ブラックフライデー、ホリデーシーズン…2018年、日本自社EC年末商戦の結果は?
- 2019.01.252024.01.30
日本でも、徐々に広がりを見せてきたBlack Friday(ブラックフライデー)。
諸説はいろいろあれど、アメリカの感謝祭(11月の第4木曜日)翌日を指すことが多いようです。
アメリカでは感謝祭プレゼントの在庫一掃セールを指している一方、日本では年末のボーナスやクリスマスの準備など、財布の紐がゆるみがちなホリデーシーズンに、オトクに欲しかった商品を手に入れるイベントとして数年前から認知されつつあります。
今回は、2016年のホリデーシーズン調査と比較しながら、流通額から見たブラックフライデーの日本への浸透度合いや、どの業界がホリデーシーズンに売上を立てているかを調査しましたので、その結果を報告します。
なお、この記事中のホリデーシーズンとは、11月1日〜12月20日のことを指します。
クリスマスや年末年始など、イベントや休暇に向けた年末商戦の需要予測としてご参考になりましたら幸いです。
ホリデーシーズンの流通額は?
futureshopをお使いの2400店舗を基に調査すると、2018年ホリデーシーズンの流通額は約195億円。そのうちスマートフォン(SP)経由は約116億円と全体の59.5%を占めました。
グラフ1:流通額内の決済デバイス割合(2018年11月1日〜同年12月20日)
2016年は流通額約70億、スマートフォン経由の決済は48.4%でしたので、2年でホリデーシーズンの流通額は約3倍に伸び、スマートフォン経由の購入割合は10ポイントアップしています。
スマートフォンサイトでの購入完了までの導線整備は、自社ECサイトでは必須と言えるでしょう。
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ブラックフライデーは、日本に根づき始めたか?
お買い物が多い時期は?
2018年のブラックフライデーにあたる11月23日の売上を100%とした、ホリデーシーズンの日別の売上を調査した結果が下記のグラフ2です。
グラフ2:11月23日の売上を1とした、ホリデーシーズンの売上推移
目につくのが、「緑色の線」で表されているスマートフォン経由の売上が11月中旬(13日、14日)に急上昇していること。
これはTVでの露出や大規模セールが開催された際に見られる動きですが、こうした売上を伸ばすチャンス時には、在庫だけではなく、サーバー増強・増設などのアクセス対策も万全に行っておきたいものです。 ※1
次に、デバイスを合算した流通額を示す「青色の線」を追ってみます。
ブラックフライデーが11月の中では高い水準を見せるものの、その後1週間ほど売上はブラックフライデーを超えることはありません。
ところが、12月1日になると突然跳ね上がり、ブラックフライデーの売上を超える勢いが連日持続します。
日本の自社ECでのお買い物ムードが高まるのは、現状はブラックフライデーよりも12月に入ってからといった見方ができるでしょう。
また、クリスマス1週間前の週末、12月16日(日)前後の購入が12月ピークであることから、
ここの週末は「クリスマスプレゼントの駆け込み需要」や「年末年始に向けた準備」といった目的で買われているのかもしれません。
この時期のお客様は、商品到着予定日などの配送情報をいつも以上に気にされることかと思いますので、ECサイトの目に付くところに表示するなどの工夫が必要でしょう。
ブラックフライデーが日本の自社ECでも普及する兆しは見えていますが、
2018年時点の年末商戦内では突出するものではありませんでした。
購買意欲が高まるのは、12月に入ってから。
クリスマス1週間前の週末にピークに達するようです。
また、実店舗やショッピングモールの状況を見てみると…
★ GAPなどに代表される実店舗でのブラックフライデーのセールイベント
★ 楽天の11月23日(金)ブラックフライデー実施
★ Amazonではサイバーマンデーという名で12月7日(金)〜12月11日(火)に実施
11月下旬から年末にかけて、購買意欲をかきたてるキャンペーンがあちらこちらで開催。
この流れに乗り、自社ECでもイベントを開催することがこの時期の売上を立てるカギとなります。
本調査結果やキャンペーン開催状況を参考に、モールや自社EC、そして実店舗での年末商戦販促活動をご計画の上、ご準備いただけると幸いです。
ホリデーシーズンで流通額が髙い業種は?
2018年のfutureshop流通額は1085億円となりました。
年間流通額を100%とし、ホリデーシーズンの流通額が占める割合を、業種別で調査した結果が下記の表です。なお、業種はfutureshopのお申し込み時にご入力いただいている内容で調査しています。
表1:業種別ホリデーシーズン売上構成比(水色:業界平均)
調査した期間は11月1日〜12月20日の49日間なので、1年(365日)に占める割合は13.42%。
この期間での業種全体の売上割合は17.96%と、期間の割合を超えるため、この時期は他の時期よりもお買い物気分が高まっていると考えられます。
上位の業界を見ると
「食品」「楽器・音楽機材」「日本酒・焼酎」「ワイン・ビール・洋酒」「スイーツ」「ギフト」は20%を超えています。
特に「食品」は売上割合(全体)で約36%と、年間の3分の1はこの時期に売上が立っている計算になります。
予約販売を利用したプロモーションなど、販売計画を入念に立てておくことが成功への秘訣となるでしょう。
一方、「花・ガーデン・DIY」「ダイエット・健康」「旅行用品・旅行予約」は売上割合(全体)が期待される売上割合の13.42%より下回っており、
ホリデーシーズンは購買意欲をそれほど喚起しないようです。
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導入前のご相談なども承っておりますので、自社ECの売上アップにお悩みの方はぜひお問い合わせください。
- 2年前のホリデーシーズンと比較すると、同時期の流通額は150%
- スマートフォン経由の決済は6割と、2年前と比較し10ポイントアップ。導線整備は必須
- ブラックフライデー1日の流通額は11月内では高い
- 流通額が増加する傾向にあるのは、ブラックフライデーよりも12月に入ってから
- お買い物ムードが高まった12月の売上を上げるには、念入りなプロモーションが重要
- クリスマス1週間前が流通額のピーク
- ホリデーシーズンの売上が1年の売上の多くを占める業種もある。
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