EC配送とは?小規模事業者も押さえるべき配送の知識を解説

EC配送とは、顧客が注文した商品が届くまでの一連の流れのことです。

配送において、ミスや遅延が起こると顧客からの信頼失墜につながってしまいます。そのため、EC配送では、スムーズにミスなく配送できるかが重要になってきます。

本記事では、EC配送の流れや配送業者を選ぶポイントを紹介します。ECサイトを運営している方は、ぜひ最後までご覧ください。

EC配送とは?

EC配送とは、顧客が注文した商品が倉庫から自宅に届くまでの一連の流れを指します。運営者が商品を入荷し、出荷や配達までのプロセスを総じてEC配送やEC物流と呼びます。

最近では、送料無料や即日配送サービスなどの需要も高まっており、柔軟な配送が求められています。

EC配送の手段

EC配送の手段は、主に宅配便・メール便の2つです。最近では、一部地域で実験的にドローン配送も行われています。配送手段を選択する際は、それぞれの特徴やメリット、デメリットを踏まえ、自社に合った手段を選ぶことが大切です。

ここからは、3つのEC配送手段について詳しく解説していきます。

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宅配便

宅配便は、対面受取で荷物の引き渡しを行う配送方法です。主にヤマト運輸・佐川急便・日本郵便(ゆうパック)などの業者が対応しています。メリットとしては、追跡サービスが可能であったり、受取日や時間が指定できたりする部分です。

さらに中型〜大型の商品や高価な商品も送りやすい傾向にあり、冷蔵や冷凍にも対応しています。

futureshopでは、冷蔵便・冷凍便・常温便の三温度帯に対応しています。温度帯の異なる商品の同時注文が可能であり、注文時に温度帯別に同梱扱いでの送料を計算できるのが特徴です。送料が2口分に変更されたり、冷蔵品が凍ってしまったりする心配がありません。

メール便

メール便は、ポスト投函で荷物の引き渡しを行う配送方法です。主に日本郵便(ゆうメール)・ヤマト運輸(ネコポス)などの業者が対応しています。

不在時でも荷物を受け取れる、配送料が安いなど、宅配便と変わらない日数で届くにもかかわらず、コストを削れる点が特徴です。書籍や衣類、小型の雑貨などポスト投函が可能な商品の配送に適しています。

futureshopでは、複数個数の注文であっても同梱計算が可能です。同梱上限数は商品ごとに設定できます。同梱上限数を超えた場合は、宅配便で配送できます。

ドローン配

ドローン配送とは、ドローンを利用し、空から配達する配送方法です。現在は、一部地域で実装されており、あくまでも実験段階ではありますが、遠隔地や災害時にも目的地へ荷物を配送できる可能性が期待されています。

将来的な普及が期待されています。軽量で緊急性の高い商品の配送に適しています。

EC配送の流れ

EC配送の流れは、主に下記の通りです。

  1. 入荷・検品
  2. 保管(棚入れ)
  3. 管理(棚卸し)
  4. 梱包
  5. 配送

それぞれの流れについて詳しく見ていきましょう。

1:入荷・検品

まずは、ECサイトで販売する商品を入荷するところから始まります。入荷後は、届いた商品を確認し、品番や数量に相違がないかを確認します。

入荷したタイミングで数量に差異があると、在庫データベースと実際の在庫が合わなくなり、後に支障が生じるため、確認は怠らないようにしましょう。

2:保管(棚入れ)

検品が完了した商品を棚やラックに収納する作業を、保管(棚入れ)と呼びます。特にBtoC向けのECサイトでは、少量で多商品を入荷するため、どれだけ効率的に棚入れできるかが重要なポイントです。

棚入れを雑にしてしまうと、出荷する際に商品が見つからないなど、余計な手間がかかる可能性があります。

トラブルを回避し、スムーズに出荷するためには、商品と棚の位置に決まりを設けることが大切です。

3:管理(棚卸し)

管理(棚卸し)とは、商品が何点あるかなどの確認をする作業です。普段の在庫管理が適切になされていれば、棚卸し作業はスムーズに行えます。

棚卸しには、売り上げ総利益を計算し、ECサイトの財務状況を確認する作業も含まれています。売り上げ総利益とは、一般的に売上から商品の原価を引いた金額のことです。ECにおいて、販売分の在庫は売上原価に含まれますが、現在庫は売上原価に含まれません。そのため、売上原価は「期首在庫 + 当期仕入高 – 期末在庫」になります。

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EC倉庫とは?

EC運営をする中で、宅配の過程における在庫管理方法として、EC倉庫があります。EC倉庫とは、ECに特化した倉庫のことを指します。

商品の保管から流通加工、出庫までを行う場所です。商品を在庫として一時的に保管し、注文が入ると迅速にピッキングや梱包作業を行って出荷します。

EC倉庫の運営方法には、自社で倉庫を管理する方法と、物流専門業者に委託する方法があります。自社運営は、商品管理や配送スケジュールを自由にコントロールできますが、設備や人件費がかかるためコストが高くなるのが難点です。

一方で専門業者に委託することで、専門的なシステムを活用し、大規模な注文にも対応可能になります。さらに配送スピードや品質も向上します。

ECサイトの規模や運営方針に合わせ、自社に合った方法を選びましょう。

4:梱包

梱包作業は、顧客の満足度を大きく左右する部分です。

一般的に包装は、個装・内装・外装の3つがあります。包装が不十分だと、商品が破損してしまい、クレームにつながる可能性もありますので注意しましょう。

5:配送

梱包が完了した商品は、注文者ごとに配送先を登録し、配送業者に引き渡します。

お届け先の名前・住所・連絡先などにミスがないかをしっかりと確認しましょう。

EC配送の方法

ECサイトの配送において、すべてを自社で行う方法と外部に委託する方法の2種類があります。それぞれメリットやデメリットが異なるため、自社に合った方法を選びましょう。2つの方法について詳しく解説していきます。

自社で行う

自社で配送を行う場合は、自社倉庫やスタッフを用意し、梱包や配送までをすべて自社で行います。配送プロセスを自社で管理できるため、迅速な対応やカスタマイズ配送にも対応できるのがメリットです。

ただし、人件費や設備の維持費などがかかるため、運用コストが高くなる傾向にあります。少人数でECサイトを運営している場合は、コア業務に専念できなくなったり、作業数の多さからヒューマンエラーが発生しやすくなる点には注意が必要です。

外部に委託する

配送を外部に委託する場合は、専門の物流会社や宅配業者に配送を依頼します。配送にかかる労力やコストを削減できるうえに、大量発送にも対応できます。売り上げ規模が大きくなっても、柔軟に対応できるのがメリットです。

しかし、配送業者のサービスによっては、顧客の満足度が低下したり、自社でコントロールできる範囲が狭まったりする点がデメリットといえます。

EC配送業者を選ぶポイント

EC配送業者を選ぶ際は、予算やニーズに合わせて選ぶ必要があります。他にも下記のポイントを踏まえて選ぶのがおすすめです。

  • 料金
  • スピード
  • 安全性
  • 利便性

それぞれについて見ていきましょう。

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料金

配送業者を選ぶにあたって大切なのが、料金です。商品価格が安かったとしても、送料などの配送コストが高いと、顧客の購買意欲が低下する可能性があります。

また送料無料サービスを提供している場合は、送料が自社の負担になるケースも少なくありません。複数の配送業者の料金を比較し、コストを抑えて配送できる業者を選びましょう。

スピード

近年のECサイトでは、スピーディーな配送が求められています。スピードを重視している顧客向けに、当日配送や翌日配送などに対応している業者を選ぶと、満足度の向上が期待できます。

しかし、近年はスピード配送への反動として、エシカルな視点から「ゆっくり配送」というサービスも注目を集めています。「ゆっくり配送」とは、消費者があえて配送を急がない選択をすることで、配送業者の負担を軽減し、持続可能な働き方に貢献できるといった内容です。配送を急がない代わりにポイント還元を受けられるなど、実利的なメリットも享受できるといったもので、徐々に導入する企業が増えてきています。

配送スピードについては、ユーザーに提供できるメリット・ベネフィットを意識して、選択できるようにしておくことも、競合との差別化を図るうえで重要になるでしょう。

安全性

配送中の商品破損や紛失は、顧客にとっては大きな不安要素の1つです。顧客の満足度を高めるためにも配送業者の安全性も確認しておきたい部分です。保証制度が充実していたり、追跡機能が付いていたりする業者を選ぶことで、顧客に対する透明性を保ち、安心感にもつながります。

特に高価な商品を扱っているECサイトは、安全性についてはしっかり確認しておきましょう。

利便性

利便性も顧客の満足度に大きく関わります。顧客が自宅で受け取る以外にも、コンビニ受け取りや宅配ボックス利用など様々な受取りオプションを持っている業者であれば、顧客のニーズに応えることができます。

運営側も柔軟な集荷サービスや返品プロセスを持っている業者は、運営の効率化向上を期待できるでしょう。

コストを抑えて配送業者を利用するコツ

商品を配送するにあたって、コストを抑えたいと考えているEC運営者も多いのではないでしょうか。コストを抑えて配送業者を利用するコツは、下記の通りです。

  • 小さな商品は定形外郵便を利用する
  • 宅配業者と特約を締結する

1つずつ解説していきます。

小さな商品は定形外郵便を利用する

雑貨などの小さな商品は、サイズや重さによって送料が決まる定形外郵便の利用がおすすめです。

規格内と規格外の2種類があり、規格内は長辺34cm以内、短辺25cm以内、厚さ3cm以内、重さ1kg以内です。

規格外は、長辺60cm以内かつ長辺・短辺・厚さの合計90cmまで、重さ4kg以内とされています。

送料は全国一律となっており、規格内は120円から、規格外は200円からです。

商品サイズに合わせて定形外郵便と一般配送を使い分け、コストを抑えましょう。

宅配業者と特約を締結する

多くの商品を発送する場合は、宅配業者と特約を締結するのがおすすめです。

宅配業者に特約の意向を伝え、営業担当者からの見積もりなどを受けた後に特約が結ばれます。割引率や金額は個別に決められているため、詳しくは宅配業者に問い合わせる必要があります。

ECの発送代行サービスについて

ECの発送代行サービスとは、在庫管理やピッキング、発送までの配送に関わる一連の流れをアウトソーシングできるサービスです。

ECサイトの運営において、オフィスと物流スペースを分けたい場合や少人数で運営している場合は、発送代行サービスの利用を検討するのがおすすめです。

ただし、柔軟な発送対応が難しかったり、個人情報の漏えいリスクが伴ったりなどの注意点もあるため、詳しくリサーチしてから利用しましょう。

まとめ

EC配送とは、顧客が注文した商品が倉庫から自宅まで届く流れのことを指します。入荷や棚卸し、梱包など多くの工程があるため、全てを自社で行うのは難しいケースもあります。

一方で外部に委託する方法にもメリットやデメリットがあるため、総合的に判断し、自社に合っている方法を見つけましょう。

またECサイトで注文した商品を自宅や任意の住所にお届けする以外に、実店舗への配送も行っています。実店舗で受け取ってもらう「店舗受取オプション」にも対応しています。興味がある方は、ぜひ一度futureshopにご相談ください。

フューチャーショップの配送・送料設定機能

futureshopでは、三温度帯の配送や柔軟な送料計算に対応しています。配送期間や送料を正確に計算し表示できるため、顧客の満足度や信頼度向上も期待できます。

機能 内容
温度帯別の送料計算設定 冷蔵便・冷凍便・常温便の三温度帯に対応。商品ごとに温度帯設定ができ、個口数から送料・手数料を自動計算できます。温度帯の異なる商品の同時注文が可能で、注文時に温度帯別に同梱扱いでの送料を計算できます。
宅配便・送料設定 宅配便ごとに、以下の4パターンから送料設定が可能。

・全国一律送料

・都道府県別送料

・重量別送料

・ご注文時に送料を計算せず後ほど連絡

メール便・送料設定 複数個注文の場合の同梱計算もでき、同梱上限数は商品ごとに設定可能
配送不可地域設定 配送サービスごとに、都道府県または離島など一部地域を配送不可地域に設定可能
配送サービスの限定、または除外設定 配送サービスを選択できる商品を限定する、または、配送サービスを選択できない商品を設定可能
配送不可地域の設定 ご注文時のお届け先住所から自動判定し、配送不可地域に該当する場合、配送サービスを切り替えて注文できるようにする
最短お届け可能日を商品ページ・ショッピングカートに表示 商品と配送の2つのリードタイムから正しいお届け可能⽇を計算・商品ページ・ショッピングカートに表⽰
商品の同梱可否にあわせた送料自動計算 同梱できる商品をグループ分けした同梱可能グループを設定することで、温度帯が同じでもグループが違えば同梱せず、個口を分けて送料計算できます。同じ同梱可能グループの商品のみ、同梱扱いで送料計算可能。
複数配送先機能 複数のお届け先を設定し、カートに入れた商品からお届け先ごとに配送する商品を選んで、まとめて注文可能。 のし・ギフトラッピングにも対応しており、お届け先ごとに有料または無料のラッピングを指定して注文できます。
高額購入送料割引設定 商品の購入金額に応じた送料割引の設定ができます。
送料キャンペーン 期間を指定してタイマー設定で実施できる送料割引キャンペーンを実施できます。

宅配便ごとに、送料や都道府県別の配送リードタイム、さらには配送不可地域や離島加算料の設定ができます。配送リードタイムは運送にかかる日数のことで、最短お届け可能日の計算や注文時に選択するお届け希望日の計算に利用します。

送料は、全国一律、都道府県別、重量別、あるいは「ご注文時に送料を計算せず、後ほど連絡」の4パターンから選択できます。 送料込み価格商品や個別送料商品も設定できます。