ECサイト向けのCMS9選|ECサイトの構築に利用するメリットや注意点を詳しく解説します!

「ECサイトの構築を検討しているが、どのCMSを選ぶべきかわからない」

「CMSの種類やECサイト向けの具体的なサービスが知りたい」

といった悩みは、これからECサイトを立ち上げる担当者の方に起きがちです。

本記事では「ECサイト向けのCMS8選」と「ECサイトの構築にCMSを利用する3つの注意点」を中心に解説します。ECサイト構築時に使用するCMS選びに役立つため、ぜひお読みください。

CMSとは?

CMSとは「Contents Management System」の略語であり、Webサイトを構築・運用するためのシステムです。

CMSの主な機能は以下です。

  • コンテンツの作成・編集
  • デザインの変更
  • コンテンツの公開・管理
  • 複数人での作業

CMSはHTMLやCSS、JavaScriptといったプログラミング言語が扱えなくても「レイアウトを選択する」「要素を移動させる」などの簡単な方法でサイトが構築できます。

ECサイトが構築できるCMSの種類

ECサイトが構築できるCMSは、大きく分けてオープンソースとECカートの2種類です。それぞれの特徴を解説するため、選定の参考にしてください。

  • オープンソース:カスタマイズの自由度が高く独自性を打ち出しやすい
  • ECカート:セキュリティ対策や保守の手間がかからない

オープンソースのCMS

オープンソースのCMSは、基本的に無料で利用できます。代表的なCMSはWordPressです。多くのプラグインやテンプレートを使って、ECサイトを構築できます。

なお、ECサイトを構築するためには、EC専用のプラグイン導入が前提です。また、カスタマイズするためにはプログラミング言語の知識も欠かせません。

セキュリティ対策をはじめ、更新やメンテナンスなどのサポートがない点にも注意が必要です。金銭面でのハードルは低いものの、ある程度のリソースと知識が求められる方法といえます。

ECカートのCMS

ECカートのCMSは、オープンソースのように環境を自分で用意する必要がありません。たとえば、futureshopでは、パーツを組み合わせてECサイトを構築できる「commerce creator」を用意しています。

オープンソースのCMSと比較すると自由度は限定されますが、メンテナンスはベンダー側で実施するため、手間がかかりません。

できるだけ時間や手間をかけずに、CMSを利用したい場合はおすすめの方法といえます。

commerce creatorについては、以下のページで詳しく紹介しているため、ぜひご覧ください。

CMSのメリット・デメリット

CMSの導入が自社にとってどのような影響を及ぼすのかは、事前に確認が必要です。メリットとデメリットに分けてお伝えするため、参考にしてみてください。

CMSで得られるメリット

CMS利用によるメリットは、コンテンツマーケティングが可能になる点です。たとえば、世界最多の利用者数をもつWordPressは、プラグインが豊富に用意されており、SEOをはじめとするコンテンツマーケティングに役立つ機能を手間なく実装できます。

ECプラットフォームのCMS機能では、HTML/CSSの知識が必要です。コンテンツをできるだけスピーディに増やしたい場合は、外部ツールの利用が推奨されます。

自社のECサイトによる商品情報の発信だけでなく、悩みやお役立ち情報に関する情報が発信できるようになれば、より自社の認知を広めることが可能です。また、必要に応じてコンテンツの部分を外注化すれば、社内リソースを商品開発に注力できます。

CMS利用時に気をつけたいデメリット

外部のCMSツールを利用する際に気をつけたいデメリットとして、セキュリティリスクが挙げられます。

たとえば、WordPressは誰でも利用できる反面、サイバー攻撃の標的になりやすい環境ともいえます。導入する際には、以下の対策が欠かせません。

  • セキュリティの高いサーバーを利用する
  • 常に最新バージョンに更新する
  • 信頼できる必要最低限のプラグインしか利用しない
  • 2段階認証を有効にする

ECサイトの構築にCMSを利用する3つの注意点

ECサイトの構築時にCMSを利用する際は、以下の3点に注意しましょう。

  • 自社にマッチするCMSを選択することが難しい
  • CMSの操作方法を理解しなければならない
  • オープンソースの場合はセキュリティ面での懸念がある

1.自社にマッチするCMSを選択することが難しい

一般的なCMSは扱いやすさを重視して開発されているため、カスタマイズしたい内容によってはプログラミングスキルが必要になります。そのためテンプレートの素材を組み合わせて構築するケースが多いです。

しかし自社ECサイトはブランド力を示すことが重要です。豊富なテンプレートから自社に合いそうなものを選べるメリットはありますが、テンプレートによって事業者側で触れる箇所が限定されています。

そのため凝ったデザインにする場合はテンプレート内のコードを修正する必要があるためオリジナリティのあるデザインにする難易度が高く、ブランディングがやりにくい側面もあります。

futureshopのcommerce creatorは、初期の構築はfutureshopに精通した「認定マイスター」に構築してもらうことで、事業者側に多少のHTML、CSSの知識がある方であればローコード、知識がなくてもノーコードで運用することが可能です。

ページを構成する要素を「パーツ」に分解し、パーツを入れ替えることでレイアウトや導線変更ができたり、パーツ内を自由に編集できるため、サイト公開後も運営者側でサイト更新をすることが可能です。

詳しくは以下のページをご覧ください。

2.CMSの操作方法を理解しなければならない

ECサイトの構築前に、導入するCMSの「基本的な操作方法」や「初期設定の手順」を理解しておく必要があります。

CMSの設定や操作に不安がある場合は、サポート体制が充実しているサービスを導入しましょう。担当者の習熟度に応じて、安心して利用できるサービスを選ぶ必要があります。

3.オープンソースの場合はセキュリティ面での懸念がある

多くのCMSでは、セキュリティホールが見つかるたびにアップデートされます。「企業が管理している」「開発者が多い」といったCMSほど手厚くサポートされており、セキュリティが強化されています。

ただし、先述したとおり「オープンソース型」のCMSはソースコードが公開されていることから、セキュリティ面に不安が残ります。CMSの選定時は、万が一トラブルがあった場合に「どのようなサポートが用意されているか」を確認したうえで検討しましょう。

ECサイト向けのCMS9選

ここからは、ECサイト向けのCMS9選を紹介します。

1.commerce creator

commerce_creator

引用:futureshop|commerce creator

「commerce creator」は、SaaS型のECサイト構築プラットフォーム「futureshop」で利用できるCMSです。「導線設計の改善」や「パーツのデザイン変更」が可能であり、EC担当者がサイト改善を行いやすい設計となっています。

ユーザーごとに表示内容がカスタマイズできるため「ログインしていないユーザーに会員登録を訴求する」といった対応が可能です。また商品のカラーバリエーションごとに画像を登録すれば、カートに入れた商品がショッピングカートに表示されるため、ユーザーは安心して購入まで進めます。

さらに、デザイン済みのECサイトが「スタートアップテーマ」として用意されているため、サンプルの画像・文字を変更するだけでECサイトが開店できます。「システム提供分のパーツ」と「独自に作成するパーツ」が組み合わせられるため、デザインのカスタマイズ性が高いCMSです。

特徴
  • 各ユーザーに合わせた訴求が可能
  • EC担当者が導線設計の改善からデザイン変更まで簡単に行える
  • デザインのカスタマイズ性が高い
種類 SaaS / ASP
費用 commerce creatorの利用料は、futureshopの利用料に含まれています。

Standardプラン

初期費用:22,000円~52,000円

基本料金:24,000円~57,000円(月契約時)

Goldプラン

初期費用:52,000円

基本料金:81,000円(月契約時)

 

2.EC-CUBE

EC-CUBE

引用:EC-CUBE

「EC-CUBE」は、ECサイト構築システム「ECKit」をもとにオープンソース化されたCMSです。推定稼働店舗数は3万5,000件を超えており、月商1,000万円以上のネットショップ利用数はNo.1となっています。

基本的な機能だけでなく「ポイント機能」や「スマートフォンアプリ対応」「BtoB専門機能」などが標準で搭載されており、デザインプレートも豊富です。また1500以上のプラグインがあるため、機能拡張も容易です。

特徴
  • 月商1,000万円以上のネットショップ利用数No.1
  • ECサイト構築システム「ECKit」をもとにオープンソース化
  • 1500以上のプラグイン
種類 オープンソース型
費用 無料

 

3.Magento

Magento

引用:Magento

「Magento」は、全世界で25万以上のECサイトが利用するオープンソース型のCRMです。多言語・多くの通貨に対応しているため、越境ECに適したCRMとして評価されています。

複数のサイトを1つの管理画面でまとめて管理できるため「日本向けのサイトと中国向けのサイトの管理画面をまとめたい」といったニーズにも応えられます。

機能拡張できるプラグインが豊富であり、10万人もの開発者が利用するコミュニティがあります。ただし関連サイトは英語が多いため、苦手意識がある方は注意が必要です。

特徴
  • 全世界で25万以上のECサイトが利用
  • 複数のサイトを1つの管理画面で管理できる
  • 10万人もの開発者コミュニティがある
種類 オープンソース型
費用 無料

※商用版の費用は要問い合わせ

 

4.Welcart

Welcart

引用:Welcart

「Welcart」は、SEOに強い「WordPress」のプラグインです。インストールするだけで「クレジット決済機能」や「商品管理」「会員管理」などのECサイトに必要な機能がそろいます。

また、オンラインストアではテーマやプラグインが入手できます。オープンソースのため、プログラミング言語の知識を活用してカスタマイズすることも可能です。

WordPressと一元管理できるため、統一感のあるECサイトが効率的に運営できます。

特徴
  • SEOに強いWordPressでECサイトが構築できる
  • プログラミング言語を活用したカスタマイズが可能
  • WordPressと一元管理できる
種類 WordPressプラグイン
費用 無料

 

5.EC-Orange

EC-Orange

引用:EC-Orange

「EC-Orange」は、オープンソース型のCMS「EC-CUBE」がベースになったパッケージ型のCMSです。月間売上数億以上の大規模ECのトランザクションに対応したインフラ構築が可能であり「大量受注」や「大量アクセス」にも対応できます。

マルチテナントやフルフィルメント、マルチドメイン運用に標準対応しており「BtoB」や「BtoBtoC」「オムニチャネル」といった多様な構築モデルに対応可能です。

特徴
  • 大量受注・大量アクセスに対応できるプラットフォーム
  • 多様な構築モデルに対応可能
  • マルチテナントやマルチドメイン運用などに標準対応
種類 パッケージ型
費用 要問い合わせ

※カスタマイズの内容や導入規模によって価格の変動あり

 

6.CS-Cart

cs-cart

引用:CS-Cart

「CS-Cart」は、13年以上の歴史があるパッケージ型のCMSです。従来オープンソース型として提供されていたCMSが、現在はスタンダート版として販売されています。そのほかに「モール版」や「マーケットプレイス版」もあるため、ニーズに応じて選択可能です。

また27言語・多通貨に対応しているため、越境ECに適しています。「クーポン機能」や「ポイント機能」「会員ランク機能」といったマーケティングに関わる機能も搭載しているため、ECサイトの集客に役立てられます。

特徴
  • 3種類のパッケージから選択可能
  • 多言語・多通貨に対応
  • サイト構築からマーケティングの機能まで搭載
種類 パッケージ型
費用 スタンダード版:227,700円

マーケットプレイス版:575,190円

モール版:1,490,000円

 

7.ecbeing

ecbeing

引用:ecbeing

「ecbeing」は、構築数1,600超の実績があるパッケージ型CMSです。EC事業のフェーズごとに「スタートアッププラン」「ミドルプラン」「エンタープライズプラン」の3つから選べます。

また、BtoCとBtoBそれぞれに特化したECサイト構築プラットフォームを用意しており、幅広いビジネスモデルに対応可能です。初期費用が最低19万円からのため、大手中堅企業向けのCMSです。

特徴
  • 構築数1,600超の実績
  • EC事業のフェーズに応じて3つのプランから選べる
  • 幅広いビジネスモデルに対応可能
種類 パッケージ型
費用 スタートアッププラン

初期費用:19万円~

月額費用:5万円~

ミドルプラン

初期費用:500万円~

月額費用:20万円~

エンタープライズプラン

初期費用:見積もり

月額費用:40万円~

 

8.Zen Cart

ZenCart

引用:Zen Cart

「Zen Cart」はドイツで誕生したCMS「osCommerce」から派生し、アメリカで開発されたオープンソース型のCMSです。

「人気商品のランキング表示」や「クーポン機能」「割引顧客グループ」などのECサイトの販売促進につながる機能が備わっています。多言語・多通貨に対応しており、越境ECにも活用できます。

特徴
  • アメリカで開発されたCMS
  • ECサイトの販売促進につながる機能を搭載
  • 多言語・多通貨に対応
種類 オープンソース型
費用 無料

9.Movable Type

Movable Type

引用:Movable type

Movable Typeは、ソフトウェア版とクラウド版の両方に対応したCMSプラットフォームです。豊富なデザインテンプレートやプラグインが利用できるため、プログラミングの知識がなくても、手軽に独自性をもたせた環境構築が可能です。

アメリカの企業が開発したCMSですが、国内の上場企業や国立大学でも導入されており、日本語でのサポートが受けられます。契約するプランによっては、メールでのサポートにも対応しており、安心して利用できるCMSといえます。

特徴
  • アクセスの負荷に強い
  • セキュリティ性が高い
  • 1つのデータベースで複数サイト構築が可能
種類
  • ソフトウェア版:パッケージ型
  • クラウド版:SaaS型
費用
  • ソフトウェア版:99,000円(税込)
  • クラウド版:5,500円(税込)〜

CMSのECサイト構築でよくある2つの質問

CMSにおけるECサイト構築でよくある質問は、次の2つです。

  • ECサイト構築に使うCMSを選ぶときのポイントは?
  • CMSでECサイトを構築する前に準備しておくべきことは?

質問1.ECサイト構築に使うCMSを選ぶときのポイントは?

ECサイト構築時に使用するCMSは、以下のポイントを意識して選びましょう。

  • CMSの特徴を理解する
  • ECサイトの規模を考慮する
  • 運用担当者のスキルを考慮する

CMSによって特徴が異なるため、自社商材に適したCMSを選びましょう。たとえば自社で扱う商材が「BtoB商材」の場合、BtoC向けのCMSを選ぶと必要な機能が搭載されていない可能性があります。

また、構築するECサイトの規模に合ったCMSでない場合、売上規模に見合わないCMSを選ぶとランニングコストが高く利益を圧迫することが問題となります。

さらにCMSの種類によっては、プログラミング言語の知識が必要です。スキルを有している人材がいない場合はECサイトの運営が滞る可能性があるため、担当者のスキルを考慮したうえで使用するCMSを選びましょう。

質問2.CMSでECサイトを構築する前に準備しておくべきことは?

ECサイトの構築前には「どのようなECサイトにしたいか」を明確にしておきましょう。

ECサイトのターゲット層や扱う商材によって「効果的なデザイン」や「導入すべき機能」が異なります。CMSによってデザイン・機能の自由度に差があるため、理想とするECサイトのイメージを決めたうえで、CMSの選定やECサイトの構築に進みましょう。

まとめ

ECサイト構築時に利用するCMSは、おもに「パッケージ型」「オープンソース型」「SaaS ASP型」の3種類あります。それぞれメリット・デメリットが異なるため、特徴を理解したうえで選ぶ必要があります。

本記事で紹介したCMS8選を参考に、自社ECサイトに適したCMSを選びましょう。