EC事業は販路拡大に有効な施策!5つのメリットを詳しく解説します
- 2024.05.102024.11.28
EC事業を始める際「何から手をつければいいのか」「どのように始めたらいいのか」など、疑問をもっている方は多いのではないでしょうか。
オンラインで販路を拡大し、より多くの人に自社の商品やサービスを知ってもらいたいと考えるのは当然のことです。
EC事業には大きな可能性がある一方で、始める前にはオンラインならではの特徴を理解して進める必要があります。
本記事では、EC事業の市場規模、始め方、必要な資金、仕事内容など、EC事業の基礎知識から実践的なノウハウまで解説します。また、オフライン販売との違いや、EC事業ならではのメリットについても触れていきます。
具体的なアクションプランが見えてくるようになるため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
EC事業の概要を3つの視点で解説
EC事業とは、インターネットを通じて商品やサービスを販売する事業のことです。インターネットの普及により、誰でも比較的容易にEC事業を始められるようになりました。
一方で、参入企業が増えたことで競争は激化しています。EC事業を成功させるためには、事前の入念な市場調査と綿密な事業計画の立案が重要です。
ここでは、EC事業の概要を「市場規模」「トレンド」「市場の種類」の3つの視点から解説します。
市場規模は右肩上がり
EC市場は年々拡大しており、その規模は右肩上がりで成長しています。経済産業省の調査によると、2022年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、22.7兆円(前年20.7兆円、前々年19.3兆円、前年比9.91%増)に達しました。
参考:経済産業省「国内電子商取引市場規模(BtoC及びBtoB)」
特に、物販系分野とサービス系分野の伸び率は、それぞれ5.37%増、32.43%増と大きく伸びています。
各分野の内訳は以下のとおりです。
参考:経済産業省「令和4年度電子商取引に関する市場調査報告書」P8・9
いずれも右肩上がりの伸び率になっており、今後もEC市場の拡大傾向は続くと予想されるため、EC事業への参入を検討する企業にとっての追い風は続くでしょう。ただし、競争の激化に伴い、差別化戦略や顧客満足度の向上などが一層重要になってくると考えられます。
5つのトレンド
EC業界では、以下の5つがトレンドとなっています。事業を構築するうえでの参考として、ご覧ください。
- ID決済の普及
- O2OからOMOへの移行
- 越境ECの拡大
- AIの活用
- 5Gの普及
ID決済の普及
ID決済とは、事前に登録したアカウントを使って支払いを完了できるサービスのことです。主なサービスとしては、以下が挙げられます。
- PayPay
- LINE Pay
- AmazonPay
- 楽天Pay
- Apple Pay
- Google Pay
- d払い
- ayPAY
ID決済の最大のメリットは、利便性の高さです。ID決済の最大のメリットは、利便性の高さです。ログインして決済処理をするだけで、出かけたりカード番号を入力したりする手間が省けます。
また、クレジットカード情報を直接ECサイトに登録する必要がないため、セキュリティ面でも安心です。カード情報の流出や不正利用のリスク軽減により、ユーザーからの信頼を得やすくなります。
EC事業者にとっては、決済手数料がかかる点でデメリットがあります。しかし、ID決済を好むユーザーは増加傾向です。PayPay、d払い、auPAY等はキャリアとしてのサービスから、キャンペーン等で集客施策につなげて新規顧客獲得も見込める可能性もあるため、導入を前向きに検討する価値はあるでしょう。
購入者の利便性を高められるうえ、顧客満足度の向上にもつながります。ECサイトの競争力を高めるためにも、ID決済の導入は有効な施策の一つといえます。
O2OからOMOへの移行
EC事業は、O2O(Online to Offline)からOMO(Online Merges with Offline)へ移行しつつあります。
具体的なOMOの例は、以下のとおりです。
- オンラインで商品を見て店舗で実物を確認し、その場でモバイルから購入を完了する
- 店舗でQRコードを読み取り商品情報が確認できる
- ARを使ってバーチャル試着ができる
在庫情報や購入履歴などがオンラインとオフラインで共有されれば、ECとしての価値提供の幅が広がります。実店舗をもつ事業者がEC事業を始める場合、OMOの考え方を取り入れ、販売チャネルごとの顧客体験の最適化が求められます。
越境ECの拡大
越境ECが拡大している理由の一つに、SNSの活用が挙げられます。SNSで海外向けに広告を出したり、インフルエンサーの商品紹介で海外から購入されたりするケースも増加の傾向です。加えて、「母国では手に入らない商品の購入」や「割安な価格設定」など、越境ECならではの魅力が認知されてきたことも、利用者増加の背景にあります。
EC事業者にとっても、越境ECは魅力的な選択肢です。新たな市場を開拓し、売上の拡大につなげられるため、多くの企業が国境を越えたビジネス展開に乗り出しています。
また、国際輸送ネットワークの発達で、以前よりスピーディーに商品を届けられるようになった点も見逃せません。配送面の課題がクリアされたことで、より多くの事業者が参入しやすい環境が整ったといえます。
越境ECで得られるメリットの詳しい内容や、始め方のポイントを以下の記事で解説しています。ぜひ、あわせてご覧ください。
AIの活用
AI技術の発展に伴い、EC業界でもAIの活用が進んでいます。AIを導入することで、顧客満足度の向上や業務の効率化を図れます。
具体的な活用事例は以下のとおりです。
活用事例 | 内容 |
接客ツール |
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レコメンドエンジン |
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分析ツール |
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カゴ落ち(離脱)防止 |
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在庫管理の最適化 |
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AIの導入は、顧客体験の向上と業務効率化を両立する有力な手段といえます。自社の課題に適したAI活用法を見極め、段階的に取り入れていくとスムーズに運用できます。
5Gの普及
5G(第5世代移動通信システム)の普及により、高速・大容量・低遅延のデータ通信が可能になります。これにより、EC業界では、高画質動画配信、VR/AR技術の活用、IoTデバイスとの連携など、新たなサービスの展開が期待されています。5Gの普及を見据えた取り組みに関する情報収集は今後も欠かせません。
特徴の異なる4つの市場
EC市場といっても、実際には以下の4つの市場に分類されます。それぞれ特徴や規模が異なるため、市場分析において理解が必要です。
BtoC
BtoCは、企業と一般消費者の間で行われる電子商取引です。楽天市場やAmazonなどのモールや、企業が運営する自社ECサイトが代表例です。
EC市場の中でもっとも規模が大きく、2022年の日本国内のBtoC-EC市場規模は22.7兆円に達しています。個人向けの商品を幅広く取り扱うため、分かりやすく魅力的なサイト作りが求められます。また、顧客満足度を高めるうえで、スマートフォンへの対応も忘れてはいけません。
BtoB
BtoBは、企業間で行われる電子商取引です。オフィス用品や業務用機器など、企業向けの商材を扱うケースが多くなります。BtoC市場に次いで規模が大きく、2022年の日本国内のBtoB-EC市場規模は420.2兆円でした。
BtoBの市場は、大きく分けて「クローズドBtoB型」と「スモールBtoB型」の2つに分類できます。
クローズドBtoB型は、特定の企業間で行われる取引で、参加企業が限定されているのが特徴です。大手企業同士の取引などが該当します。市場規模は大きいですが、参入障壁も高くなります。
一方、スモールBtoB型は、中小企業同士や、大企業と中小企業の間で行われる取引です。参加企業の裾野が広く、比較的参入しやすいのが特徴です。ニッチな商材を扱うことで差別化を図れるため、中小企業でも十分に勝負できる市場といえます。
CtoC
CtoCは、個人間で行われる電子商取引です。フリマアプリの「メルカリ」やオークションサイトの「Yahoo!オークション」などが有名です。
市場規模はBtoCやBtoBほど大きくありませんが、スマホの普及により近年急成長しています。匿名配送が可能な点も人気の要因です。
在庫連携ソフトをはじめ、連携機能が充実しているサービスを選べば、多店舗展開の1チャネルとして利用できる汎用性も備えています。
DtoC
DtoCは、メーカーが主に自社ECサイトを通じて直接消費者に商品を販売する形態です。
消費者とダイレクトなコミュニケーションがとれるため、メーカとして商品開発につなげられたり、顧客ロイヤリティを高めやすく、ファン化の促進もしやすかったりする点が特徴です。
DtoCについては、以下の記事でより詳しく解説しているため、販売チャネルを広げたい方はぜひご覧ください。
オフライン販売との5つの違い
EC事業は、オフライン販売と比べて以下の5つの点で大きく異なります。それぞれの違いを理解し、適切な対応策の立案がEC事業を成功させるために重要です。
主な違いを下表にまとめたので、ご覧ください。
項目 | オフライン | EC |
販売チャネル | 実店舗 |
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決済方法 |
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導入プロセス |
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顧客体験 |
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物流 |
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下記より、各項目の詳細内容を紹介します。
販売チャネル
オフライン販売の主な販売チャネルは、実店舗です。店舗の立地や品揃え、接客サービスなどが、販売の成否を左右します。一方、EC販売の主な販売チャネルは、自社ECサイト、ECモール、アプリなど多様です。
EC事業では、自社の強みを活かせる販売チャネルの選択が重要です。たとえば、ブランド力のある企業は自社ECサイトでの販売に注力し、認知度向上を目指す企業はECモールへの出店を検討するなど、戦略的な判断が求められます。また、複数の販売チャネルを組み合わせれば、相乗効果を狙うこともできるでしょう。
決済方法
オフライン販売では、キャッシュレスが増えてきているとはいえ現金とクレジットカードが主な決済手段です。一方、EC販売では、クレジットカードや後払い決済(BNPL)が主流となっています。
日本のEC化率はまだ9%程度という面からも、まだまだECサイト(特に独自ドメインサイト)で購入したことがない層は多く、初めてのECサイトで購入する際、クレジットカード情報を入力することに抵抗感がある人は一定数います。
更に、キャッシュレスの普及で実店舗ではQR決済を使う人が増えているので、そういった観点で普段オフラインで使っている決済方法がECサイトで使えることによって、初めてのユーザーが購入しやすくなることが考えられるため多様な決済手段を用意すべきです。
同時に、セキュリティ対策としてプラットフォームの対策確認が必要です。特にオープンソースの場合は、脆弱性によって決済画面が改ざんされる事故が多発しています。
導入プロセス
オフライン販売の場合、店舗の立地選定、内装工事などが必要です。一方、EC販売の導入プロセスは、主にECサイトの構築、決済システムの導入、商品データの登録の3つのステップで構成されます。
また、EC事業を進めるためには、オフライン販売とは異なるWebならではの専門知識も必要です。自社の人材だけでは対応が難しい場合は、外部の専門家やEC支援サービスの活用も検討すべきでしょう。
顧客体験
オフライン販売では、店舗での接客、試着、試食などが顧客体験の中心です。店舗スタッフによる親切な接客は、顧客満足度の向上に直結します。また、実際に商品を手に取って確認できる点は、オフライン販売ならではの強みです。試着や試食ができれば、顧客の購買意欲をさらに高められます。
一方、EC販売では、ECサイトのユーザビリティ(使いやすさ、操作性)、レコメンド機能、カスタマーサービスが顧客体験の要です。オフライン販売のような対面接客はできませんが、これらを総合的に高めることで、オフライン販売に劣らない顧客体験を提供できます。
さらに、ECサイトならではの顧客体験の向上策もあります。たとえば、商品のバーチャル試着やAIチャットボットによる24時間対応などです。オフラインでは実現しにくいこれらのサービスを取り入れることで、EC販売ならではの付加価値を顧客に提供できるでしょう。
物流
オフライン販売では、店舗での在庫管理や店頭での商品受け渡しが中心ですが、EC販売では倉庫での在庫管理や宅配便・郵送による商品配送が必要です。つまり、配送コストの負担や梱包作業の効率化などが課題となります。
物流の課題解決策を以下の記事で詳しく解説しています。EC物流ならではの特徴が把握できるため、事業計画立案の一環としてご覧ください。
EC事業で得られる5つのメリット
EC事業には、オフライン販売にはないさまざまなメリットがあります。ここでは、自社ECサイトを運営する際に得られる5つのメリットを、ECモールとの比較を交えて解説します。
販路が拡大できる
EC事業は、インターネットを通じて商品を販売するため、地理的な制限がありません。自社ECサイトを多言語対応にすれば、さらに販路を拡大できるでしょう。実店舗では難しい、広範囲への販売が可能になります。
時間・場所の制約がない
ECサイトは、インターネット上で24時間365日稼働します。実店舗のように営業時間や定休日の制約がないため、売上機会を逃しません。
また、顧客は自宅にいながらスマートフォンやパソコンから商品を購入できるため、利便性の高さもECならではです。
低コストで運用できる
自社ECサイトの運営は、店舗の賃貸料や内装費など、実店舗特有の初期投資が不要なため、実店舗に比べて低コストです。そのほか家賃や光熱費、人件費などの固定費も抑えられます。
ブランディングしやすい
自社ECサイトは、自社ブランドを前面に出せる場です。サイトのデザインや商品ページの構成など、自社の世界観を自由に表現できます。商品の魅力を最大限に伝えられるため、ブランドイメージの構築につながります。
ECモールだとしにくい
ECモールに出店する場合は、モールの規定に沿ったデザインになるため、独自性を打ち出しにくいデメリットがあります。つまり、自社ブランドの訴求には限界があり、他社との差別化が難しく、ブランディングの構築は困難です。
顧客データの収集が容易にできる
自社ECサイトでは、顧客の購買履歴や行動履歴など、さまざまなデータを自動的に蓄積できます。収集したデータを分析することで、顧客のニーズを把握し、マーケティングに活用できます。リピート販売や関連商品の提案など、データに基づいた施策が容易です。
ECモールでは制限される
ECモールでは、顧客データの取得に制限がある場合がほとんどです。モール運営者が顧客情報を管理しているため、出店者が自由にデータを活用できる範囲は限定されています。
また、顧客とのコミュニケーションも、モールを介することになるため、直接的な関係構築は自社ECサイトよりも難しくなります。ECモールへの出店を検討する際は、どの程度顧客データを取得できるか確認が必要です。
EC事業で対策が必要な2つのデメリット
EC事業は、オフライン販売にはないメリットが多くありますが、同時にデメリットも存在します。ここでは、EC事業で考えられる2つのデメリットと、それぞれの対策について解説します。
顧客とのコミュニケーションが取りにくい
EC事業では、実店舗のような対面接客がありません。そのため、顧客の反応を直接観察したり、その場で質問に答えたりすることが難しくなります。
顧客とのコミュニケーションが取りづらいため、ニーズの把握が難しい点は大きなデメリットといえます。また、商品の魅力を伝えるのにも工夫を凝らす必要があります。実物を見せられないため、商品の良さを言葉や画像だけで説明しなければなりません。
顧客とのコミュニケーションで考えられる対策例は、以下のとおりです。
- オペレーターの増員:問い合わせ対応の人員を増やし、迅速かつ丁寧な顧客対応を目指す
- チャットボットの導入:AIを活用し、24時間365日の自動応答を可能にする
- ライブ配信による商品説明:商品の使用方法や特徴を、ライブ配信で詳しく説明する
- SNSによるユーザーとのやり取りの強化:SNSを活用し、顧客とコミュニケーションを積極的にとる
集客が難しい
ECサイトを立ち上げても、自動的に集客できるわけではありません。特に自社ECサイトの場合、知名度が低いと、なかなか見込み客を呼び込めません。売上を伸ばすのに苦戦することもあるでしょう。
ECモールに出店する場合でも、多数の出店者の中で存在感を出すのは容易ではありません。価格競争に巻き込まれ、利益を確保できないリスクもあります。
集客で考えられる対策例は、以下のとおりです。
- ネット広告:リスティング広告やディスプレイ広告など、ネット広告を活用し、ECサイトへの誘導を図る
- SNS:自社アカウントを開設し、商品情報やキャンペーンなどの情報から、ECサイトへの流入を狙う
- 動画配信の活用:YouTubeなどの動画配信サービスで商品の魅力を訴求し、視聴者のECサイト誘導につなげる
- SEO施策:検索エンジン最適化により検索結果の上位表示を目指し、オウンドメディアを充実させ、集客力を高める
以上のように、EC事業では、顧客とのコミュニケーションと集客が大きな課題です。それぞれの対策を講じることで、事業を軌道に乗せられる可能性が高まります。ツールや手法を適切に選択し、自社に合った施策を継続的に実行する体制整備が重要です。
EC事業の2大業務
EC事業は、フロント業務とバックオフィス業務の大きく2つに分類できます。それぞれの業務内容を理解し、効率的に運用することが、EC事業の成功につながります。
フロント業務
フロント業務は、主に顧客との接点に関わる業務です。具体的には以下の5項目と対応例が挙げられます。
- 商品の企画:売れ筋商品の分析、新商品の開発、商品ラインナップの拡充など
- 販売戦略の立案:価格設定、プロモーション企画、キャンペーンの実施など
- ECサイトやアプリの使いやすさの設計:ユーザビリティの向上、サイト構成の最適化など
- 顧客とのコミュニケーション強化:問い合わせ対応、メールマガジンの配信、SNSでのやり取りなど
- 効果的な集客施策の実施:SEO施策、ネット広告の運用、アフィリエイトプログラムの導入など
これらの業務を通じて顧客のニーズを捉え、満足度の高いサービス提供が重要です。また、売上の拡大につながる施策を継続的に実施していく必要があります。
バックオフィス業務
バックオフィス業務は、フロント業務を支える業務です。主に以下の5項目と対応例が挙げられます。
- 在庫管理:在庫数の把握、適正在庫量の維持、在庫切れの防止など
- 受注、発送、配送の管理:注文の処理、梱包、配送手配、配送状況の追跡など
- 決済処理:決済代行会社との連携、入金の確認、返金処理など
- 顧客情報の管理:顧客データベースの構築、個人情報の保護、分析の実施など
- 運営コストの管理:売上や経費の把握、予算管理、コスト削減の取り組みなど
これらの業務は、顧客から見えにくい部分ではありますが、EC事業の根幹を支えています。在庫切れや配送トラブルを防ぎ、円滑な運営を実現するには、バックオフィス業務の最適化が不可欠です。また、顧客情報の適切な管理は、結果として信頼の獲得につながります。
フロント業務とバックオフィス業務は、相互に関連しています。両者を効果的に連携させることで、EC事業全体の効率化と顧客満足度の向上が図れるでしょう。
EC事業の始め方
EC事業を始めるには、綿密な準備が必要です。ここでは、EC事業の始め方を5つのステップに分けて解説します。
ステップ1:市場分析
EC事業を始める前に、まずは市場を分析しましょう。具体的には、競合他社の動向を調査し、自社の強みを把握することが重要です。
また、市場のトレンドや顧客ニーズを分析することで、自社の商品やサービスの優位性が見極められるようになります。市場分析の結果を踏まえて、自社の立ち位置と差別化ポイントを明確にしましょう。
ステップ2:事業計画の作成
市場分析の次は、事業計画の作成です。数年先を見越した売上目標や利益率、集客施策などを具体的に計画します。
初期投資の規模や資金調達方法、人員体制なども落とし込んでおく必要があります。事業計画は、EC事業の羅針盤となるものです。綿密に作成し、関係者間で共有しましょう。
ステップ3:プラットフォームの選定
EC事業のプラットフォームは、大きく分けてECモールへの出店と自社ECサイトの構築の2つです。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社の中長期的な事業展開に適したほうを選定します。
自社ECサイト
自社ECサイトは、自社のブランドイメージを自由に表現できるのが最大のメリットです。商品やサービスの魅力を存分に訴求でき、差別化が図れます。データの利活用から、改善サイクルがスピーディに回せるのも自社ECの強みです。
一方で、集客や運営には自社で対応する必要があるため、コストと手間がかかります。
ECモール出店
ECモール出店は、モールの集客力を活用できるのが大きなメリットです。初期投資も自社ECサイトに比べて抑えられます。
ただし、競合が多数いるため、差別化が難しいのがデメリットです。また、顧客データの活用にも制限があります。
ステップ4:サイト構築(モール出店)と運用
プラットフォームを選定したら、いよいよECサイトの構築(またはモール出店)です。構築後も、データ分析に基づいて継続的な改善が欠かせません。
商品登録や在庫管理、受注処理、配送手配など、運用に必要な体制を整えましょう。あわせて、広告やSEOなどの集客施策も忘れずに実施します。
ステップ5:パートナーの選定
EC事業を円滑に動かすうえで、自社で対応が難しい部分は外部企業を活用するのも一つの手です。たとえば、マーケティング支援やモール出店代行、物流代行など、専門企業に依頼することで、社内のリソースに余裕ができて効率的な運営が可能になります。自社の強みと弱みを見極め、適切なパートナーを選定しましょう。
以上の5つのステップを着実に進めることで、EC事業の基盤を構築できます。ただし、EC事業は始めてからが本番です。市場の変化や顧客ニーズを常に意識し、PDCAサイクルを回しながら、継続的な改善に向けた取り組みが重要です。
EC事業の立ち上げで困った時はfutureshopへご相談ください
EC事業の立ち上げは、準備事項が多岐にわたります。準備を進めるなかで立ち止まってしまう可能性はゼロではありません。
そんな時は、futureshopのオープンセミナーをご活用ください。futureshopでは、EC事業の立ち上げから運営までを総合的にサポートしており、役立つ情報をセミナーでお伝えしています。質疑応答の時間を設けているため、不明点はその場で回答が可能です。
まとめ
EC事業は、販路拡大やブランディングなど多くのメリットがある一方で、集客や顧客とのコミュニケーションに課題があります。事業の立ち上げには、市場分析から運用体制の整備まで多くのステップがあり、困難も伴うでしょう。
EC事業の成功には、自社の強みを活かしつつ、市場の変化や顧客ニーズを捉えた継続的な改善が不可欠です。専門知識やスキルが必要な場面では、futureshopのようなEC支援サービスの活用も有効です。定期的に開催されるウェビナーに参加し、専門家のアドバイスを受けながら、EC事業の立ち上げと成長を目指してみてください。