ECで売れるInstagram活用法!集客施策やインフルエンサーマーケティングを徹底解説【セミナーレポート】
- 2021.04.142024.02.14
自社ECサイトの集客や購買促進において、欠かせないツールとなったSNS。中でもInstagramは、ショッピング機能などECの集客に役立つ機能が備わっていることもあり、アカウントの運用に注力する店舗さまが増えています。
ただ、「どんな投稿をすれば良いか悩んでいる」「フォロワーが増えても、ECの売上につながらない」「リソース不足でアカウントの運用が止まってしまった」といった課題を持つ店舗さまも少なくないようです。
そこで株式会社フューチャーショップは、InstagramのECへの活用法を解説するオンラインセミナー「2022年インスタ総まとめ 売れるInstagram活用」を2022年12月に開催しました。
講師を務めてくださったのは、企業とインフルエンサーのマッチングプラットフォーム「toridori marketing(トリドリマーケティング)」などを運営している、株式会社トリドリの山川大介さんと皆川ほのかさん。「いいね」がもらえる投稿のコツや、InstagramからECサイトにユーザーを誘導する導線設計のポイントまで、成功事例を交えて具体的に解説してくださいました。
300人以上にお申し込みをいただき、非常に注目度が高かった今回のセミナー。そこで語られた「EC担当者さまがすぐに使えるInstagram活用のノウハウ」を紹介します。
【講師プロフィール】
株式会社トリドリ
プラットフォーム事業部
プランニングチームリーダー
山川 大介 (やまかわだいすけ) 氏
これまで編集者・ライターとして全国の飲食店やEC商材などを取材、執筆。来訪した飲食店は5000店舗を超える。その後、インフルエンサーマーケティング事業を手がける株式会社トリドリにジョイン。現在は、4万人のインフルエンサーが登録、通算28万件以上のマッチングを実現するインフルエンサーマーケティングプラットフォーム「トリドリマーケティング」のマーケティング業務に従事。自社マーケティングの責任者として広告運用、CM制作、業務提携、展示会などのプランニングを担当しサービスのさらなる拡大に務めている。
目次
株式会社トリドリとは?
株式会社トリドリは、「『個の時代』の、担い手に。」というミッションのもと、インフルエンサーマーケティングを手がける企業や、インフルエンサーとして活動する個人を支援している会社です。企業が商品やサービスのPRをインフルエンサーに依頼できるプラットフォーム「toridori marketing」や、インフルエンサーがPR案件を管理する「toridori base」などを展開。そのサービスの成長性は株式市場でも評価され、2022年12月に東証グロース市場に上場しました。
なお、ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」は「toridori marketing」と連携しています。「futureshop」をご利用中の店舗様は「toridori marketing」を特別料金でご利用いただけますので、興味のある方はサービス紹介ページをご覧ください。
InstagramとECの相性が良い理由
セミナーの冒頭、山川さんは、EC事業者さまがInstagramを運用した方が良い理由として、「SNSがきっかけで、商品を認知する人が増えている」ことを挙げました。特にZ世代は、「ブランドや商品を知るきっかけとして、InstagramやTwitterといったSNSの影響力が強い」と指摘しました。
若い世代を中心に、SNSで商品を知り、身近な人の口コミを参考にして商品の比較検討を行う消費者が増えています(山川さん)
続いて山川さんは、「情報を検索するツールとして、SNSを使う消費者が増えている」ことにも言及しました。その一例として、20代女性が情報を検索する際、Instagramを使う人の割合がYahoo!検索よりも多いことを示すデータを挙げ、「Instagramは、情報を検索するツールとしても使われている」と指摘。自社のブランドや商品に関するコンテンツをInstagram上で増やすことは、「検索対策という意味でも、重要な意味を持つ」と強調しました。
InstagramからECサイトに誘導できる
InstagramがECの集客に向いている理由として、山川さんは「商品の認知から購入まで、ユーザーをシームレスに誘導できる」ことも挙げました。
例えば、インフルエンサーマーケティングでユーザーに商品を知ってもらい、自社アカウントのストーリーズ(投稿後24時間で消えるコンテンツ)でタイムセールを告知してユーザーの購入意欲を高める。そして、ショッピング機能(Instagramの投稿コンテンツからECサイトへリンクを貼る機能)によってECサイトのカートページにユーザーをシームレスに誘導し、購入へとつなげることが可能だと説明しました。
商品の認知から比較検討、購入までシームレスにユーザーを誘導できることが、InstagramとECの相性が良い最大の理由です(山川さん)
Instagramで「フリーワード検索」が可能に
山川さんはInstagramのトレンドを解説する中で、フリーワード検索が可能になったことの影響も解説しました。従来から可能だったハッシュタグ検索(「#」の後に単語を付けて検索する方法)に加え、二語以上のフリーワード検索も行えるようになったことで「GoogleやYahoo!の検索エンジンのような感覚で、Instagramでも検索を行えるようになった」(山川さん)と指摘。「情報検索のツールとしてInstagramを活用するユーザーが、これまで以上に増える可能性がある」と予想しました。
Instagram内での検索対策が、一層重要になるでしょう(山川さん)
検索対策の方法について山川さんは、「フリーワード検索のロジックをMeta社が開示しているわけではないので、あくまでも推測」と断りを入れた上で、次のように説明しました。
投稿コンテンツの本文やハッシュタグに含まれるキーワードのほか、タグ付けされた位置情報などが検索結果に影響すると思われます(山川さん)
Instagramの導線設計 優先順位が高い4つの対策
Instagramのユーザーが、どのような経路でECサイトに流入するのかを理解し、導線設計を行ってください(山川さん)
山川さんはこう強調し、InstagramからECサイトへユーザーを誘導する導線設計のポイントについて、優先順位が高い4つの対策を解説してくださいました。
- 検索結果の上位に、自社商品に関する投稿を表示させる
- タグ付けされた投稿を増やし、自社アカウントにユーザーを誘導する
- 自社アカウントのプロフィールを充実させ、ユーザーを離脱させない
- 自社ブランドに関するハッシュタグを増やす
①検索結果の上位に、自社商品に関する投稿を表示させる
1つ目の対策は、ハッシュタグ検索やフリーワード検索の検索結果の上位に、自社のブランドや商品に関するコンテンツを表示させること。山川さんは「人気のコンテンツほど、検索結果の上位に表示されやすくなると考えられる」と説明。公式アカウントによる投稿や、インフルエンサーマーケティングなどを通じて、自社商品に関する人気コンテンツをInstagram上で増やすことが重要だと説明しました。
ハッシュタグ選びのポイント
自社アカウントで投稿したコンテンツにハッシュタグを付ける場合、「Instagram上に投稿されているハッシュタグの件数を調べておくことも重要」(山川さん)であると指摘しました。
投稿数が多いハッシュタグ・・・そのハッシュタグで検索する人が多いと考えられるため、多くの人に閲覧される可能性がある
投稿数が少ないハッシュタグ・・・ライバルとなる投稿が少ないため、ハッシュタグ検索の検索結果の上位に表示されやすい
より多くの人に見られたいのであれば、投稿数が多いハッシュタグを使うと良いでしょう。一方、検索結果の上位に表示したいのであれば、ライバルが少ない(投稿数が少ない)ハッシュタグの方が良いと思います(山川さん)
また、同じ読み方のハッシュタグでも、英語とカタカナなど表記方法によって投稿数が大きく異なる場合もあります。具体例として、「六本木バー」の投稿数が約2万件であるのに対して、「六本木bar」は約5000件であることも紹介。皆川さんは「読み方が同じでも、カタカナと英語のハッシュタグでは、投稿された写真の雰囲気が異なることもある」と指摘し、ハッシュタグ検索の結果に表示されるコンテンツを調べてから、ハッシュタグを選択することも重要」と強調しました。
ハッシュタグ検索の結果に自社の商品写真が並ぶことを想定し、自社商品がライバルに埋もれないハッシュタグを選ぶことも重要です(皆川さん)
②タグ付けされた投稿から、自社アカウントにユーザーを誘導する
2つ目の対策は、自社アカウントがタグ付けされたコンテンツをInstagram上で増やすこと。タグ付けとは、投稿したコンテンツに、他のアカウントを紐づける(リンクを付ける)ことを意味します。
自社アカウントがタグ付けされた投稿がInstagram上にたくさん存在すれば、自社アカウントへの導線が増え、結果として自社アカウントへの流入数の増加が見込めます。
また、ユーザーがアカウントをタグ付けする際は、そのアカウントが扱っている商品について言及していることも少なくありません。つまり、自社アカウントがタグ付けされたということは、「商品やブランドに関する口コミが、Instagram上に投稿されたと考えることもできる」とそのメリットを強調しました。
自社アカウントがタグ付けされたコンテンツがInstagram上にたくさん存在するということは、商品やブランドに関する口コミがたくさん投稿されているということです(山川さん)
インフルエンサーを活用してタグ付け投稿を増やす
自社アカウントがタグ付けされたコンテンツを増やすには、どのような施策を打てば良いのでしょうか。山川さんは「一般ユーザーが自発的にタグ付けしてくれるのが理想だが、それを企業がコントロールするのは非常に難しい」と指摘。次善の策として「インフルエンサーに依頼することも効果的」(同)と説明しました。
インフルエンサーに依頼するメリットとして、「インフルエンサーはInstagramユーザーに好まれる写真の撮り方や、見つけてもらいやすいハッシュタグの付け方などを、一般ユーザーよりも熟知している」と説明。また、「商品の長所を見つけることが得意な人も多いので、商品の新しい訴求方法を見つけてくれる可能性もある」と強調しました。
消費者に近い立場にいるインフルエンサーが、消費者目線で商品を紹介することで、一般ユーザーが「この商品はいいな」と感じるきっかけを作ることができます(山川さん)
③自社アカウントを充実させ、ユーザーを離脱させない
3つ目の対策は、自社アカウントの内容を充実させること。例えば、プロフィールは「そのアカウントが、どのようなアカウントなのか一目でわかるようにする」(山川さん)ことが重要です。プロフィール以外にも、フィード投稿やハイライト、ストーリーズなどアカウントを構成する要素を対策する必要があると指摘しました。
アカウントはInstagramにおけるランディングページの役割を果たします。アカウントの作り込みが不十分だと、せっかくアカウントに流入したユーザーが離脱してしまい、ECサイトに誘導することができません(山川さん)
4つのアカウント対策
自社アカウントにおいて特に優先順位が高い対策箇所として「自己紹介文」「ハイライト」「フィード投稿」「ストーリーズ」の4つを挙げました。
自己紹介文・・・どのようなアカウントなのか一目でわかるようにする。自己紹介文はコンパクトにまとめ、文末に「続きを読む」という文字が表示されないのが理想
ハイライト・・・ストーリーズの投稿をまとめて表示させる機能。情報ごとにストーリーズをまとめておく。よくある質問への回答をハイライトに表示すれば、Q&Aとして活用することも可能。公式アカウントをタグ付けしてくれたユーザーにお礼のストーリーズを投稿し、そのストーリーズをハイライトにまとめておくのも効果的。
フィード投稿・・・できるだけたくさんコンテンツを投稿し、アカウントに入ってきたユーザーの興味を逸らさないようにする。コンテンツの世界観を統一し、取扱商材が一目でわかるようにすることも重要。
ストーリーズ・・・投稿後24時間で消える特徴を活かし、期間限定セールの告知や、デイリーの最新情報などを配信するなど、フォロワーがこまめにチェックしたくなるコンテンツを配信することでファン化を促進できる。
④自社ブランドに関連するハッシュタグを増やす
4つ目の対策は、自社のブランドや商品に関するハッシュタグ付きの投稿をInstagram上で増やすこと。ハッシュタグ検索を行ったユーザーが、自社のブランドや商品に関連するコンテンツを見つけやすくするのが目的です。
具体的な対策方法としては、自社アカウントで投稿したコンテンツにハッシュタグを付けること。また、自社アカウントのプロフィール欄に、ユーザーに投稿してもらいたいハッシュタグを記載しておくことも効果的です。また、インフルエンサーにハッシュタグ付きの投稿を依頼すれば、企業が意図したハッシュタグをInstagram上に増やすことができます。
「いいね」がもらえる投稿のコツをインフルエンサーが解説
セミナー内では、Instagramで「いいね」がたくさん付く投稿のコツについて、現役インフルエンサーの方が自身の取り組みを例に上げながら解説してくださいました。撮影方法やストーリーズ投稿のポイント、プロフィールの作り方など、グルメジャンルのインフルエンサーである「東京メトログルメ」さんが実践しているアカウント運用のノウハウの一部を紹介します。
撮影方法
- 明るいところで撮影する
- 商品の魅力が伝わる角度で撮影する(例:高さがある商品は、スマホを逆さまにして下から角度をつけて撮影する)
- 食べ物であれば温かみが出るようにする(例:シズル感がある写真、湯気が立ち登る写真など)
投稿コンテンツの作り方
- 投稿するコンテンツの世界観に統一感を持たせる
- お店の名前や最寄り駅など、ユーザーが知りたい情報が一目でわかるようにする
- 文章を書く際は、情報をコンパクトにまとめる
- お店をタグ付けするなど、ユーザー目線で有益な情報を盛り込む
- 「オススメ商品○選」など、ジャンル別に投稿をまとめてもよい
プロフィールの作り方
- どのようなアカウントなのか、一目でわかるキャッチフレーズを付ける
- 店舗やECサイトのリンクを貼るのも効果的
ストーリーズとリール(ショート動画)の活用法
- 動画は最初の2秒でユーザーを惹きつける
- 流行りの曲を使う
- 食品であれば湯気が出ている様子など、商品の魅力を伝える
- 調理工程や、食べている様子を紹介するのも良い
- 通販の商材であれば、開封動画や実際に使っている様子がわかる動画も効果的
- ストーリーズはできるだけ毎日投稿する
- 商品の宣伝だけでなく、フランクな投稿も挟んでフォロワーとコミュニケーションを取る
運用フェーズごとの対策一覧
Instagramのアカウント運用における対策は、運用フェーズによって、実施すべき施策が異なります。山川さんは「自社がどのフェーズにあり、どのような対策を実施すべきかを理解することが重要」と指摘し、運用フェーズを5段階に分けて、それぞれのフェーズに必要な施策を解説してくださいました。
山川さんは、対策すべき項目のチェックリストを作成し、セミナーのアンケートに回答した方に対して無料で配布してくださいました。こういった特典があることも、セミナーに参加する価値の1つだと感じる一幕でした。
インフルエンサーマーケティングの成功事例
今回のセミナーでは、株式会社トリドリがインフルエンサーマーケティングを支援し、自社ECサイトの売上拡大につながった企業の成功事例も解説してくださいました。
柿の葉寿司の通販を手がけている「ゐざさ中谷本舗」さまは、ECでの販売拡大や若年層への浸透を図るため、株式会社トリドリにSNSマーケティングのサポートを依頼。インフルエンサーに商品を紹介してもらい、Instagramならではのビジュアル訴求を行いながら、Instagramから自社ECサイトへの導線を設計した結果、以下のような成果が出たそうです。
- Instagramアカウントへの流入数 187%
- Instagramから自社ECサイトへの流入数 135%
- 月間売上高 前年比130%
インフルエンサーを活用し、質の高いコンテンツを量産できたことが、売上拡大につながりました(山川さん)
Q&A
セミナーの最後には、参加者からコメントで寄せられた質問に山川さんと皆川さんが回答するQ&Aを実施しました。その一部を紹介します。
【Q1】インフルエンサーに投稿を依頼した場合のリーチ数の目安を教えてください。
【A1】リーチ数は、フォロワー数の10%前後が目安です。ただし、フォロワー数が多いほど、そのパーセンテージは下がる傾向にあります。逆にフォロワー数が数千人のインフルエンサーは相対的にエンゲージメント率が高く、10〜20%になることもあります。
【Q2】マイクロインフルエンサー50人に依頼するのと、メガインフルエンサー1人+ミドルインフルエンサー20人に依頼するのでは、予算が同じだった場合にどちらが有効でしょうか。
【A2】同じ金額で依頼できるのであれば、メガインフルエンサー1人+ミドルインフルエンサー20人の方が良いと思います。ただ、現実的には、マイクロインフルエンサー50人に依頼する場合と比べて、金額は数倍〜10倍程度になると思います。まずはマイクロインフルエンサーに依頼し、効果を見ながら、徐々にミドルインフルエンサーやメガインフルエンサーへの依頼を増やしていくも良いのではないでしょうか。
【Q3】リールで既定の音楽を使う場合、著作権はクリアされているのでしょうか。
【A3】Instagram内で利用する場合には問題ありません。ただし、自社ECサイトに転載するなどコンテンツを二次利用する場合、規約違反に当たることもあるので注意してください。
【Q4】フィード投稿は、1つの投稿につき画像が複数あった方が良いでしょうか。
【A4】投稿内容によりますが、一般論としては画像が複数ある方が良いでしょう。
【Q5】投稿写真には、文字を入れた方が良いでしょうか。また、人物が写っている写真と、商品のみの写真では、どちらが見られやすいでしょうか。
【A5】文字が入っていたり、人物が写っていたりする投稿の方のエンゲージメントが高くなる傾向があります。世界観を損なわない範囲で、文字や人物を入れてみてください。
まとめ
今回のセミナーはInstagram活用の基礎知識から具体的な施策まで、自社ECサイトの集客や販売促進に役立つノウハウを幅広く学ぶことができました。現役インフルエンサーによる投稿のコツの解説など、すぐに実践出来る内容もたくさんありましたので、ぜひ今後のアカウント運用に活かしてください。
また、E-commerce MagazineではInstagramのECサイトへの活用法や、ショッビング機能の詳細についてFacebookJapanさまに解説していただいた寄稿コラムも公開しています。Instagramが実現する「発見型コマース」といった興味深いテーマにも言及していますので、ぜひこちらもご一読ください。
自社ECサイトの売上拡大に役立つセミナー開催中
株式会社フューチャーショップは、今回のようなSNS関連のセミナーに限らず、自社ECサイトの集客や販売促進に役立つセミナーを随時開催しています。最新のセミナー情報は「EC運営お役立ちセミナー一覧」のページに掲載していますので、ぜひこちらもご確認ください。