ファッションEC「Dcollection」がfutureshopに戻った理由とは?解約から再契約までの経緯を本音で語る
- 2023.04.052024.01.29
カスタマイズできるECプラットフォームを使えば、やりたい施策がなんでも実現できると思い込んでいたんです。でも、そんな単純な話ではありませんでした。そもそも、futureshopには多彩な機能がありますから、それらを使いこなせば大抵のことを実現できると後になって気が付きました。
そう話すのは、メンズファッションのECサイト「Dcollection(ディーコレクション)」を運営している株式会社ドラフト(本社福井県)の伊藤社長。
同社は2014年からECプラットフォーム「futureshop」を使い、自社ECで年商12億円を売り上げるなど事業が拡大する中で、さらなる成長を目指すために「独自サービスを実現するにはカスタマイズできるECプラットフォームが良い」と判断して2021年8月に他社プラットフォームにリプレイスしました。
しかし、理想のECサイトを実現することができず、さまざまなトラブルも発生したことを受けて、2022年5月に再びfutureshopで「Dcollection」をリニューアルオープンしています。
株式会社ドラフト様はなぜfutureshopを一度解約し、その後、戻ってきてくださったのでしょうか。
今回のインタビューでは、futureshopを解約する前に感じていた課題や、リプレイスによって実現したかったこと、そして、他社プラットフォームを経てfutureshopに戻った理由について伊藤社長にうかがいました。
プラットフォーム選びの落とし穴や、契約する際の注意点など、伊藤社長の実体験にもとづくリアルなエピソードをお伝えします。ECプラットフォームの選択は、すべてのEC事業者さまにとって重要な経営判断です。自社ECサイトを構築する際のヒントにしてください。
(聞き手:株式会社フューチャーショップ 取締役 安原貴之)
【対談者紹介】
株式会社ドラフト 代表取締役 伊藤佑樹さん
2006年6月に個人事業としてアパレルのネット販売を開始。2009年1月13日に株式会社ドラフトを設立し、代表取締役に就任(現任)。「オシャレで人生を豊かに」という理念を掲げ、ファッションECサイト「Dcollection」を運営している。
株式会社フューチャーショップ 取締役 安原貴之
大学卒業後、受託開発を行う企業にエンジニアとして新卒で入社し、上海現地法人の立ち上げのため6年間上海に駐在。帰国後、2011年にフューチャーショップへジョイン。プロダクト開発やアライアンス、セールス、マーケティングなどを担当し、2022年6月に取締役就任。現在はセールスとマーケティングを統括している。
目次
- 1 メンズファッションECサイト「Dcollection」とは?
- 2 独自サービスを実現するため、カスタマイズできるECプラットフォームに変更
- 3 カスタマイズに落とし穴。開発費用とランニングコストが膨張
- 4 オープン後もトラブル頻発。CMSを想定通り運用できない事態も
- 5 サポートスタッフの対応に「スピード感が出ない」と痛感
- 6 futureshopに戻った決め手は「機能の数と質が頭一つ抜けている」
- 7 ネットショップの現場が求めている機能がfutureshopにはそろっている
- 8 futureshopと連携済みの外部ツールも「押さえるところを押さえている」
- 9 futureshopに戻して施策の実行スピードが向上。売上も回復基調に
- 10 スタイリスト×ITで精緻なパーソナライズを目指す
- 11 メンズスキンケアを今夏に発売。ファッションは50代以上にターゲット拡大も
- 12 取材を終えて(編集部より)
メンズファッションECサイト「Dcollection」とは?
「Dcollection」は30〜40歳代の男性をターゲットにしたファッションECサイト。「年相応の格好がわからない」という悩みを解消するオンラインでの商品提案力が強み。コーディネートを発信するWebマガジンを2012年から運営しているほか、専属スタイリストが顧客の顔や骨格、パーソナルカラーなどに合わせてコーディネートを提案する月額330円のサブスクリプション「あなスタ」も手がけています。
運営会社の株式会社ドラフトは2006年に伊藤さんが個人事業で創業し、規模拡大にともない2009年に法人化しました。
「ECの知見を社内にためることが競争力につながる」(伊藤社長)という考えから、ECの業務は原則すべて自社で行っているそうです。ECサイトの運営メンバーはスタイリストを含めて20人、梱包・出荷・返品対応といった物流業務のメンバーは11人です。
現在運営しているのは自社ECサイトと楽天市場のみ。EC売上高の95%以上を自社ECサイトが占めています。もっとも多い時期でECモールに合計11店舗を出店していましたが、ワン・トゥ・ワンのサービスを志向するため自社ECサイトに経営資源を集中しました。
独自サービスを実現するため、カスタマイズできるECプラットフォームに変更
株式会社フューチャーショップ・安原(以下、安原):本日はインタビューの機会をいただき、ありがとうございます。ドラフトさんがfutureshopを一度解約し、その後ふたたび契約してくださった経緯について、弊社にとって耳の痛いことも含めて率直にお聞かせください。
株式会社ドラフト・伊藤さん(以下、伊藤さん):わかりました。私の経験が、ECプラットフォーム選びで悩んでいるEC事業者さんの役に立てば幸いです。
安原:時系列でうかがっていきたいのですが、まずは、2006年に創業してから2014年にfutureshopをご契約いただくまでの経緯についてお聞かせいただけますか?
伊藤さん:私は2006年に個人事業で創業し、ヤフオク!や楽天市場といったECモールでファッションECを始めました。その後、2011年に「EC-CUBE」を使って自社ECサイトをオープンしています。
安原:2014年にEC-CUBEからfutureshopにリプレイスした際は、何か理由があったのでしょうか。
伊藤さん: ECサイトのメンテナンスや、システムのバージョンアップを自分たちで行うことに限界を感じたためです。システムの管理や更新、セキュリティ対策などの手間から解放されたかったので、SaaS型のfutureshopさんにリプレイスしました。
システム利用料が無料であるという理由でEC-CUBEを使用したのですが、バージョンアップの際にシステムに思わぬエラーが出るなど、管理や更新にとても苦労したことを覚えています。
リプレイスする際は、機能や価格などを多角的に検討した上で、最終的にfutureshopを選んだ決め手は「アパレルECの実績が豊富」という点でした。街で実店舗をよく見かける有名ブランドや、かばんなどの服飾小物ブランドを始め、中小規模のファッションブランドも含めて多くの実績があることが安心材料になりました。
安原:2014年から7年間futureshopをご利用いただいた後、2021年8月に他社プラットフォームへとリプレイスした背景を、お聞かせいただけますか?
伊藤さん:「Dcollection」の売上高が年間12億円まで拡大し、そこから売上をさらに伸ばすためには、カスタマイズできるECプラットフォームへのリプレイスが必要だと判断したためです。
オリジナルの機能を開発して、精緻なパーソナライズ施策を行えるようにしたかったんです。具体的には、スタイリストが人力で行っているコーディネート提案に人工知能を取り入れて、お客さまの身長や体重、購買履歴などのデータにもとづく商品提案を自動的に行えるようにすることを構想していました。
安原:独自のサービスを実現するために、機能を個別開発する必要があるというご判断だったのですね。
伊藤さん:おっしゃる通りです。業績が好調で、利益が出ているときだからこそ、さらなる成長のために投資すべきだと判断しました。
安原:独自のサービスを提供するために、コストをかけてでもカスタマイズするという経営判断は、決して間違いではないと思います。売上を伸ばすためにECプラットフォームを見直すのは、珍しいことではありません。実際、futureshopを卒業していく店舗さまの中には、同じような理由を挙げるケースもあります。
伊藤さん:独自のサービスを提供するという方向性そのものは、間違っていないと思いますが、その目的を達成するために「プラットフォームのリプレイスありき」になってしまったことは、率直に言って私の判断ミスでした。
当時の私は、カスタマイズできるECプラットフォームを使えば、やりたい施策がなんでも実現できると思い込んでいたんです。でも、そんな単純な話ではありませんでした。
そもそも、futureshopには多彩な機能がありますから、それらを使いこなせば大抵のことを実現できると後になって気が付きました。
カスタマイズに落とし穴。開発費用とランニングコストが膨張
安原:他社プラットフォームにリプレイスし、「Dcollection」をリニュアルオープンしたのが2021年8月末ですね。その約10カ月後にfutureshopへ戻るまでに、どのようなことがあったのか、差し支えない範囲でお聞かせいただけますか?
伊藤さん:色々なトラブルがあって、本当に苦労しました。
私の見通しが甘かった部分もあれば、先方の営業担当者の説明が不十分だったために起きたトラブルもあったと思っています。
最初のつまずきは、リプレイスしたECプラットフォームの標準機能の数が、想定していたよりもはるかに少なかったことです。
例えば、メルマガ配信やポイント付与、会員ステージ、ランキング、レビューといった機能を実装するには、カスタマイズが必要でした。こうした機能はfutureshopでは標準機能やオプション機能で当たり前のように使えていたので、まさか開発が必要だとは思いませんでした。
安原:futureshopでは基本料金に含まれているような、ECの基本的な機能すらも開発が必要だったと。
伊藤さん:そうなんですよ。結局、開発のための初期投資は1億円以上かかりました。カスタマイズしたことで保守・更新の費用もかさみ、1年間にかかる費用もおよそ3000万円まで膨らみました。
この点に関しては、契約前にしっかり確認しておかなかった私が悪いと言われれば、その通りなのですが、先方の営業担当者も、もう少し丁寧に説明してくれてもよかったと思っています。
オープン後もトラブル頻発。CMSを想定通り運用できない事態も
安原:サイト構築後もトラブルが頻発し、リニューアルオープンの時間が遅れてしまったそうですね。
伊藤さん:はい。顧客情報の流し込みでエラーが発生し、オープンの時間が10時間以上遅れました。ECプラットフォームをカスタマイズしたことで、細かいバグが残っていたようです。
オープン後も決済システムのエラーなどが発生し、2カ月ほど毎日トラブル対応に追われました。そんな状態ですから、ECサイトの売上高も下がってしまったんです。
安原:リニューアルオープンの出鼻をくじかれてしまったのですね。
伊藤さん:それでもなんとかECサイトの運営を軌道に乗せたのですが、その後、看過できないトラブルが発生しました。
Webメディアを運用するためにECプラットフォーム付属のCMSを契約したのですが、想定していたような運用ができなかったんです。操作の慣れの問題ではなく、そもそも機能的にできませんでした。さらに、Webメディアのコンテンツを増やすにつれて追加費用が発生するものでした。
「Dcollection」はWebメディアからの集客が生命線です。CMSを想定通りに運用できず、コストも上がってしまうのは死活問題でした。
サポートスタッフの対応に「スピード感が出ない」と痛感
伊藤さん:極め付けは、ECサイトにエラーが発生した際にサポート窓口に電話をしても、サポートスタッフがシステムの仕様をまったく理解しておらず、たらい回しにあったことです。
ECサイトにエラーが出たとき、すぐに解決できないと、必要な施策をタイムリーに実行できなくなってしまいます。
体制的にどうしても解決までに時間がかかるものだったので、これでは店舗運営にスピード感が出ないと痛感しました。
そういったことが積み重なって、2022年1月にECプラットフォームを変更しようと決断しました。
あの時期は、本当につらかったです。なにより、弊社の現場のスタッフたちに苦労をかけていたことが、すごく心苦しかったです。
futureshopに戻った決め手は「機能の数と質が頭一つ抜けている」
安原:ECプラットフォームを変更するにあたって、もう一度futureshopを選んでくださった決め手は、どのような点だったのでしょうか。
伊藤さん:判断基準は多岐にわたりますが、突き詰めると「実行できる施策が多い」ということです。
futureshopは標準機能の数が多く、質も高い。有料・無料を問わずオプション機能も豊富です。近年はAPI連携によって、個別開発をしなくても使える外部サービスも増えていますよね。そして、これだけ多彩な機能を使えるにも関わらず、利用料も決して高くはない。実際、ランニングコストは30分の1以下になりました。
futureshopに戻る際は、今度こそ失敗しないように、さまざまなECプラットフォームをリストアップし、調べて調べて調べまくったんですよ。
調べるほどfutureshopは機能の数・質ともに頭ひとつ抜けていると感じました。
しかも、弊社がカスタマイズで実現しようとした施策の多くは、じつはfutureshopを使いこなせば、ある程度は実現できたんですよ。そのことに、もっと早く気付くべきでした。
ネットショップの現場が求めている機能がfutureshopにはそろっている
安原:そのようにご評価いただき、ありがとうございます。ちなみに機能の「質」というのは、どのような意味でしょうか。
伊藤さん:機能が洗練されているんですよ。効果が高い機能を厳選して、低価格で提供している印象です。
例えば、コンバージョン率の向上という目的であれば、カゴ落ちした顧客にメールを送る「カートリカバリー」や、検索窓でキーワードを予測表示する「サジェストリンク」などがありますね。ECサイトのコンバージョン率を上げる施策は多岐にわたりますが、効果が高いものを漏れなくカバーしていると思います。
また、会員ステージを細かく切り分けて、ステージごとにポイント付与率を変えるなど「お客さまの優良顧客化」につながる機能も豊富です。
ようするに、フューチャーショップさんは、ネットショップの現場が必要としている機能を熟知しているんだと思います。約20年にわたってECプラットフォームを提供し、多くのネットショップと向き合い続けてきたからこそ、私たちが求めていることをよく理解しているのでしょうね。
安原:弊社は、お客さまのEC事業の売上を伸ばすにはどのような機能が必要か、常に考え続けてきました。ですから、そうおっしゃっていただけると本当に嬉しいです。
futureshopと連携済みの外部ツールも「押さえるところを押さえている」
伊藤さん:futureshopと連携済みの外部ツールも、押さえるところを押さえているなと思います。例えば「Dcollection」でも使用しているマーケティングプラットフォーム「b-dash」なども非常に便利です。
連携済みのツールは、ショップ側で個別開発しなくてもすぐに使えることが本当にありがたい。カスタマイズで散々苦労した私としては、その価値が身に染みますよ。
安原:APIによる外部ツールとの連携は、弊社としても近年力を入れていることの1つです。
現在のEC業界は、1つのプラットフォームで機能を完結させるのではなく、さまざまな周辺サービスを活用して個性を出していくことがトレンドになっています。弊社としても、店舗さまのビジネスに役立つツールを積極的に連携していく方針です。
じつは、ツールベンダーさんから連携の申し出をいただくことも多いんですよ。なぜなら、ツールベンダーさんが使って欲しいと思う店鋪さまがfutureshopに多いからなんです。店舗さまにとって有益なツールとはどのようなものか、吟味しながら連携ツールを増やしていきますので、ぜひ期待してください。
futureshopに戻して施策の実行スピードが向上。売上も回復基調に
安原:2022年8月にfutureshopで「Dcollection」をリニューアルオープンし、約半年が経過しました。売上はどのように推移していますか?
伊藤さん:売上は回復基調にあります。その要因の一つは、施策の実行スピードが上がったこと。futureshopの多彩な機能を活かして、アイデアが出たらすぐに実行しています。この半年だけでも「セット販売」や「定期購入」などを導入しました。
また、現在はアプリの利用促進にも注力しています。顔の形によって似合う服装がわかる「顔タイプ診断」を無料で行えることを訴求し、ダウンロードにつなげています。
現在の累計DL数は約25万件。ダウンロード数は毎月平均約15,000件ずつ増えています。2年後までに100万DLが目標です。
安原:2年後までに100万DLを達成するには、何らかの方法でブーストをかける必要がありそうです。
伊藤さん:アプリユーザーのコンバージョン率が現在の2倍の8%になれば、CPA500円の広告で収支が合います。ですから、目下のKPIはアプリユーザーのコンバージョン率を8%まで高めること。それを達成したら広告投資のアクセルを踏んでDLを加速させます。
安原:アプリユーザーのコンバージョン率を高めるために、どのような施策に取り組んでいるのでしょうか?
伊藤さん:きめ細かい施策を、地道に積み重ねています。例えば、ヒートマップ分析で離脱ポイントを把握し、コンテンツを改善していく。また、「カートリカバリー」などを使ってカゴ落ちを防ぐ。こういったセオリー通りのことを徹底的にやり切ることが、何より大切ではないでしょうか。
安原:ECサイトを分析し、数字を踏まえて課題を見極め、そこに手当をする。そういった基本的なことをやり切っているからこそ、「Dcollection」の売上がここまで伸びたのでしょうね。
伊藤さん:売上を伸ばすには、基本的なことを徹底するしかないと思います。手間を惜しんでいては、売上は伸びない。この考えは創業以来変わりません。
スタイリスト×ITで精緻なパーソナライズを目指す
安原:アパレルEC業界の競争環境を踏まえて、競合とどのように差別化していくのか、今後の展望をお聞かせください。
伊藤さん:「自分で洋服を選べない方にコーディネートを提案する」という「Dcollection」の強みをベースに、ITを組み合わせることで、より精緻にパーソナライズされたコーディネート提案サービスを目指します。
今は、誰でもECサイトを簡単に作ることができる時代です。弊社が強みとしてきた「オシャレを教える」ということだけでは差別化できなくなりました。お客さま1人1人に合わせてコーディネートを提案すること。つまり「パーソナライズ」が差別化の鍵になると思っています。
安原:これまでに培ったコーディネート提案のノウハウにITを組み合わせて、オリジナルのサービスを目指すのですね。
伊藤さん:はい。
例えば、「あなスタ」のコーディネート提案は、スタイリストが人力で行っています。お客さまから顔写真を送っていただき、スタイリストが目視で顔タイプを診断した上で、似合う洋服を提案します。
こうしたサービスに加え、身長や体重、骨格、購買履歴といったデータを活用し、より細かいセグメントを構築した上で、届けるコンテンツの制作・発信を自動化するなど「Dcollection」ならではのサービスを作り上げたいです。
こうしたサービスを実現するには、ECサイトにはさまざまな機能が必要です。機能開発や外部ツールとの連携については、フューチャーショップさんには大いに期待してします。
そして、私たちは自分たちにしかできないサービスを設計し、実行することで、お客さまから選ばれるネットショップを目指していく。フューチャーショップさんとは、そういったパートナー関係を築ければ理想的ですよね。
安原:まさに今おっしゃっていただいたように、ECシステムの開発や運営を弊社が担い、店舗さまには商品開発やマーケティングといったECの本質的なことに注力していただきたいというのは、弊社がこれまで一貫して目指してきたスタンスです。ぜひ一緒に体現していきましょう。
メンズスキンケアを今夏に発売。ファッションは50代以上にターゲット拡大も
安原:最後に、2023年の抱負をお聞かせください。
伊藤さん:今年6月を目処に、スキンケア化粧品のブランドを立ち上げます。ターゲットは30〜40歳代の男性です。
10〜20歳代を中心に、男性もスキンケアを行うようになってきました。今後は30〜40歳代にも、その習慣が広がっていく可能性は十分にあると思っています。
安原:ファッションとスキンケアは親和性が高そうですね。じつは私も、元々肌が弱かったこともあり、20代からスキンケア化粧品を使っているんです。アラフィフなのですが、歳を重ねるごとに、肌の手入れも含めて身だしなみの大切さを実感しています。
子どもたちからも「お父さんもおしゃれ頑張って」と言われるんですよ。友達のお父さん方を見ているから、自分の父親にも若々しくいて欲しいんでしょうね。
伊藤さん:じつはファッションECのターゲット層を50〜60歳代にも広げていきたいという構想があります。お客さまから「もっと上の世代の服も取り扱って欲しい」という要望をいただいているんですよ。
50〜60歳代の男性ファッションは、ネット通販ではブルーオーシャンなので、大きな可能性を秘めていると思っています。
安原:50歳代向けのブランドが発売されたら、私も「あなスタ」に登録してコーディネートを提案していただきたいです。これからの展開が、ますます楽しみですね。
そろそろお時間になりましたので、インタビューを終えたいと思います。本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
取材を終えて(編集部より)
2006年に「ヤフオク!」でアパレルECをスタートし、現在は自社ECサイトを中心に月商1億円規模まで事業を拡大した伊藤社長。ECサイトの運営業務は原則すべて自社で行うなど、ECに精通した伊藤さんが本音で語ってくださった今回のお話は、ECプラットフォーム選びで悩んでいるEC事業者さまにとって参考になったのではないでしょうか。
世の中には成功事例が溢れていますが、今回のようなエピソードは大変貴重な情報でしょう。インタビューにご協力いただいた伊藤社長には、あらためて感謝を申し上げる次第です。
ECプラットフォームの選定は、EC事業の成否を左右する重要な経営判断です。事前のリサーチと比較検討が欠かせません。株式会社フューチャーショップは、リプレイスを検討中のEC事業者さまを対象としたWebミーティングも随時開催しています。お気軽にお問い合わせください。