ECサイトの利益率を上げる10の方法とは?構成要素や事例まで具体的に紹介
- 2024.07.262024.10.11
ECサイトの利益率が思うように上がらず、運営に苦心されている方は多いのではないでしょうか。利益率を低いままで放置すると、事業の継続が困難になる可能性があります。
そこで本記事では、ECサイトの利益率を向上させる10の具体的な方法や、futureshopを活用して実際に利益率を改善した事例などを紹介します。
自社のECサイト成長を目指す方は、ぜひ最後までご覧ください。
ECサイトの利益率を構成する要素(運営コスト)
ECサイトの利益率は、複数の要素で構成されます。各要素を理解し適切に管理することで、利益率向上のきっかけがつかめるでしょう。
商品原価・仕入れ費用
商品原価や仕入れ費用は、ECサイトの利益率に大きな影響を与える要素です。自社で開発した商品を販売する場合、商品製造のための原価として材料費や人件費、設備費などが含まれます。
一方、仕入れ商品を販売する場合は、仕入れ原価が発生します。仕入れ原価をおさえることで、利益率を向上させられます。たとえば、仕入れ先との交渉や大量発注によるコスト削減などが有効です。
マーケティング費用
マーケティング費用は、ECサイトの集客や販売促進に必要な費用です。主な費用としては、広告費と外注費が挙げられます。それぞれの内容は以下のとおりです。
- 広告費:リスティング広告やSNS広告、アフィリエイト広告などの費用が含まれる
- 外注費:マーケティング戦略の立案やコンテンツ制作を外部に依頼する場合に発生する
システム費用
ECサイトの運営には、さまざまなシステム費用が必要です。主な費用としては、カート利用料やサーバー費用、ドメイン費用などがあります。
システム関連費用を最適化することで、利益率の改善が期待できます。
倉庫保管・出荷費用
倉庫保管・出荷費用は、商品の管理と配送に関わる費用です。商品が入庫する際には、検品や管理用バーコードを貼る作業の費用が発生します。また、返品が発生した場合は、返品処理(検品、再入庫処理)の費用も必要です。
さらに、ノベルティを同梱する際は同梱作業費用や、ダンボールやPP袋などの梱包資材費用も含まれます。ロゴ印字やカラーなどの特注品見直しや物流関連費用を効率化することで、利益率の向上が期待できます。
手数料
手数料は、ECサイトの運営に関わる重要な費用の1つです。具体的な手数料は、利用するサービスによって異なります。
主なパターンは以下の3つです。
- 売上の一定割合で発生するパターン
- トランザクションの件数で発生するパターン
- 固定費用がかかるパターン
たとえば、クレジットカード決済の手数料や、モール型ECサイトの出店手数料などが該当します。適切なサービスを選択することで手数料を最適化し、利益率改善が期待できます。
販促費用
販促費用は顧客の購買意欲を高め、売上を伸ばすための重要な投資です。主な費用としては、ポイント付与やクーポンの発行が挙げられます。
ポイント付与は、顧客の再購入を促進し、ロイヤルティを高める効果があります。一方のクーポンは、新規顧客の獲得や既存顧客の購買頻度を上げるのに有効です。
販促費用は短期的には利益率を下げる要因となりますが、長期的には顧客生涯価値を高め、結果的に利益率の向上につながる可能性があります。
商品登録費用
商品登録費用は、ECサイトで商品を販売するために必要な費用です。商品登録費用には、商品撮影のための機材費、画像加工の費用、商品データ登録の人件費などが含まれます。
高品質な商品画像や詳細な商品説明は、購買決定に大きな影響を与えます。そのため、登録関連費用を適切に管理し、効果的に活用することが重要です。
たとえば、撮影や画像加工のスキルを内製化したり、効率的な商品データ登録システムを導入したりすることで、コストをおさえつつ商品の魅力を最大限に引き出せます。
ECサイトの利益率の計算方法
ECサイトの利益率は主に粗利益率と純利益率の2つに分けられます。粗利益率は売上原価のみを考慮するため、商品やサービスの収益を知るのに適しています。一方の純利益率は、売上原価を含めたすべての費用を考慮するため、企業全体としての収益把握に用いられます。
それぞれの計算式と計算例は以下のとおりです。
指標 |
計算式 |
計算例 |
粗利益率 | 粗利益率 = (売上総利益 ÷ 売上高) × 100 |
|
純利益率 | 純利益率 = (純利益 ÷ 売上高) × 100 |
|
両指標を定期的に計算し、業界平均や過去の実績との比較により、ECサイトの経営状況を客観的に評価できます。また、粗利益率と純利益率の差を分析することで、どの費用項目に改善の余地があるかを特定することも可能です。
ECサイトの利益率の目安
ECサイトの一般的な利益率の目安は20%程度とされています。ただし、この数値は業界や取り扱う商品、ビジネスモデルによって大きく異なります。また、原材料費の価格などでも左右される点にも注意が必要です。
利益率の目安を算出する法則も存在しますが、現実的には競合の状況、商品の特性、顧客層、マーケティング戦略などさまざまな要因が絡み合うため、単純な法則を適用するのは困難です。
自社のECサイトにとって適切な利益率の目安を設定するには、プロのアドバイスを受けるのも1つの有効な選択肢です。専門家のアドバイスを受けることで、業界の動向や最新のトレンド、成功事例などを踏まえた、より現実的で達成可能な目標を設定できます。
futureshopでは、ECサイトの運営についてお悩みの方向けに、Webミーティングを実施しています。具体的な数値や自社の状況に合わせた利益率の目安を知りたい方は、ぜひWebミーティングをご利用ください。
利益率を上げる10の方法
ECサイトの利益率を向上させるには、売上を伸ばしつつコストをおさえる工夫が必要です。ここでは、利益率アップにつながる10の具体的な方法を紹介します。複数の施策を組み合わせることで、より効果的に利益率を改善できます。
なお、利益率を上げる前提として、一定の売上を確保できていなければ次の施策を打っても効果は得られません。売上を上げるための詳細については、以下の記事で解説しているため、ぜひあわせてご覧ください。
ECのプロフェッショナルに相談
利益率向上には商品価格の設定が重要です。価格を上げれば利益率は改善しますが、売上減少のリスクもあります。適切な価格戦略には、在庫管理や需給バランスの見極めなど、高度なスキルが必要です。
まずは安易な値下げを避け、段階的に価格を上げる取り組みが有効ですが、難しい場合はECの専門家への相談がおすすめです。
futureshopでは、EC運営に関する相談を受け付けるWebミーティングの開催や、お役立ち情報をメールマガジンで発信しています。
以下より申し込みできるため、ぜひご検討ください。
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広告費の最適化
不要な広告費を見直し、効果的な広告にリソースを集中させることで、利益率の向上が期待できます。広告の効果測定を定期的に行い、費用対効果の高い広告媒体や手法を選択しましょう。
また、ターゲティングの精度を上げることで、無駄な広告費を削減できます。
自社コンテンツからの情報発信
ブログやSNSを活用した自社コンテンツの発信は、オーガニック検索からの集客を増やし、広告費の削減につながります。
さらに、質の高いコンテンツはブランド力の向上にも寄与します。定期的な更新と、ユーザーにとって価値ある情報提供を心がけましょう。
決済システムの最適化
決済システムの見直しは、ランニングコスト削減の有効な手段です。手数料の低い決済方法の導入や、複数の決済システムを比較検討し、最適なものを選択しましょう。
また、複数のサービスを一括導入することで割引が適用される場合もあるため、総合的に検討することが重要です。
ランニングコストをおさえる方法については、以下の記事でも解説しているため、あわせてご覧ください。
商品パッケージの最適化
梱包材や包装の見直しは、コスト削減と環境負荷軽減の両面で効果があります。過剰包装を避け、必要最小限の梱包で商品を安全に届けられるよう工夫しましょう。
また、パッケージサイズの最適化により、配送コストの削減も期待できます。素材の選定や設計の工夫で、コストをおさえつつ商品の魅力を高められます。
チャットボットの導入
カスタマーサポートにチャットボットを導入することで、人件費をおさえつつ24時間対応が可能になります。よくある質問への自動応答や初期対応の自動化により、スタッフの作業負担を軽減できます。
また、迅速な対応は顧客満足度の向上にもつながり、リピート購入を促進する効果も期待できます。
受発注システムの導入
受発注システムの導入は、情報の一元管理による作業効率の向上と、人為的ミスの削減につながります。在庫管理や発注作業の自動化により、管理コストの大幅な削減が可能です。
また、リアルタイムの在庫情報管理により、適切な在庫水準を維持し、機会損失や過剰在庫を防げます。
仕入れ先の分散
仕入れ先を複数確保することで、より有利な条件での仕入れが可能になり、仕入れコストの削減につながります。
また、特定の仕入れ先に依存するリスクを軽減し、急な需要増加時にも安定した供給を維持できます。ただし、各仕入れ先との良好な関係維持が基本であることを忘れてはいけません。
配送料の価格交渉
売上規模が大きくなるほど、配送コストの負担も増加します。配送業者との価格交渉は、利益率改善の重要な要素です。
一定量の配送を保証する代わりに割引を受けたり、配達エリアや時間指定の緩和によるコスト削減を提案したりすることが有効です。複数の配送業者を比較検討し、最適な条件を引き出すことが大切です。
以下の記事で配送業者を安く利用するコツを解説しているため、ぜひご覧ください。
リピーターの獲得
リピーターの獲得は、マーケティングコスト削減の観点から非常に重要です。新規顧客の獲得に比べ、リピーターに必要なコストは約5分の1と言われています。
自社サイトのUI/UXの改善、メールマガジンや公式LINEを活用した効果的なコミュニケーション、ポイント制度の導入など、顧客との関係性を強化する施策を実施しましょう。顧客満足度を高め、リピート購入を促進することで、長期的な利益率の向上につながります。
futureshopで利益率が向上した事例
futureshopを利用することで、多くの企業がECサイトの利益率向上に成功しています。ここでは、具体的な成功事例を3つ紹介します。
futureshopに戻り売上回復|株式会社ドラフト
株式会社ドラフトは、独自のカスタマイズを求めて一度futureshopを解約しました。しかし、システムエラーによるリニューアルオープン延期の影響やトラブル対応にリソースを割く必要があり、利益が低下したことを契機にfutureshopに再度変更し、売上が回復しました。
この事例は、過度なカスタマイズよりも、安定性と費用対効果のバランスが重要であることを示しています。詳細は以下の記事にまとめているため、ご覧ください。
チャットボット導入で購買率アップ|ozie
ozieは、futureshopと連携したチャットボット機能を導入し、顧客とのコミュニケーションを改善しました。その結果、問い合わせ件数が1.5倍に増加し、特にリピーターからの問い合わせが増えた結果、購買率が34%にまで上昇しました。
この事例は、適切な顧客サポートツールの導入が、顧客満足度向上と購買率アップにつながることを示しています。より詳しい内容は、以下の記事をご参照ください。
カゴ落ちメールでリピート促進|株式会社利他フーズ
株式会社利他フーズは、futureCartRecoveryを活用し、カゴ落ち後の対策としてメール戦略を実践しました。メールの送信タイミングを最適化することで、コンバージョン率の向上に成功しています。
さらに、購入状況に応じたステップメール配信により、ファーストバイヤーからセカンドバイヤーへの転換率も改善しました。
詳細は以下の記事で紹介しているため、ご覧ください。
まとめ
ECサイトの利益率向上は、ビジネスの持続的成長に不可欠です。利益率の計算方法を理解し、適切な目標設定を行うことが重要です。利益率を上げるには、以下に挙げられる多角的なアプローチが必要です。
- 商品価格の最適化
- 広告費の見直し
- 自社コンテンツの充実
- 決済システムの最適化など
futureshopを活用した成功事例からは、適切なツール選択と効果的な機能活用が重要であることがわかります。チャットボットの導入やカゴ落ちメール施策など、顧客とのコミュニケーション改善が利益率向上につながっています。
まずは、自社のECサイトの現状を分析し、改善可能な領域を特定することから始めましょう。始め方に悩んだ場合は、以下よりfutureshopまでご相談ください。