ECサイトと実店舗の連携を成功させる施策を事例とともに紹介します!
- 2024.11.112024.11.18
最近では、ECサイトと実店舗の顧客情報やポイントシステムなどを連携して運用するショップが増えています。連携することで、ユーザーの利便性が高まり、ショップの利用回数が増え、売り上げ向上に繋がります。とはいえ、ECサイトと実店舗の連携を成功させるには、何をすればよいのか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、ECサイトと実店舗の連携を成功させるコツを解説します。実際の成功事例も紹介しているので、ECサイトと実店舗を運用している方や始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
また、上の動画では、5年で売上10倍にしたオムニチャネルのポイントや成功事例を解説しています。こちらもあわせてご覧ください。
目次
ECサイトと実店舗を連携して成功した事例
ここでは、ECサイトと実店舗の運用で成功した事例を5社、ご紹介します。
(食品EC)有限会社ひよこカンパニー
有限会社ひよこカンパニーは、1994年に平飼いの養鶏場を創業し、卵の通信販売を開始した企業です。主力商品の「天美卵」をはじめ、スイーツや加工食品、鳥取のおすすめ商品などを販売しています。2008年からは卵や加工食品を扱う直営店や飲食店、さらに年間36万人以上が訪れる人気スポットの複合リゾート施設「大江ノ郷自然牧場」も運営しています。
当時は大江ノ郷自然牧場のサイトでEC事業もおこなっていましたが、オフラインの通販やリゾート施設の業績が好調だったこともあり、EC運営には注力していませんでした。しかし、コロナ禍により施設への来場者が減少したことで、ECサイト運営にも力を入れ始めることに。
テレビ番組に取り上げられたことをキッカケに、ECサイトに注文が殺到し、それ以降は売上高が5年で10倍、リニューアル前と比べるとECサイトの会員数は5倍以上に増加しました。
2021年4月には、futureshopのCMS機能「commerce creator」を導入するとともに、「futureshop omni-channel」も導入し、オムニチャネルも実現しています。顧客情報を統一し、実店舗とECサイトの会員証とポイントの統合に加え、顧客情報からプッシュ通知などで顧客との接点を増やすことに成功しています。
大江ノ郷自然牧場の事例について詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
(アパレルEC)TOKYO DESIGN CHANNEL
株式会社コックスは、ファッションブランド「ikka(イッカ)」や服飾雑貨ブランド「LBC(エルビーシー)」など、8つのブランドを展開している、イオングループの服飾メーカーです。
2011年に自社ECサイト「TOKYO DESIGN CHANNEL」を立ち上げ、当時から店舗とECサイトにおける相互送客を目的とした、店舗受取の仕組みを導入していました。
当時はTOKYO DESIGN CHANNELの配送選択画面に「店舗受取」の項目を独自に追加し対応していましたが、決済手段がコンビニ後払いしか使えないなど、利便性に課題を感じられていました。また、受取データを目視で確認し、後払いの払込用紙を商品に同梱するなど、人手がかかる作業が多いことも課題でした。
しかしその後、ECに導入されていたfutureshop omni-channelに「店舗受取オプション」が実装されたことで、上記の課題は解決しています。コンビニ後払いは現在も利用できますが、クレジットカード決済の利用者が大半を占める状況もあり、払込用紙を同封する業務負担も減っています。
また、顧客の利便性が向上したことで、直近1年間における店舗受取の利用件数は、前年同期比130%以上に伸びる結果となりました。
コックスの事例について詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
(雑貨EC)株式会社ウエニ貿易
株式会社ウエニ貿易は、2012年にローンチした高品質の革を使用したバッグや財布、ベルトなどを販売しているブランド「ペッレモルビダ」を運営している企業です。「本質を知り、優雅さを求める大人のブランド」というコンセプトを掲げています。
当時は、実店舗向けの卸販売をメインとしていたため、EC化率は10%強とアパレル業界の平均よりも低い水準でした。卸販売がメインだったこともあり、EC事業の運営体制を整えたり、改善すべき点が多くありました。
2015年からEC事業を本格化し、7年間でECの売上高は10倍以上に拡大しました。オンラインの販売チャネルは、自社ECサイトをはじめ、ZOZOTOWNなど一部ECモールにも出店しています。EC化率が10%と平均より低かったものの、2023年8月期には30%へと上昇しています。
2019年には「futureshopomni-channel」を導入し、オムニチャネル化を開始しています。実店舗とECサイトのポイントや顧客情報を連携したり、相互送客を意識してECサイトを運営したりすることで、相乗効果を得られています。
ペッレモルビダの事例について詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
(アパレルEC)株式会社JAM TRADING
株式会社JAM TRADINGは、実店舗とECサイトの古着屋JAMを営んでいる企業です。
2004年11月にヤフオクに出店、2008年には楽天市場へ出店しながらEC事業を拡大。2012年には、futureshopにご契約いただき、自社ECサイトの運営を本格的にスタートさせています。
自社ECサイトを強化したことによって、2021年11月期の売上高は前期比約36%増の約17億円に拡大しました。「futureshop omni-channel」を導入し、AmazonPayやPayPayなど多彩な決済を導入したり、実店舗とECのポイントを共通化したりなどしてECサイトと実店舗の連携を行っています。
JAMの事例について詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
(アパレルEC)ゴールドフラッグ株式会社
ゴールドフラッグ株式会社は、1994年にニューヨークで誕生した機能性とデザイン性を兼ね備えた補整下着ブランド「ブラデリスニューヨーク」を運営する企業です。実店舗が国内22店舗、海外に3店舗展開しており、通販チャネルや自社ECサイトなどでも商品を販売しています。
2020年4月に新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言の発令を受け、実店舗で接客が行いにくくなったことからオンライン接客を強化しはじめました。オンラインでお客様との接点を増やすためにインスタライブやオンラインフィッティングなどを開始しました。
様々なオンライン施策を行った結果、2020年のEC売上高が前年比145%に伸びるなどEC事業の拡大に成功しています。
さらに2020年10月には、ECシステムとアプリをリニューアルさせ「futureshop omni-channel」を導入しています。実店舗とECサイトのポイント統合、カルテの電子化など、顧客データの一元管理を行いました。その結果、接客の効率化が実現し、顧客の購買体験の向上にもつながっています。
ブラデリスニューヨークの事例について詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
ECと実店舗の売上割合
ECと実店舗の売上割合について、公表されているグラフが以下の通りです。
引用:第4-1-8図 主要カテゴリの業態別販売動向 – 内閣府
ECは、実店舗のシェアに対してはまだ低いものの、着実にシェアを伸ばしつつあります。
また、令和2年度 年次経済財政報告の飲食料品売上を見ると、ECの売り上げ自体伸びており、今後も成長していくと考えられます。
引用:第4-1-8図 主要カテゴリの業態別販売動向 – 内閣府
一方で、伸び率においてはドラッグストアと並び、大きく伸びています。
このことからも、ECサイトは消費者にとって重要な選択肢のひとつになってきていることがわかります。適切なジャンルであれば、実店舗と同時運用させることで、より大きな事業成長が見込めるでしょう。
出典:2 EC市場の拡大と実店舗の動向及びEC普及の将来見通し(p.184) 第4-1-8図
ECサイト運営者が知っておくべきオムニチャネルの重要性
ECサイトを運営するにあたって知っておきたいのが、オムニチャネルの重要性です。オムニチャネルとは、ECサイトや実店舗に加え、SNSやアプリなど様々なメディアを連携させ、ユーザーとの接点を増やして購買体験を提供する販売戦略のことです。
例えば、欲しい商品が実店舗になかったとします。一般的には、実店舗にないと諦めることになりますが、オムニチャネルであれば、ECサイトから購入し、近隣の店舗で受け取りが可能です。購入を諦めることなく、ユーザーの購買体験を高められるのがオムニチャネルの魅力です。
オムニチャネルが注目されている背景には、スマートフォンやSNSの普及があげられます。実店舗に行かず、リサーチから購入までをすべてスマートフォンで完結させる人も少なくありません。売り上げを伸ばすには、販売チャネルを連携させて、いつでもどこでも商品を購入できる環境を作ることが大切です。
futureshop omni-channelでは、コストを抑えてオムニチャネルを導入できます。futureshop omni-channelを導入することで、ポイントの一元管理や店舗受取などの施策を展開できます。
ECサイトと実店舗に関するお悩みを抱えている方は、futureshop omni-channelをご検討ください。
実店舗と合わせてECサイトを運用することのメリット
実店舗と合わせてECサイトを運営するメリットは、下記の通りです。
- インターネットを使えるすべての人にアプローチできる
- 24時間365日いつでも営業できる
- 実店舗に比べると初期費用やランニングコストが少ない
まず大きなメリットとして、インターネットを使えるすべての人にアプローチできることです。「入店する勇気がない」「年齢層が違うから人目が気になる」といった方でも、ECサイトであれば気軽に商品を見て購入できます。
他にも、ECサイトであれば24時間365日営業しているため、実店舗に足を運ぶ時間がない方でも商品を購入しやすくなります。レジの混雑で諦めて帰ってしまった顧客が、ECサイトから購入してくれる可能性もあるでしょう。
また、ECサイトは実店舗に比べると、初期費用やランニングコストが少ないのもメリットです。今ではECサイトは手軽に始められるようになってきましたので、万が一、うまくいかずに撤退する場合も決断をしやすいでしょう。
ECサイトと合わせて実店舗を運用することのメリット
ECサイトと合わせて実店舗を運用するメリットは、下記の通りです。
- 顧客とコミュニケーションを取れる
- 顧客のリアルな声を聞ける
- ECサイトに比べるとバックオフィス業務が少ない
実店舗であれば、対面接客によって購入を後押しできます。実店舗を保有することで、より売り上げを向上させられる可能性があります。
また、実店舗はバックオフィス業務を一括管理する事でフロント業務に集中できるのがメリットです。梱包や出荷作業がないため、店舗業務や接客などのコア業務に集中できます。
ECサイトと実店舗の連携を成功させるための最も重要なポイント
ECサイトと実店舗の連携を成功させるために最も重要なのは、集客と接客の均一化です。実店舗、ECサイトそれぞれのメリットデメリットを理解して顧客の購買までの行動パターンを分析し、どちらでも最高の購買体験を提供できることが重要です。
また、会員データを連携させることもチャネル間の連携やLTV向上には不可欠です。LINEやアプリを活用して連携を取ることも可能になっています。会員データの連携については、後ほど具体的な施策を交えて紹介します。
また、ECサイトと実店舗の連携を成功させるためには、会員データを統合させることも有効です。LINEやアプリを活用することで、簡単に連携を取れます。会員データの連携については、後ほど詳しく解説していきます。
ECサイトと実店舗の連携を成功させるための具体的な9の施策
ECサイトと実店舗の連携を成功させるには、どのような方法があるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。連携を成功させるための具体的な施策は、下記の通りです。
- LINEやアプリを活用してECと実店舗の会員データを連携させる
- 店舗とECを横断して顧客分析を行う
- 顧客情報とポイントシステムやクーポンを連携させる
- ECサイトで購入した商品を実店舗で引き渡す
- ECサイトで購入した商品を実店舗で返品できるようにする
- 取り置きや取り寄せに対応する
- 相互送客を行う
- 店舗スタッフもECサイトを有効活用する
それぞれについて詳しく解説していきます。
LINEやアプリを活用してECと実店舗の会員データを連携させる
1つ目は、LINEやアプリを活用してECサイトと実店舗の会員データを連携させることです。LINEなどを活用し、1人ひとりの顧客情報をIDで管理することで、様々なマーケティング施策を立てられます。
両者の会員データを連携するには、顧客データをオフライン(実店舗)とオンライン(ECサイト)それぞれで取得する必要があります。しかし、会員データを連携させていなくても顧客は困りません。そこでおすすめなのが、LINEやアプリなどで会員データを連携いただいた方にポイントやクーポンなどのインセンティブを渡す方法です。
特にLINEは日本国内での利用率が高いため、新たに会員登録やID作成などをする手間がかからず、連携もスムーズです。手間をかけずにショップの有益な情報を得られるのは顧客側からしても大きなメリットといえます。
店舗とECを横断して顧客分析を行う
店舗とECを横断して顧客分析を行うことも大切です。
CRM(顧客関係管理)などを活用し、実店舗で顧客がどのような商品を購入しているのか、オンラインではどのようなカテゴリに興味を持っているかなどを一元的に分析することで、より効果的なマーケティング戦略を立てられます。
在庫状況を表示する
「せっかくお店に行ったのに欲しい商品がなかった」といった経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。一度マイナスな経験をすると、購買意欲が低下してしまうケースも少なくありません。
商品の数量と共に在庫切れの場合は「在庫切れ」「入荷待ち」などを表記すると次回入荷時の購入機会損失を最少に抑えられるのでおすすめです。
ECサイトに在庫状況を表示するには、店舗の在庫管理システムと倉庫管理システムを連携させることで実現できます。
顧客情報とポイントシステムやクーポンを連携させる
ECサイトと実店舗の顧客情報を共通化することで、ポイントシステムやクーポンを連携させるのも有効です。実店舗でECサイトに誘導することで、ECサイトに手軽にアクセスできるようになり、顧客との接触回数を増やせます。一方でECサイトを利用している顧客には、店舗限定のクーポンやポイントを配布することで、実店舗への来客を促せます。
どちらのチャネルで買い物をしてもポイントやクーポンを利用できるため、購買意欲の促進を期待できます。
このように相互送客を促進させるには、LINEやアプリなどにお得情報やクーポン、ポイントシステムなどを集約するのが効果的です。
ECサイトで購入した商品を実店舗で受け取れるようにする
ECサイトで購入した商品を実店舗で受け取れる環境を整えることで、ECの利便性の向上を期待できます。
顧客は、注文後好きなタイミングで商品を受け取れるうえに、送料を気にせず商品を購入できるのがメリットです。
さらに店舗側は、店舗に足を運んでもらうことで、ついで買いによるアップセルやクロスセルが期待できます。商品を引き渡す際にスタッフがコミュニケーションをとることで、他の商品を一緒に購入してくれる可能性も高まります。
ECサイトで購入した商品を実店舗で返品できるようにする
ECサイトで購入した商品を実店舗で返品できるようにするのもおすすめです。
郵送ではなく実店舗で返品してもらうことで、サイズ違いであれば、返品時に別サイズを試着してもらい購入に繋げられる可能性があります。他にもイメージ違いであれば、実際に店舗内の商品を見て気に入ったものを購入してもらえるケースもあるでしょう。
また、実店舗であればスタッフが接客できるため、アップセルを期待できるのもメリットです。店舗に来店してもらうことで多くのメリットを得られます。
取り置きや取り寄せに対応する
顧客が購入しようとしている商品を取り置きしたり、在庫を近隣の店舗に取り寄せしたりするショップも増えています。近隣の店舗に取り寄せられることで、来店後に試着を行い、購入してもらいやすくなります。
さらに取り寄せが可能になることで「欲しい商品がないから購入を諦める」といった残念な体験を減らすことが可能です。確実に商品を手にとって見られることで、顧客の購買意欲を促進できます。
店舗スタッフもECサイトを有効活用する
ECサイトは、ECスタッフだけでなく、店舗スタッフも有効活用することが大切です。
例えば、店舗スタッフがライブコマースに出演し、ECサイト誘導を行います。他にも店舗スタッフが商品を着用し、ECサイトにスタッフコーディネートとして掲載するのも効果的です。
接客や販促においては、店員スタッフのスキルを活かせます。売り上げを向上させるには、サイトやシステムの連携だけではなく、スタッフの連携にも力を入れていきましょう。
ECサイトと実店舗の連携をするならfutureshopへご相談ください
本記事で紹介したようなECと実店舗の顧客情報やポイント連携、在庫表示などを行いたいけれど難しそうと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
一般的にオムニチャネルを導入・開発するには、1年程度かかるとされています。しかし、futureshop omni-channelは、平均3か月程度で導入・開発が可能です。初期費用やランニングコストも抑えて導入できます。
futureshop omni-channelに少しでもご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
ECサイトと実店舗の連携は、現代のECビジネスにおいて、非常に大切な要素です。
会員データやポイントなどを一元管理することで、両者の魅力を最大限に活用できます。他にもECサイトで商品を購入後、店舗で受け渡したり、実店舗での購入に基づくオンラインプロモーションを実施したりすることで、一貫性のある購入体験を提供できます。
ECサイトと実店舗の連携にお悩みの方は、futureshopにご相談ください。