【検討者必見】ECサイトを無料で始める方法を徹底解説!気をつけたい注意点も紹介します

EC事業を検討されている方のなかには、無料でECサイトを構築する方法がないか気になっている方もいるのではないでしょうか。

ECサイトの作成だけなら無料で始められます。しかし、商品の販売から発送までの一連の運用をするためには、決済手数料や広告費などのコストが発生します。

そこで今回は「EC事業を無料で始める方法」と「EC事業を無料で始めることに向いている方の特徴」を中心に解説します。EC事業を無料で始める方法が自分にあっているかどうかを判断できる内容のため、ぜひご覧ください。

EC事業を無料で始める方法

EC事業を始める方法は以下の2種類あります。

  • ECモールを利用する(出店)
  • ECサイトを立ち上げる(構築)

しかし、いずれの方法も、商品が売れた際の決済手数料や広告費などのコストが発生するため、完全に無料でEC事業を運営することは困難です。ただし、初期費用や月額の固定費は不要で利用できるサービスもあり、売上の規模によってはコストを抑えられる可能性があります。

なお、ECサイトの構築から運用までに必要な費用について、以下の記事で詳しく解説しています。費用を抑える方法も紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。

【検討者必見】ECサイトに必要な費用を構築・運用の17項目で紹介!

2024-04-26

ECモールを利用する(出店)

EC事業を始める方法として、もっとも手軽なのがECモールへの出店です。ECモールとは、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングなど、多くのショップが集まっているインターネット上のショッピングモールを指します。これらのプラットフォームに自身のショップを出店することで、EC事業を始められます。

ECモールは、すでに多くのユーザーに利用されているため、集客しやすい点がメリットです。また、決済システムや顧客管理システムなど、ECサイト運営に必要な機能が備わっているため、専門知識がなくても比較的簡単にEC事業をスタートできます。

なかでも「Yahoo!ショッピング」と「メルカリShops」は、初期費用・月額費用無料で利用可能です。いずれも商品が売れた場合は以下の手数料が発生します。

Yahoo!ショッピング

メルカリShops

  • ストアポイント原資1%〜
  • キャンペーン原資1.5%〜
  • アフィリエイトパートナー報酬1%〜
  • アフィリエイト手数料の30%

※ストア決済サービスを利用した場合は、各決済手数料も発生

売れた商品価格の10%

上記のECモールは、初期費用を抑えてEC事業を始めたい方にとって、有力な選択肢となるでしょう。

ECモールに関する詳しい内容は、以下の記事で解説しています。ECモールに出店するメリット・デメリットも紹介しているため、あわせてご覧ください。

ECモールとは?ECサイトとの違い、各サービス比較などを解説

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ECサイトを立ち上げる(構築)

初期費用を抑えて自社ECサイトを立ち上げる場合には、以下のような方法があります。

  • ECサイト作成サービスを利用する|ASP
  • ソースコードを利用する|オープンソース
  • プラグインを利用する|WordPress

以下の記事では、ASPやオープンソースなどのECプラットフォームの特徴を紹介しています。構築先選びのポイントも解説しているため、ぜひあわせてご覧ください。

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ECサイト作成サービスを利用する|ASP

ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)は、ECサイトに必要な「カート機能」や「商品管理機能」などの機能があらかじめ搭載されているサービスで、ECサイトの構築方法のなかではもっとも始めやすい方法です。

ASPによって料金プランは様々あり、プランによって利用できる機能も異なります。初期費用無料で利用できるサービスは「BASE」や「STORES」などが挙げられます。

ASPのメリットは、サーバー・システムの保守・運用やセキュリティ対策などをベンダーに対応してもらえる点です。また、常に最新の機能やソフトウェアを利用できるのも魅力です。

一方、複数のユーザーが利用することを前提に開発されているため、カスタマイズの自由度が低いという側面もあります。ベンダーの都合でシステムの仕様が変更されたり、サービスが終了したりする可能性がある点も認識しておく必要があります。

ソースコードを利用する|オープンソース

オープンソースとは、ソフトウェアを構成するソースコードが無償で公開されているもので、サーバーやドメインなどにインストールしてECサイトを構築する方法です。ECサイト用のオープンソースには、「EC-CUBE」や「Magento」などがあります。

自由度が高いため「独自の機能を追加する」「第三者が開発したプラグインを活用する」といった方法で、自社の要件に応じてカスタマイズできるのが特徴です。また、インフラ環境も自由に設計できるため、アクセス集中に耐えられるサーバーや適切な監視体制を構築できます。

一方で、セキュリティ対策は自社で担う必要があります。コードが公開されているためハッカーの目に触れやすく、ハッキングや情報漏えいなどの被害を防ぐために「脆弱性が見つかるたびに対策する」といった対応が必要です。

プラグインを利用する|WordPress

WordPressはWebサイトを構築できるCMSですが、ECサイト向けのプラグインを利用することで、ECサイトを構築できます。WordPressの操作に慣れている方に向いており「Welcart」や「WP-OliveCart」などのプラグインが利用できます。

専門的なプログラミング知識がなくても、比較的簡単に更新・管理ができる点がメリットです。SEOプラグインも豊富なため、SEOによる集客も狙いやすい点も魅力です。また、既存のWordPressサイトを活かしてECサイトを開設することもできます。

ただし、セキュリティリスクや機能の制約がある点には注意が必要です。ユーザー数が多く、インターネット上に公開されている情報も多いことから、世界中のハッカーから狙われやすい面もあります。また、プラグインの相性によっては不具合が生じたり、細かい修正やカスタマイズにはHTMLをはじめとする専門知識が必要になったりするケースもあります。

EC事業を無料で始めることに向いている方

EC事業を無料で始めることに向いている方の特徴は、以下の3つです。

  • 市場規模が小さい
  • とにかく手軽に始めたい
  • ECサイトの構築・保守を自分でできる

市場規模が小さい

自社商品やサービスのターゲット層が限定的で、市場規模が小さい場合は無料のECプラットフォームが適しています。市場が小規模な場合、自社ECサイトの構築にコストをかけても投資回収が長期化してしまうためです。

初期費用を抑えることで、市場規模が小さくても収益を確保しやすくなります。また、広告費などのマーケティングコストも少なくて済むため、リスクを最小限に抑えながら事業を運営し、顧客の反応に応じて事業拡大を検討することも可能です。

ただし、市場規模が小さいからこそ、商品の差別化や付加価値の提供が重要になります。競合他社との差別化を図り、ターゲット層のニーズに合致した商品を提供する工夫が求められます。

とにかく手軽に始めたい

とにかく手軽にEC事業を始めたい方にも最適です。たとえば楽天やAmazonは、多くのユーザーを抱えているため、あまり手間をかけずに集客できます。商品を納品するだけで受注から発送、返品対応まで代行してもらえるサービスや、年中無休で店舗運営をサポートするサービスなども充実しているため、初心者でも手軽に始めることが可能です。

また、BASEやSTORESなどでテンプレートを活用して単品通販を始める場合、1日~2日程度で構築できます。複雑な手続きや長い準備期間が不要なため、スピーディーにEC事業を始められます。

ECサイトの構築・保守を自分でできる

コストを抑えてECサイトを構築できるオープンソースのプログラムには、ECサイトを運営するための機能が搭載されています。ただし、そのままではオリジナリティに欠けるため、デザインや機能面のカスタマイズが必要不可欠です。

デザインを変更するにはHTMLやCSS、JavaScriptなどの言語、プログラムをカスタマイズするにはPHPなどサーバーサーサイドの知識・スキルが求められます。これらに精通した方であれば、オープンソースでのサイト構築が可能です。

また、セキュリティ対策や不具合の修正も自身でおこなう必要があるため、サーバー保守の知識も欠かせません。ECサイトの構築から保守までを一貫して自分で対応できる方であれば、オープンソースでコストを抑えてECサイトを構築できます。

失敗しないECサイトの構築手順

ECサイトを失敗せずに構築するには、以下のステップで進めましょう。

  1. 競合サイトの調査
  2. 基本戦略の整理
  3. 顧客視点で時系列を整理(カスタマージャーニー)
  4. 事業計画の作成
  5. システムの選定
  6. サイトの構築
  7. 決済方法の設定

より詳しい構築手順は、以下の記事で解説しています。ECサイト構築の制作会社・支援企業の選び方も紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。

ECサイトの構築ガイド|費用、手順、サービスをわかりやすく解説

2022-07-12

無料で作る場合の注意点

無料でECサイトを作れるのは手軽で魅力的である一方で、注意点もあります。無料プランを選ぶ際は、以下の2点に気をつけましょう。

  • 決済手数料が割高になる場合がある
  • 使える機能が限定される

決済手数料が割高になる場合がある

売上が伸びると決済手数料も増えるため、結果的に有料サービスよりも割高になる可能性があります。

たとえば、平均注文単価が5000円、月商が100万円(受注件数200件)のケースで、無料ASPカートと有料ASPカートの決済手数料を比較してみましょう。

無料ASPカート

有料ASPカート

決済手数料率:3.6%

トランザクションフィー:1件40円

サービス利用料:3%

決済手数料率:3.2%

トランザクションフィー:1件3円

1か月の決済手数料:74,000円 1か月の決済手数料:32,600円

無料ASPカートの決済手数料率が3.6%、トランザクションフィーが1件40円の場合、月額の決済手数料は74,000円です。一方、有料ASPカートの決済手数料率が3.2%、トランザクションフィーが1件3円の場合、月額の決済手数料は32,600円に抑えられます。

このケースでは、無料ASPの決済手数料の方が約40,000円高くなっています。このように、売上規模によっては無料プランの方が割高になってしまうケースもあるため、初期費用や月額費用の有無だけでなく、決済手数料も含めた総額でサービスを比較しましょう。

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使える機能が限定される

サービス自体は無料で利用できても、使用できる機能が制限されているケースもあります。「使いたいオプション機能を追加したら、月額費用が高額になっていた」「そもそも使いたい機能が提供されていなかった」といったトラブルを避けるためには、必要な機能が標準搭載されているかを確認したうえで、サービスを選ぶことが重要です。

無料プランだからといって安易に選ばず「理想とするECサイト」が実現できる機能があるサービスを選びましょう。

ECサイトに関する相談はfutureshopまで

futureshopでは、ECサイトに関するさまざまな相談を無料で受け付けています。ECサイトの構築・運営にあたって、具体的なイメージの参考になる導入企業インタビューを掲載しており、アパレルECや食品EC、化粧品EC事業者様などの事例を紹介しています。

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まとめ

EC事業を無料で始める方法がある一方で「決済手数料が割高になる場合がある」「使える機能が限定される」といった注意点もあります。そのため、決済手数料を含めたサービス利用料の総額や運営したいECサイトに必要な機能などを洗い出したうえで、EC事業の始め方を選択する必要があります。

本記事で紹介した、EC事業を無料で始めることに向いている方の特徴や注意点を参考に、EC事業の立ち上げから運営まで後悔しない方法を選びましょう。