ECサイトで売れる商品選定ってどうしてる?ヒット商品になりうる5つの要素と商品登録のルールの重要性を再確認!
- 2019.12.122024.01.30
先行運営されているECオーナーは、どのような過程を経てサイトを立ち上げたのか?
制作過程での悩みや葛藤にはどんなものがあるのか?
ライター業を営む傍ら、自身でECの運営代行やwebサイトのディレクションも行う筆者。
そんな筆者が、実際業務にかかわったECサイトの制作過程や、挫折・売り上げ目標をクリアしていく様を赤裸々にご紹介する体験談。
▼前回のEpisodeはこちら
今回の記事では、ECサイトへ登録する商品選定や商品登録についてのエピソードをご紹介したいと思います。
『EC運営を始めよう』とお考えの方々に、参考にしていただけたら嬉しいです!
目次
サイト制作時には見落とされがちな商品選定
ECサイトの制作から運営開始までの作業を箇所で区切ると、「カート選び」「デザイン制作」「集客方法」といったセクションに注目があつまりがちです。
もちろん、これらは非常に重要な作業ではありますが、サイト制作に力が入りすぎて意識から抜け落ちがちなのが「商品選定」です。
販売サイトであるECを運営する訳ですから、商品を選ぶ際は売れ筋を狙って厳選したいもの。
しかしいざ商品を選ぶとなると、「どうやって商品選定をしたら良いのかわからない」というサイトオーナーは多いのです。
今回の記事では、商品選定とその登録方法にスポットを当てたいと思います。
サイト立ち上げにおける商品選定は大事
自社や自店のサイトを繁盛店にするには、おのずとヒット商品を生み出さなければなりません。
そのためには数ある商品の中から、メインに据えたい物を絞り込む作業を行う必要があります。
商品点数を増やした方が「売れる」?
ECサイトを運営されている先輩オーナーの方々のなかには、「まずは商品点数を増やすべき」というアドバイスをされる方もいらっしゃるかもしれません。
確かにサイトで売る商品点数を増やせば、それなりに売り上げが立つと思います。
なぜなら永続的な売り上げのためには、十分に考えられた販促施策をもとにした商品ページのつくり込みが必要だからです。
ECサイトのオープン時は、「売れるためのノウハウ」や「顧客とのコミュニケーション」が十分ではありません。
商品力をアップさせる施策や、表現方法が希薄なまま商品点数を増やすと、かえって後のページ改修作業に手間取ることになります。
商品選定を誤るとサイトのデザインや広告も無駄になる
今までの経験からいうと
サイトの立ち上げにあたっては、登録する商品を、少ないアイテムやカテゴリに絞り込みましょう。
そして顧客の反響や行動を分析しつつ、各ページをじっくり作り込み一つの商品当たりの売上額を伸ばしていく、いわば“少数精鋭”の戦略を取ることをおすすめします。
サイトに訪れた顧客は、きれいなデザインだから商品を購入するのではなく、魅力的に見えるからこそ商品を買うわけです。
広告でも同じことが言えます。せっかく広告で顧客をショップにつれてきても、サイトに商品を魅せる力がなければ離脱してしまいます。
サイト立ち上げ時には、少数精鋭の戦略で『売れる商品と顧客対応のノウハウ』を習得しましょう。そのノウハウをもとに、商品点数を増やしていけば着実に収益は増えていくはずです。
ECサイトで「売れる商品」の要素とは?
とはいえ、数ある商品の中から売れ筋を見つけるのは至難のワザです。
ではどんな要素を持った商品であれば、売れる商品だといえるのでしょう。
今までのサイト支援の実績を踏まえると、サイトで売れる商品の要素は以下の5つに集約されると考えています。
ヒット商品になりうる5つの要素
既存の販売実績を活かして商品選定を行う
このように、商品の属性を踏まえて選定を行うのもアリですが、サイト運営を始める多くのショップはすでにリアル店舗で実績を残されていると思います。
リアル店舗で販売実績のある商品は、ECにおいても売れ筋商品になり得ます。
リアル店舗をお持ちの方や流通に関わっている方は、自社・自店の実績を踏まえてサイトで売る商品を選定しましょう。
売れ筋を想定しつつ商品カテゴリを組み上げる
売れる要素やリアル店舗の実績を加味して商品選定を行ったら、その商品に関連もしくは付随したカテゴリを組み上げていきましょう。
この作業を丁寧に行えば、おのずとECサイトで販売する商品のラインナップが見えてくるはずです。この時サイトオーナーであるあなたの脳裏に、商品が売れていくイメージが浮かべばかなりの確率でサイト運営は上手くいきます。
ネットの特徴を活かして商品選定に流動性を持たせる
ここまで商品選定の方法を、順序だてて説明してきました。ただ中には慎重なECサイトオーナーの方もいらっしゃるでしょう。
このエピソードでご紹介している木材メーカーの担当者さまもそんな慎重派の一人。我々チームも、様々な方法で商品選定のお手伝いを行いましたが、なかなか踏ん切りをつけられないご様子でした。
そこで
「この商品選定は、やるべきことを踏まえて決めたものです。とりあえずサイトをオープンさせて、顧客の反応を見てみましょう。もし反応が鈍ければ、再選定を行えばいいのですから」と説得。
なんとか先方のご理解を得ることができました。
流動性は、ネットが持つ美点の一つ。
雑な選定は論外ですが、順序を踏まえて商品選定を行ったのなら、速やかに行動に移したほうが良い。熟慮は必要ですが、迷いや躊躇はスピーディーな対応が求められるECにおいてNGです。
何事も最初が肝心、商品登録のルールをつくろう
商品選定が終われば、次は商品登録を行わなければなりません。
商品登録はEC運営でかなりのウェイトを占める作業
ECサイトの運営は、
- 受注管理
- 在庫管理
- 顧客対応
- 発送作業
- 商品登録
上記5つのセクションに分類されます。
ある程度の繁盛店になってくると、顧客対応や発送作業と合わせて、日々の商品登録に追われます。
商品登録は、単にカートシステムに商品情報を入力するだけの作業ではありません。
商品写真の撮影と画像素材の編集、商品の特徴をわかりやすく説明するためのコンテンツ作成も必要です。
商品登録のルールづくりは最初が肝心
ここで大事になってくるのが、商品登録時におけるルールづくり。
放置しておくと、複数のスタッフで作業行った際、写真の向きやコンテンツに統一感がなくなります。
こうなると見た目も非常に悪いばかりか、後の修正作業や項目追加ができなくなってしまうこともあります。
私も過去幾度となく、無作為に行われた商品登録情報の修正作業を依頼されてきました。商品登録数が1,000件を超えると、修正作業に非常に手間取ります。
結果として、望まないまとまった作業費用をご請求しなくてはなりません。
このような事態を避けるためにも、最初にルールを決めましょう。
商品登録を楽にする参考例
では最後に、商品登録を楽にする方法をいくつかご紹介したいと思います。
商品登録の王道「CSVによる一括対応」
一度に数多くのデータを管理・処理することのできるCSVは、もっともオーソドックスな商品管理の方法といえるでしょう。
CSVはExcelと形式が似ているので、特別なスキルがなくても取り扱えます。
特定のキーワードやデータ項目を挿入・削除することも簡単にできる他、カートシステムに一括登録できて非常に便利です。
ただし似ているとはいえ、CSVとExcelでは表記に差異が生じることもあります。
この問題を発生させないためにも、データを編集する場合はCSV専用エディターを導入しましょう。
- Cassava Editor (Windowsのみ対応)
- Libre Office (Windows / Mac 双方に対応)
サイズなどの表記は「テーブルタグ」で解決
商品に付随する情報は「素材・色・サイズ・説明文」などになります。
これらの情報を文字だけで表記すると、わかりづらいばかりか見栄えもよくありません。そこで、情報を見やすくするために、表組で表すことをおすすめします。
通常、サイト上に表組(table:テーブル・タグ)を作成するには、HTMLの知識が必要になります。
しかし下記のサイトを使えば、HTMLの知識がなくても簡単に表組のプログラムを作成することができます。
このようなツールを使ってテーブルタグをつくり、ご利用のカートシステムの商品詳細内容入力画面からタグを入力すれば簡単に表組で商品情報を表記できます。
なお、ツールは古くなることがありますので、度々最新のツールを検索してみて使いやすいものを選んでみましょう。
まとめ
ECサイトでは商品選定作業でつまずくと、今まで頑張ってきたデザイン制作や、お金をかけた広告施策が無駄になってしまいます。だからといって、慎重になってばかりもいられません。
しっかり手順を踏んで商品を選定したら、速やかにサイトへ反映しましょう。
また商品登録の方法も、商品選定と同じくらい難しい事柄。
熟慮必須とはいいませんが、商品点数が増えてくることを想定せずに商品登録を行うと、後々大変なことになるかも?
そうならないために、立ち上げ時にしっかりルールを決めておきたいですね。
次回のおはなし
ECサイトを運営していく上で、「送料」と「クレジットカードの決済代行」は無視できない費用です。
この連載でご紹介しているショップさんは、当初オープンソースでECサイトを構築されました。
そのためプラグインできる代行決済会社もある程度絞られます。それもあって、決済会社選びはそこまで問題になりませんでした。
ただ取り扱う商品の多くが長尺の木材となるため、送料の問題と契約する運送会社さんの選定にかなり手間取りました。
次回の記事では、実際にどのようなプロセスを経てこの問題を解決したのかを詳細にお伝えします。
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