にしていく作業)を基に、利用するECプラットフォームを決定します。
ECプラットフォームは、CMSやショッピングカートシステムなどECサイトを構築するためのシステムです。
ECプラットフォームによっては、機能やデザインが制限されてしまうため、ここでしっかり決めないと、あとから大幅な修正が必要になる場合もあります。
このE-Commerce Magazine内の記事でも詳しく解説していますので、こちらの記事も参考にしてください。
ECプラットフォームが決まったら、各ページにどのような機能や要素を入れ、どこに配置するのかというワイヤーフレームを作成し、同時にECサイト全体に必要なコンテンツを整理してコンテンツマップも作成します。
その後、各ページをデザインし、購入までの導線を検討します。
ECサイトは見た目の美しさだけでなく、ユーザーの使いやすさや商品の見やすさ、内容の伝わりやすさが大切です。
なお、futureshopが提供している「commerce creator」では、ECサイトをパーツ単位で構築できます。ページのカスタマイズや、更新などが手軽なため、工数を抑えながらの運用が可能です。詳しい内容は以下のページからご覧ください。
商品の登録
できあがったECサイトに商品情報を登録します。
事前に商品の画像や説明文のデータを作成しておき、CSVなど一括登録しやすい形にしておくと良いでしょう。
テスト・トレーニング
ECサイトが完成し、商品を登録したら、オープン前にオペレーションテストを行います。
また、実店舗と同じようにスタッフの教育も必要です。トラブルが発生した場合の対応まで、事前に確認しておきます。
継続的なオペレーション・スタッフのナレッジ蓄積
最初に組んだものをテストし、運用開始後も継続的に「スタッフの応対」や「オペレーション」などの品質向上を目指します。常にスタッフからのフィードバックを収集できる状況を整え、改善を繰り返しましょう。
オープン
ようやくECサイトをリリースし、運用段階へ移行します。
リリース前には顧客に告知したり、SNSなどで拡散したりして、オープンをたくさんの人に宣伝しましょう。
ECサイト制作に必要なもの
ECサイトを制作するためには、さまざまなデータが必要です。
準備に時間がかかるものもあるため、事前に用意しておきましょう。
コンテンツ
ECサイトには、ある程度の情報量が必要です。
情報量を増やすことでユーザーのアクセスを集め、幅広いターゲットからECサイトを認知してもらいます。
食品ならレシピページや、アパレルならコーディネートに関するコンテンツなど、関連する内容の情報を増やすようにしましょう。
また、あらかじめ取り扱う商品のサイズや表記の規格を決めておくと、ユーザーが商品を探しやすくなります。このときに、商品の価格や値下げ時の価格も決めておきましょう。
大幅な値下げはECサイト全体の信用を落とす可能性があります。
売り上げを増やしたいなら、商品説明や写真に力を入れてみましょう。
掲載する写真
ECサイトは手にとって商品が見られないので、商品写真が重要です。
外側、内側、裏側、大きさ、使用イメージ、素材感などがわかるような写真をできるだけ多く用意しましょう。
商品紹介の文
販売側の言いたいことではなく、ユーザーの目線で知りたいことを意識しながら具体的に記載することがポイントです。
製品のメリットだけでなく、デメリットを書くことで、ユーザーに信用されやすくなることもあります。
こちらの記事もご参考になさってください。
サーバ
多くのECサイトでは、ASP(Application Service Provider)を利用しています。
ASPは、インターネット上で業務用のシステムを利用できるサービスです。ASPを使えば、比較的簡単にECサイトを構築・運用できます。
ASPのサービスにはサーバも含まれているので、用意する必要はありません。
ただし、自由に自社の思い通りにカスタマイズして大規模なECサイトを制作したい場合は、ASPでは容量や機能が足りないことがあります。
そのため、独自にECサイトを制作するときには、よく考えてサービスを選ぶことが必要です。
もしASP以外を導入する場合には、サーバ選定で、ECサイト用のパッケージソフトやオープンソースがインストールできること、セキュリティ対策がしっかりしていることなどを確認しましょう。
SSL証明
SSLは、情報を暗号化して保護する仕組みです。
SSL化されると、URLが「http://」ではなく「https://」で始まるアドレスになります。
ECサイトでは顧客の個人情報やクレジットカード情報を扱うので、情報漏えいを防ぐためにもSSL化は必須です。
また、GoogleではSSL化されていないWebサイトに「保護されていません」と警告が表示されます。
さらに、SSL化されたHTTPSページが優先的にインデックスに登録されると言われています。
ただ、サイトの中で「混合コンテンツ」があった場合、サイト内容が正しく表示されず、ユーザーの離脱や検索順位の下落を招くおそれがあります。
顧客の安全、ECサイト全体の信用、SEOの面からもECサイトを構築するときには常時SSL化することが必要です。
失敗しないECサイト制作のポイント
ECサイトの制作のポイントを、自社で制作する場合と、制作会社に依頼する場合に分けて解説します。それぞれポイントが異なるため、状況にあったほうをご覧ください。
自社の場合
自社でECサイトを制作する場合、SaaS/ASPを利用するか、ECモールへの出店が主な選択肢になるでしょう。
自社でECサイトを制作する場合のポイントは以下の4つです。
- ユーザー視点でのデザインを心がける
- 使いやすく改善しやすいサイトを目指して運営する
- セキュリティ面を重視する
- 制作完了後は集客対策を行う
それぞれの内容について、以下の記事で詳しく解説しています。結果を出すためには重要な内容のため、上から順に確認してみてください。
制作会社に依頼する場合
ECサイトを制作会社に依頼する場合は、オープンソースを利用するケースが多いですが、フルスクラッチでの制作も可能です。外注先によっては、SaaSを利用したサイト制作にも対応してもらえるケースが増えてきています。
ECサイトを制作会社に依頼する場合は、以下3つの内容に注意してください。
- 制作実績は十分か
- 見積もり金額と内容はあっているか
- サイトを制作した後もサポートしてもらえるか
まず、制作実績が十分でなければ、理想とするサイト制作は難しいでしょう。さらに、内容に妥当性のある見積もりを出してもらえるか、制作後のサポートもしてもらえるかは、信頼できるかどうか判断するうえで重要です。
以下の記事では、ECサイトの外注について、対応可能な業務内容、外注すべきかどうかの判断基準、外注先の料金体系、外注先の選定方法などを解説しています。自社に適した制作会社の選定にお役立てください。
失敗しないECサイト制作のポイント
ECサイトを制作するときは、見た目を重視しがちですが、より大切なのは目的やコンセプトに沿ったサイトにすることです。
運用開始してから後悔しないためにも、ECサイト制作のポイントを押さえておきましょう。
ユーザー視点でのデザインを心がける
企業としてECサイトを運営し、利益を上げることを目標とするなら「わかりやすいECサイト」を作りましょう。
見た目が良くても使い勝手が悪いサイトでは、ユーザーは最後まで見ずに離脱してしまいます。
また、便利にしようとして多くの機能を盛り込みすぎると、必要な情報がどれなのかわかりづらくなり、使い勝手が悪くなってしまいます。
重要なところをきちんと目立たせ、ユーザーが欲しい情報がすぐに目に入るようなデザインが求められます。
使いやすくわかりやすいサイトにするには、サイト内の動線と、ユーザーの視線を意識しましょう。
改善しやすく、使いやすくサイトになるよう運営する
ECサイトはオープンしたら終了ではありません。
オープンしてからが、運営のスタートです。
ECサイトを制作したら、Googleアナリティクスなどのツールを導入して、サイトの分析を行いましょう。データを基に分析することで、主観ではなくユーザー視点からの分析を行えます。
見つけた問題点を改良していくことで、少しずつ使いやすいECサイトになっていくでしょう。
セキュリティ面を重視する
ECサイトでは「個人情報」や「クレジットカード情報」などの情報を扱うため、サイバー攻撃の対象になりやすいです。セキュリティ事故が起きた場合「社会的信用が失墜する」「損害賠償を請求される可能性がある」といったリスクがあるため、セキュリティ面を重視してECサイトを制作する必要があります。
あらかじめ、ECサイトを構築・管理する端末のセキュリティチェックをしておくと安心です。また、ECサイトにはクレジットカード情報の漏えい対策が義務化されています。決済代行会社を選ぶ際は「クレジットカード番号の非保持化」に準拠している会社を選びましょう。
さらに「不正アクセスを検知するサービス」や「不正注文を防止するサービス」などの導入も有効です。ECサイトの運用前にセキュリティ面を見直し「情報漏えい」や「クレジットカードの不正利用」などのリスクを低減させましょう。
制作完了後は集客施策を行う
ECサイトの制作が完了したら、集客施策を実行しましょう。ECサイトにおける集客施策は、大きく分けて「広告出稿」「SNS運用」「SEO」があります。
広告出稿では「ショッピング広告」や「SNS広告」などのWeb広告を活用し、広告経由での集客を目指します、広告費がかかる一方で、ECサイトの情報を多くのユーザーに届けられます。
SNS運用は、X(Twitter)やInstagramなどのSNSアカウントを運用し、ECサイトや商品に関する情報を発信します。費用をかけずに始められる一方で、運用の仕方によって成果が左右されるのが特徴です。
SEOは検索エンジンで特定のキーワードが検索された場合に、検索結果で上位に表示されるようにページの内容を最適化する施策です。SNS運用と同様に費用がかからない一方で、効果が出るまで時間がかかります。
集客施策は、ECサイトを運営するにあたって重要な要素です。ECサイトの制作完了後は集客施策を実施し、訪れるユーザーを増やしましょう。
ECシステムの乗り換えで気を付けたいこと
現在利用しているECシステムから新しいシステムに乗り換える場合、ECサイトの制作時は次の3点に注意しましょう。
移行先のシステムにパスワードを移管できないため、再設定が必要になる
ECシステムを乗り換える場合、これまでブラウザに保存されていたECサイトのIDおよびパスワードは、使用できなくなる可能性があります。これにより、自動ログイン機能を利用していたユーザーは、再度ログイン情報の入力を求められます。このプロセスが原因となり、ユーザーがサービスから離れる恐れがあります。
そのためECシステムのリニューアル時には、ユーザーの離脱を防ぐためにログイン促進のキャンペーン・仕組みを併せて導入するとよいでしょう。
リダイレクト設定をしないとSEO効果が薄れる
リダイレクトの設定をせずにECシステムを乗り換えた場合、SEO効果が薄れて流入数が減少します。そのためアクセス数を維持するには、以下の対策を講じる必要があります。
- リニューアル前のECサイトで自然検索流入数が多いページを把握する
- 上記ページに対してリダイレクト設定を行う。あるいはリニューアル後にも同ページを残す
- リニューアル前のコンテンツを新たなECサイトでも引継いで情報を削らない
SEOはコストをかけずに集客できる方法です。そのため上記の対策を行い、リニューアル後も集客効果を継続させましょう。
また、リニューアル後にGoogle SearchConsoleから、sitemap.xmlを検索エンジンに登録することも有効です。
旧システムに戻せるよう準備しておく
「大規模なシステム」や「複雑なシステム連携」の場合、リニューアル後に問題が発生してECサイトが止まってしまうリスクがあります。
そのため、リニューアル後の問題発生に備え「旧システムに戻す」という選択肢も視野に入れておきましょう。
ECサイト制作は正しい手順と十分な準備が大切
ECサイトの制作で重要なのは、構築前のコンセプト作りです。この段階で、ECサイトの大部分が決まります。
時間がかかってもコンセプトがしっかりしていると、その後の工程はスムーズに進められます。
時間がないからといってすぐにデザインや構築を進めるのではなく、綿密な事前準備をすることで結果的に制作時間の短縮につながるでしょう。
みんなが通りがちな「失敗事例」掲載、ホワイトペーパーダウンロードが可能です
今回自社ECをスタートさせてからみんなが通りがちな「失敗事例」を記載した
【 自社EC、スタートしてから気づく よくある失敗・3つの教訓 】
というホワイトペーパーをご用意いたしました。
掲載の失敗事例から学んでいただき、しっかりと準備をしてEC事業に取り掛かっていただけたら幸いです。
↓こちらから無料ダウンロードしていただけます。
準備するには時間がかかりすぎる…そんな時は
世の中にはECサイトを構築するサービスがたくさんあります。
パンフレットやWebサイトだけを見ていると、そのサービスは自分の要望を叶えられるシステムなのか? 他サービスとの違いは何か? 何を、誰が準備すればいいのか? が分かりづらいのが実際のところです。
ECについての疑問やお悩みをご相談いただける窓口をフューチャーショップは設けています。
自社ECノウハウが豊富な、ECのプロに無料でご相談いただけますので、お力にならせてください。
また、以下から「自社ECのトレンド」を把握できる資料もご用意しております。
自社EC事業の展開のヒントに、こちらもどうぞご利用ください。