ECサイトの外注にかかる費用相場を解説!対応内容や選び方まで紹介します
- 2024.05.032024.10.11
ECサイトの運営において、外注先に依頼できる業務は多岐にわたります。ただし、すべてを外注に頼るのではなく、自社で対応すべき部分と外注すべき部分を明確に整理しておくことが重要です。
しかし、どの業務を外注すべきか、どのように外注先を選定すべきか、といった点で悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ECサイトの外注について、対応可能な業務内容、外注すべきかどうかの判断基準、外注先の料金体系、外注先の選定方法など、さまざまな角度から解説します。ECサイト運営の課題解決に向けて、一歩を踏み出すための参考にしてみてください。
目次
ECサイト外注の費用相場
ECサイトの外注費用は、依頼内容や外注先によってバラつきが大きいのが特徴です。予算に合わせて、最適な外注先を選定することが重要となります。
ここでは、ECサイト制作代行と商品登録代行の費用相場を例に挙げ、外注費用の目安を解説します。
制作代行の費用相場
ECサイトの制作代行費用は、サイトの機能や規模によって大きく異なります。以下の表は、ECサイト制作代行の費用相場の一例です。
内容 | 費用相場 |
購入ページ+コンセプトページ+ブログ、会員登録機能など | 100万〜300万円 |
上記+マーケティングや在庫管理機能など | 300万円以上 |
ECサイトの制作代行を検討する際は、必要な機能を明確にし、複数の外注先から見積もりを取ることが重要です。費用対効果を見極めながら、最適な外注先を選定しましょう。
商品登録代行の費用相場
ECサイトの運営において、商品登録は必要不可欠な作業です。商品点数が多い場合、自社での対応が難しくなるため、外注を検討するケースが少なくありません。以下の表は、商品登録代行の費用相場の一例です。
内容 | 費用相場 |
画像や商品の詳細情報を提供して商品登録 |
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パンフレットや商品データから商品登録 |
|
商品登録代行の費用は、商品点数や登録内容の複雑さによって異なります。外注先の実績や品質を確認しつつ、費用対効果の見極めが重要です。自社の商品点数や登録内容に合わせて、最適な外注先を選定しましょう。
ECサイトの外注先で対応できる6つの内容
外注と一言でいっても範囲が広く、外注先によって対応している内容や得意分野が異なります。
主な対応内容として、以下6項目を解説します。
- 集客
- サイト構築
- 商品登録
- 商品管理(在庫管理)
- 受発注管理
- 顧客対応
集客
ECサイトの集客における外注先の役割は、SEO施策、メルマガ配信、SNSマーケティング、広告運用などが挙げられます。これらの施策は専門的な知識と経験が必要なため、始めは外注先の力を借りるのが効果的です。ただし、最終的には自社で集客施策を回せるようになることを目指しましょう。
たとえば、futureshopが支援している事業者様は「最終的には自走できること」を前提に、外注先との連携を図っています。なぜなら、集客ノウハウがない状態では、外注先の施策が適切かどうかを判断するのが難しいためです。そこでfutureshopでは、集客ノウハウを教えながら、徐々に自社で運用できる体制づくりを支援しています。
集客の基礎知識を学ぶには、以下の記事も参考になります。あわせてご覧ください。
サイト構築
ECサイトの構築は、デザイン、コーディング、ショッピングカート機能の実装など、専門的なスキルが求められます。プロのクオリティでサイトを構築するには、経験豊富な制作会社に依頼するのが得策です。制作会社との連携により、自社の要望を適切に反映させながら、質の高いECサイトを構築できます。
ただし、サイト構築後の改善や運営は、自社で対応できるように準備しておくことが重要です。ECサイトは、顧客のニーズや市場の変化に合わせて、継続的に改善していく必要があります。そのため、ECサイト構築後は、自社でPDCAサイクルを回せるように体制を準備しましょう。
具体的には、アクセス解析ツールを導入し、顧客の行動を分析しながら、改善施策を打ち出していくことが求められます。A/Bテストなどを活用し、仮説検証の繰り返しによって、サイトの最適化が図れます。このような検証・改善のサイクルは、スピード感を持って自社で回していける状態が理想です。
商品登録(ささげ業務)
ECサイトで販売する商品情報を登録する作業は、膨大な時間と手間がかかります。商品データの整理、画像加工、商品説明文の作成など、専門的な作業が必要な場合もあるでしょう。
外注先に商品登録を依頼することで、効率的に作業を進められます。選定する際は、登録商品点数や登録期限、登録内容の精度などを確認し、自社の要望に応えられるパートナーを探すことが重要です。
商品管理(在庫管理)
ECサイトの商品管理は、販売機会の損失や過剰在庫のリスクを回避するために重要な業務です。受注状況に応じて在庫を適切に割り当て、リアルタイムで在庫状況を把握する必要があります。
在庫管理のシステム導入や運用を外注先に任せることで、効率的な在庫管理が可能です。信頼できる外注先を選定するためには、在庫管理の手法や実績、トラブル対応など複数の比較材料を集めて、絞り込みましょう。
受発注管理
ECサイトの受発注管理は、注文の受付、入金確認、発送手配、納品書の発行など、煩雑な業務が発生します。これらの一連の流れを滞りなく進めるには、受発注管理のノウハウが必要です。
外注先への依頼内容を明確にし、報告体制を整えることで、円滑な受発注管理が期待できるでしょう。
以下の記事では、EC物流の実態について詳しく解説しています。店舗アンケートによるリアルな声が確認できるため、あわせてご覧ください。
顧客対応
ECサイトの顧客対応は、問い合わせ対応、返品・交換対応、クレーム対応など、煩雑な業務が発生します。特に、問い合わせ対応は即時性が求められるため、自社リソースだけでは対応が難しいケースもあります。
外注先のコールセンターやカスタマーサポート部門に顧客対応を任せることで、迅速かつ丁寧な対応が可能です。外注先の選定では、対応品質や対応可能時間、トラブル発生時の対処方法などを確認しましょう。
外注すべきかどうかの判断基準
外注すべきかどうかの明確な判断基準はありません。ただし、ECサイトの運営にはリソースと経験が必要なため、外注の活用が賢明です。
ここでは、外注すべきかどうかの判断基準の例として、以下4点を解説します。
- リソースが不足している
- スキル・ナレッジが不足している
- 人件費と比べてコストダウンできる
- コンサルティングのみの活用も可能
リソースが不足している
自社の人員や時間が不足している場合は、外注を検討すべきです。ECサイトの運営には、商品管理、受注処理、顧客対応など、多岐にわたる業務が発生します。
すべての業務を社内の限られたリソースで対応するのは難しいケースが多く、外注先の活用により業務を効率化できれば、自社リソースを本業に集中させられます。
ただし、外注先の管理にも一定の工数がかかるため、自社の負荷を見極めながら、外注への依頼範囲を決定することが肝要です。
スキル・ナレッジが不足している
ECサイトの運営には、専門的なスキルやナレッジが必要な場面が多くあります。たとえば、SEO施策、広告運用、サイト改善などは、実務で培った専門的な知識と経験が求められる分野です。自社にこれらのスキルや知識がない場合は、外注先の力を借りるのが賢明でしょう。
ただし、すべてを外注先に任せきりにするのではなく、徐々に自社のスキルアップを図ることを忘れてはいけません。外注先との連携を通じて、運営ノウハウを吸収し、将来的には自社で対応できる体制整備が必要です。
人件費と比べてコストダウンできる
外注先を活用するメリットの一つに、コスト削減が挙げられます。自社で人材を雇用し、教育するには、多大な時間と費用がかかります。外注先を活用することで、人件費を抑えつつ、必要な業務を遂行できます。
ただし、外注先の料金設定によっては、逆にコストが高くつく可能性もあるため、複数の業者から見積もりを取り、費用対効果の慎重な検証が大切です。自社の予算に合わせて、最適な外注先を選定しましょう。
コンサルティングのみの活用も可能
ECサイトの運営において、コンサルティングのみを活用するのも1つの選択肢です。コンサルティングの範囲は、ECサイトのコンセプト設計から、運営中のサイト改善まで広範囲に及びます。たとえば、商品戦略、価格設定、UI/UXの最適化など、ECサイト運営に関するさまざまな課題について、外注先の専門家から実践的なアドバイスが得られます。
futureshopでは、ECサイト運営に関する相談を無料で受け付けています。豊富な実績を持つECサイト運営のプロフェッショナルが、自社の課題に合わせたアドバイスを提供します。コンサルティングを通じて、自社の強みを活かしたECサイト運営の方向性を見出していただけるでしょう。
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外注ではなく内製化で対応すべき業務
EC事業運営において、一部の重要な業務は外注ではなく内製化が望ましいといえます。特に、社内にノウハウを蓄積すべき業務は内製化を優先すべきです。これにより、長期的な競争力を維持し、事業の核となる部分の教育体制を整備することができます。
内製化を検討すべき業務には、売上を直接構成する要素の分析と改善が含まれます。具体例は以下のとおりです。
- アクセス数の分析と向上策
- 購入率(コンバージョン率)の改善
- 顧客単価の増加方法
- リピート率の向上
これらの業務を内製化する主な理由は、売上を改善させるためのサイクルをより速く回せるところにあります。内部でデータを管理し分析することで、迅速な意思決定が可能となり、市場の変化に素早く対応できます。
外注すると、必要な情報の依頼、データの抽出・加工、結果の確認などに時間と手間がかかるかもしれません。また、外部業者とのコミュニケーションの齟齬や、自社の事業特性に合わせた細かな調整が難しくなる恐れもあります。
なお、すべての業務を内製化する必要はありません。自社の強みとリソースを考慮し、核となる業務に焦点を当てて内製化を進める視点が重要です。
ECサイトの外注料金体系
ECサイトの外注先を選定する際、料金体系は重要な判断材料の1つです。外注先の料金体系は、固定報酬型、成果報酬型、複合型の3つに大別されます。
それぞれの特徴を理解し、自社のニーズに合った料金体系を選択することが肝要です。以下の一覧表で、各料金体系の特徴をまとめました。
料金体系 | 特徴 |
固定報酬型 |
|
成果報酬型 |
|
複合型 |
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料金体系ごとの詳しい内容を解説します。
固定報酬型
固定報酬型は、売上や成果に関わらず、あらかじめ決められた金額を外注先に支払う料金体系です。外注先との契約で定めた業務範囲に対して、毎月一定の報酬が発生します。固定報酬型の最大のメリットは、予算管理が容易な点です。毎月の支出が固定されているため、キャッシュフローの計画が立てやすくなります。
ただし、固定報酬型の場合、外注先のモチベーション維持が課題となる可能性があります。売上や成果に関わらず報酬が発生するため、外注先が積極的に業務に取り組むインセンティブが働きにくいことがあるためです。外注先との密なコミュニケーションを通じて、モチベーションを高めていく工夫が求められます。
成果報酬型
成果報酬型は、売上やKPIの達成率に応じて、外注先に報酬が発生する料金体系です。たとえば、売上の一定割合を外注先に支払うといった形態が該当します。成果報酬型の最大のメリットは、外注先のモチベーションが高く維持される点です。売上や成果に応じて報酬が変動するため、外注先は積極的に業務に取り組むインセンティブが働きます。
ただし、成果報酬型の場合、売上が伸びない場合のリスクを外注先(?)が負うことになります。外注先の努力が実を結ばない場合、報酬が発生しないため、外注先の採算が取れなくなる可能性がゼロではないためです。リスクとリターンのバランスを考慮しながら、成果報酬型を選択する必要があります。
複合型
複合型は、固定報酬と成果報酬を組み合わせた料金体系です。固定報酬で外注先の基本的な活動を担保しつつ、成果報酬でモチベーションを高める狙いがあります。複合型の最大のメリットは、リスクとリターンのバランスが取りやすいことです。固定報酬で外注先の活動を下支えしつつ、成果報酬で売上アップのインセンティブを付与できます。
ただし、複合型の場合、料金体系が複雑になりやすいことが課題です。固定報酬と成果報酬の割合設定や、成果の測定方法など、外注先との契約を細かく取り決める必要があります。複雑な料金体系は、外注先との認識齟齬を生むリスクがあるため、十分な協議を重ねることが肝要です。
ECサイトの外注先の選び方4選
ECサイトの外注先選定は、サイト運営の成否を左右する重要な意思決定です。ここでは、外注先選定の4つのポイントを解説します。
以下の4つの選定基準を1つずつ確認しながら、自社のニーズに合った信頼できる外注先を見つけましょう。
業務範囲が自社ニーズにマッチしているか
外注先の業務範囲が自社のニーズにマッチしているかを確認することが重要です。外注先の業務範囲が狭い場合、別途依頼先を探す必要が出てくるため、手間とコストがかかってしまいます。また、複数の外注先を管理するために、社内リソースが取られてしまう可能性もあります。
自社のニーズに合った業務範囲を持つ外注先を選定することで、効率的なサイト運営が実現できるでしょう。外注先の業務範囲を確認し、自社の要望にどこまで対応できるかの見極めがポイントです。
繁忙期に対応できるリソースがあるか
ECサイトの運営において、年末年始や大型連休などのキャンペーン時期は、注文数が増加する傾向にあります。繁忙期に対応できるリソースを持つ外注先の選定が重要です。
外注先の人員体制や繁忙期の対応実績を確認し、自社の売上ピーク時に安定したサービスを提供してもらえるかの見極めが求められます。繁忙期の対応力は、外注先の信頼性を測る重要な指標の一つです。
予算範囲内におさえられるか
ECサイトの外注費用は、サイト運営の重要なコスト要因の一つです。コンサルティングや集客など、運営の根幹となる部分は割高になる可能性があります。自社の予算を考慮したコスト管理の視点が重要です。
外注先の料金体系を確認し、自社の予算内で必要なサービスを受けられるかを見極めましょう。コストと品質のバランスを考慮しながら、最適な外注先を選定することが肝要です。
最終的に自走化できるか
ECサイトの外注において、最終的に自社で運営できる体制の構築が重要です。自走化を見据えた外注先選定が、長期的な成功の鍵を握ります。
外注先との契約時に、自社が最終的に自走するというスタンスを伝えておくことが大切です。そのうえで、自社で回す業務と、外注先にカバーしてもらう業務を明確にしておきましょう。外注先との連携を通じて、自社のスキルアップを図ることが、自走化への近道です。
以下4つの選定基準を満たす外注先を見つけることが、ECサイト運営の成功につながります。
- 自社のニーズに合った業務範囲
- 繁忙期対応力
- 予算内でのコスト管理
- 自走化への道筋
外注先選定には十分な時間をかけ、自社の成長を支えてくれるパートナーを見つけましょう。
具体的にどこに依頼すればいいのか迷った場合は、futureshopのパートナー相談までご相談ください。
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ECサイトの運営には、多岐にわたる専門知識とノウハウが求められます。自社だけでは解決が難しい課題に直面した際は、ECサイト構築のプロフェッショナルへの相談がおすすめです。
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まとめ
ECサイトの外注は、自社リソースやスキル不足を補う有効な手段です。外注先選定では、業務範囲、繁忙期対応力、予算内でのコスト管理、自走化への道筋を考慮することが重要です。
また、外注先との連携を通じて、自社のスキルアップを図ることが長期的な成功の鍵を握ります。ECサイト運営で困ったときは、ぜひfutureshopへご相談ください。